*初恋*

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 バカップルの新婚ノート-ご馳走様でした編- バカップルを見せつけられてしまった -お宅訪問編-
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「二次創作」
短編

School paper

 
 バカップルの新婚ノート-ご馳走様でした編- バカップルを見せつけられてしまった -お宅訪問編-
久々に短編カテゴリ…な気がします。相変わらずな内容ですが(^^;

青い入江時代(何それ)のお話です。

School paper




「今週のあれ…見た?」
「あ、まだ見てなーい」
「見なよ、ほら!あたし一部もらえたから!」

 きゃあきゃあと騒ぎながら、直樹の横を数人の女子が通り過ぎていく。
 その際、ちらりと直樹を見て行った。その後、くすくすと忍び笑いが追いかけてくるのも最近では慣れっこになりつつある。
 今週のあれ、とやらが何だか気になるものの、琴子と知り合ってからあんまりにも噂されることが増えてしまって、直樹もいちいち構わなくなっていた。
 しかし。
 この時問い詰めておけばよかった、と後悔することを、彼はまだ知らない。


 一方の琴子も、F組のみならず、全学年から好奇の眼差しで見られることに違和感を覚えていた。
 直樹にラブレターを渡し、みんなの前でばっさりと振られてから噂されるのも慣れてしまったけれど、大抵はしばらく経つと落ち着くのだ。
 なのに、最近はいつまで経っても落ち着かない気がする。
 理美やじん子に聞いてもはぐらかされるだけで、一向に理由がわからなかった。



           ********



 その日、琴子の鞄に直樹の参考書が紛れ込んでいた。
 昨晩、泣いて縋ってお願いしまくって、ようやく教えてもらった数学のものだ。琴子が間違えて一緒に片付けてしまったらしい。
 F組には縁のないそれは、中を見てもチンプンカンプンだ。だから、これがA組なら授業で使うものなのかどうかもわからない。
 とりあえず持っていても仕方ないので、琴子はそれを持ってA組に向かった。
 さすがに堂々と直樹を呼び出すのは憚られたので、入口からひょこっと顔を覗かせ、直樹の姿を探した。
 それに気づいた渡辺が、ひらひらと琴子に手を振ってきた。

「おーい入江、琴子ちゃんが来てるぞ」

 じろ、と直樹が琴子を見た。思わず「ひっ」と悲鳴をあげかけ、何とか飲み込む。
 直樹はため息を吐いて立ち上がった。
 嫁さんかー、と誰かの声がする。あの直樹にそんな野次を飛ばすとは、A組にもなかなかのツワモノがいるらしい。
 直樹はドアまで来ると、琴子を見下ろした。

「何だよ」
「えっと、これ…あたし間違えて持ってきちゃって」
「……ったく」

 琴子の手から参考書を引ったくる。気づかなかった自分も間抜けだが、明らかに自分のものではない参考書に気づかない琴子も大間抜けだ、と思った。
 
「それじゃ」
「あ、待って!あのね、あのね…」
「…あのねは一回でいい」
「あ、そ、そうね。でもあのね、あの…」

 琴子が制服のポケットから、キャンディーを取り出した。
 ハチミツの入ったのど飴だった。

「昨日の夜、ちょっと咳してたでしょ。喉が痛いのイヤだろうから」
「……」

 琴子の手から、銀の包を取る。ありがとう、とも何も言わず、直樹は席に戻った。
 あまりにも素っ気無い直樹の態度も、琴子は気にしていないようだった。キャンディーを受け取ってくれたというだけで、満足しているのかもしれない。
 にこにこしながら、琴子はF組へと戻っていった。
 そのやり取りを聞いていたA組で、何やら訳知り顔のニヤけた顔がいくつも見られたことに、幸か不幸か直樹は気付かなかった。




 翌週。

「きゃ~、やっぱり家と学校じゃ違うんだぁ~」
「ほんっと、天才も、ただの男なのね~」

 きゃっきゃと騒ぐその声に、当の直樹がぴたりと立ち止まる。
 ここしばらく、ずっとそんな感じの視線に曝されてきたのだ。気にならないはずがない。

「…その話、詳しく聞きたいんだけど?」

 げっ、という、踏み潰されたカエルのような声がした。







「琴子っ!!」
「は、はぃいい!?」

 ガラララッ!と教室のドアが開き、帰り支度をしていた琴子はびくっ!と体を震わせた。
 誰、などと思わなくても、声の主などわかっている。
 直樹が肩を怒らせて、F組の入口に立っていた。 
 琴子は恐怖に顔をひきつらせながらも、何とか直樹を見る。
 
