*初恋*

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 School paper バカップルの愛しのお犬様
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「バカップル」
バカップルライフ

バカップルを見せつけられてしまった -お宅訪問編-

 
 School paper バカップルの愛しのお犬様
モトちゃん視点です。

ああ、なんて動かし易いのモトちゃん…!

そして、傷に塩を塗られた男が一人…。

バカップルを見せつけられてしまった -お宅訪問編-



 んっふっふ~。今日はとってもハッピーな一日なのよ!
 なんたって、なんたって!
 あの入江さんのお宅にお邪魔できるんですもの!
 持つべきものは友達、入江さんの妻よね!!





「やっぱ大きな家ねぇ」
「本当…」

 世田谷の一等地にあるその家の前に立ち、あたち達はぽかんと口を開ける。
 以前、間抜けな琴子を連れて来たことがあったけど、本当に立派なお家よね。それはあたしだけじゃなく、智子や真里奈、啓太だって同じように思っているはず。
 ここに入江さんが住んでいるのよね!
 ああ、緊張するわぁ。インターホンを押すだけで指が震えちゃ……って啓太ァ!?
 アンタ何勝手に押してくれちゃってるのよっっ!

『は~い…あ、みんな!』

 全く、インターホン越しでも騒々しいのがわかるわね、あの子は。
 どうぞと勧められるままに玄関に立ったあたし達は、パタパタと出てきた琴子に驚いた。
 学校では間抜けっていうかお馬鹿っていうか、ともかく子ども子どもして見える琴子なのに、こうしてエプロンなんてつけて出てくると、それなりに見えるじゃない?
 にしても…すごいエプロンのフリル。あたしは好きだけど、真里奈がげって呻いたのが聞こえたわ。
 
「ようこそ、みんな!」
「「「「お邪魔しま~す」」」」

 にこにこ笑う琴子がスリッパを出してくれる。
 お言葉に甘えて……ああん、このスリッパも入江さんが使ったりするのかしら!?いえ、それはないわね…これ、来客用ですものね。
 ああ、でもこの靴べらなら…。

「おい、桔梗。バカやってないで行くぞ」

 …啓太のイケズ。




 あたし達が通されたのはリビングだった。そりゃそうね。
 でもこれがまた、立派なのよ!テレビの豪邸拝見にも負けないわ。っていうか出るべきよ!っていうくらい素敵なの!
 卒のない智子が、手土産を渡す。事前に琴子からリサーチしておいた、入江さんのお母様の好きだというケーキショップのケーキよ。抜かりはないわ。
 お会いしてみたかったんだけど、残念なことに、今日はご用事があってお留守なんですって。
 あの入江さんを産み育てた方…ゆっくりお話をしてみたかったわ。
 そんな話をしていると、上質なソファーに座ったアタシ達の前に、琴子がコーヒーを置いてくれた。

「コーヒーだけは入れるの上手なの。入江くんも美味しいって言ってくれるから、安心してね」

 琴子はそう言ってはにかんだ。
 まあ、この子の呆れるほどの不器用さを知ってるから、この言葉の意味もすぐわかるけどね。
 
「にしても、すげー家だな」
「そんなにジロジロ見たら失礼よ、啓太」

 はー、と感心したようにリビングを見回している啓太を、智子が嗜める。それよりももっと不躾にじろじろ見てる女がいるんですけどね…真里奈、アンタちょっといい加減にしておきなさいよ?
 まあ、気持ちはわかるけどね。
 あたしだって、ここが入江さんの家でなかったら、もう少しジロジロ見ちゃってたと思うもの。
 と、そこへあたしの永遠のマイラバー・入江さんが!!

「いらっしゃい」
「「「「お邪魔してまーす」」」」

 ああん、どこで見てもステキッ!!
 
「琴子、コーヒー」
「はぁい」

 入江さんはダイニングの方に座ったわ。
 まあ、今日はリビングはアタシ達で占領してしまっているから、申し訳ないけれど仕方ないわね。
 一応今日、入江家にお邪魔する名目は「グループレポートをまとめる」だし。
 にしても、いいわね。言われてみたいわ。幹、コーヒー…なんて。ああ、ス・テ・キ!
 ところが、ここで水を差すのが啓太という男なのよ。

「さっさと始めよーぜ」

 素っ気無い啓太の号令で、当初の目的を思い出したあたし達は資料を並べだした。まあいいわ。ここなら入江さん、チラ見できるし。
 琴子はコーヒーを入江さんに運んでから、あたし達のところへ来た。

「ごめんなさいね、休日に」
「いいのいいの、だってこれだけの人数が入るところなんてないもんね」

 智子の言葉に、琴子がにこっと笑う。本当に、お人よしなんだから…この子は。
 それからあたし達は真面目に資料を整理し、レポートを書き上げていったわ。
 …なんだけど。





「琴子、コーヒー」
「はーい」

 けっこう頻繁に、琴子が抜けるのよ。入江さんに呼ばれて。
 入江さんて、けっこう亭主関白?コーヒーくらい、すぐそこがキッチンなんだから入れてくればいいのに…。
 琴子がコーヒーのお替りを持ってくると、入江さんが琴子の腰を抱き寄せたんで、あたしは思わずぶって吹きだしちゃった!
 それに気づいた他の人たちも、あたしの視線の先を見る。
 そこには。

「ちゃんと出来そうか?」
「うん、なんとか。あとね――のところと、――が整理できれば…」
「ふーん」

 何とも言えない、あま~~い雰囲気の二人。
 なんだか学校で見るのとは別人……誰がって、入江さんが。
 やっぱり、外と内とで分けてるのかしらね。
 そう言って智子と真里奈は感心してたけど