「ど、どーしたの入江くん…」
「お前、これ知ってたのか!?」
「これって、何?」

 ずいっと突き出されたそれを受け取り、琴子は目を丸くした。
 学校新聞の一面の下に、小さいスペースではあるが見慣れた顔が載っていたのだ。

『先週のラブラブ入江夫妻☆
 妻に頼まれて、勉強を教えてやる夫。学校では鉄面皮を被っていても、家では優しい。
 勉強の苦手な妻のために、夫はお手製の問題集を作ってやり、出来るようになるまで隣で見てやっていた。
 疲れてその場でうたた寝を始めてしまった夫を思いやった妻に、夫はお礼に頬にキスをしていた。
 今週もラブラブ絶好調!』
 
 そんなとんでもないコラムの下には、いつ撮られたのか、ノートを前に頭を抱える琴子と、隣で小バカにしている時の直樹の写真が掲載されている。
 しかし、写真だけではそんな事情がわかるはずもない。そういう目で見れば、記事通りの内容に見えてしまうだろう。
 琴子は呆気に取られた。

「し、知らない!何よ、ラブラブ絶好調って!」
「問題はそこじゃねーだろ!」
「そ、そうだけど、でもでも、なんで入江くんがあたしに…」
「はぁ!?俺がお前にンなことするわけねーだろ!?」
「だ、だってうたた寝始めたのはホントじゃない!それでぐらぐら揺れて、支えてあげようとしたら入江くんの唇があたしのほっぺに当たったことは当たったけど…きゃあっ///」
「きゃあ、じゃねぇ!!!!」

 べしっ!!と琴子の頭が叩かれる。
 傍からすれば、どこからどう見ても夫婦喧嘩で、金之助はあまりのショックにまたも意識を失って、舎弟に支えられていた。
 琴子は真っ赤になりながらも、コラムをもう一度見る。

「…ん?」

 取材協力のところに目が留まった。
 直樹も一緒になって覗き込む。

「なんだ?」
「これ……情報提供、愛のキューピッドNって……」
「……N…」

 二人の脳裏に、同時に一人の顔が浮かんだ。
 常にカメラで二人を撮り続け、二人が結婚すればいいのにと思っている身近な人。


「「…………」」

 二人で揃って沈黙する。
 恐らく、思い浮かべているのは同じ人だとわかっている。
 直樹が、ぐしゃっと学校新聞を握りつぶした。
 どうやら、これ以上琴子に言っても無意味だとわかったらしい。
 くるりと踵を返すと、無言でA組へと戻って行った。

「……た、大変!おばさんを守らなきゃ…!」

 あの冷静な顔で怒っている時が一番怖いんだ、と琴子は知っている。
 直樹が先に帰宅したら、あくまで善意で動いている紀子がどれだけ傷つくことか。想像しただけでも痛々しい。
 放課後、ダッシュで帰宅する琴子を、F組の面々が面白そうに見送っていた。



            **********





 翌週。
 愛のキューピッドNは廃業したのか、学校新聞にそのコラムは見当たらなかった。
 すっかり安堵する直樹だが、まだ甘い。
 Nはちょっとやそっとの障害でめげる様な人ではないのだ。
 
 
 どうやら、コラムは隔月になり、その分内容の濃度を上げたらしい。そして名前もアモーレNに変わっていた。
 だが、そのことはまだ直樹も琴子も知らない。
 知った時どうなるのか――考えて怯えるようでは、NはNではなくなってしまうのだ。
 

 それは、斗南高校の密かなお楽しみ。
 大学になると発表場所が掲示板に変わり、卒業するまで続くNのライフワークなのだった。



 END



紀子ママ、大好きです♪
イリコトを推進するためなら、何でも使いそうですよねぇ。
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~ Comment ~

 

このコラムをめぐってのやりとりも傍から見れば無意識バカップルにみえそうですね~キャッ 
入江くんが頭をたたくとこなんか 普段の彼は人にむやみに触れなそうな気がするし・・

こんな学校新聞だったら毎回楽しみで仕方ないだろうなぁ~
あぁ私も新聞片手にやいのやいの言う野次馬の中に入りたいっ!ドラえも~ん!!

おっかしい(^_^) 

あるあるーって 心で 突っ込み入れながら ニヤニヤ読んでました!
さすが紀子ママ!
二人の様子も 痴話げんか または 夫婦げんかですよね。
周りの人たちも ペアで見るでしょうよ
仲良しで楽しいね
青い入江君も いいわー

嫁とり囲み作戦。 

     こんばんは
 Nの嫁とり・・・外堀作戦に見えて笑えました。
直樹に言っても埒があかないので周知から攻めようと・・・ 楽しみながら・・・直樹にも琴子にも よからぬムシに惚れられんようにの予防線にも見えて 爆笑です。 
 
 直樹にNさんを、ねじ伏せなんて・・・無理無理だって・・・更にパワーアップの原動力になったみたいだし・・・ 一番アタフタしてるのは琴子みたいだしぃ・・・。

>たらこ様 

確かに、これも無意識バカップルかも!!
っていうか、高校時代全部がそうだったのではないかという噂もありますwww
入江くんが触る女子は琴子だけとか、萌えますね♪
ど、ドラえもんがいたら、イタキス世界に入れますかね!?どこでもドアなら……ああ、私も行ってみたいです!そして、紀子ママのお手伝いを…ッ(>▽<)//

>さくら様 

紀子ママがやらかしそうなことを考えたら、こんなことに(笑)ニヤニヤしていただけて嬉しいです~♪
もうほんと、公認カップルになってそうですよね。教師まで興味津々で。
青い入江くんはイジり甲斐があって、書いていても楽しいです。結婚後のエロ入江もいいんですがwww

>吉キチ様 

ええ、嫁取り必死ですよ~。もう琴子以外が直樹の嫁だって言っても、彼女は絶対認めないと思っています(笑)!
そのためなら、何でも利用するのがNのやり方なのです!ふふふww
女親に勝てる息子って、あんまり見かけないですよねぇ。いや、どこかにはいるんでしょうけど。
とりあえず直樹もそこら辺は例に漏れず、Nに言いくるめられてたら面白いな~と思っています(^皿^)

拍手お返事 

>紀子ママ様

アモーレNは最強ですよ~(^w^)
この頃は、琴子は大学時代や結婚後よりも無意識度が高そうなんですよね。種類が違うっていうのでしょうか。
なんていうか、未熟な感じがするうような?うーん、上手く言えないのですけども(^^;
そこが萌えだと思うんです!と言いたいのに~(“o(>ω<)o”)


>TOM様

青い入江、面白いですよね。お前それで好きじゃないってありえないからwwwみたいな。渡辺くんはA組の中では誰より近くで見ていて、何度もツッコミを入れていたと思います。
ほんと、紀子ママが良ママみたいな人じゃなくてよかったですよね(^^;いや、リアルでも紀子ママみたいな人の方がいいなぁ~とか思ったり。
PC復活おめでとうございます!学習机では…肩凝っちゃいますよね。しかし、イマドキのお子様はそんなうちからマイパソを持っているのか…と感心してしまったオバサンでございますwww



>こんにちは、と入力してくださった匿名様

金ちゃんにとっては、そりゃあもうショックだったと思います~。二人っきりで勉強で1発、二人の喧嘩の中に入っていけずに1発で、少なくともダブルパンチだったはずなので(^^;
青い入江くんは、紀子ママの策略にはまりまくってるのが私のツボなので、これからもきっと、彼にとっては「酷い目」に合うと思います(笑)そうしてイヤになって、一人暮らしとかで逃げ出したんだったりして…なんて。



>みえ様

私も、この頃から無意識に特別視してたと妄想してます!いつだったか、金ちゃんが琴子にじゃれてて、渡辺くんと廊下を歩いててそれを見かけるシーンがありましたが、どーでもいいと言いつつバッチリ気にしてるに違いない、と思い込んでたりします(^^)
スケスケネグリジェでピュアに書けたら、神様かも(笑)私の脳内じゃ、もう絶対R18コースです~。琴子の前ではただの男でいたらいいな、と思うので♪
入江くんを酔わせるなら、ハシゴさせなきゃ駄目ですかねぇ…うーん。家飲みなら気も緩むのかなぁ。
でも、もし彼が酔うなら、琴子みたいに真っ赤になってしまうのではなく、どこまでも素面に見えるのに実は…っていう感じになりそうですね♪もう少し妄想膨らませてみます☆
毎日更新できる限りはやってみますので、次の更新、また見てくださると嬉しいです!お待ちしております♪

 

紀子ママはほんとスゴイ!
今回といい新婚ノートといい、影の功労者ですね。
アモーレNだって!笑える~!Nって付く限り2人にはバレバレだけどね。


>たーくんママ様 

イリコトを支えてるのは、紀子ママと裕樹くんですから!と思いながら書きました♪
いやほんと……紀子ママの強引さがなきゃ、イリコトが結婚するまでだってえらい時間がかかったと思いますし(笑)
こんな企みをするNは二人といないので、きっとすぐにバレますよね_(^^;)ゞ

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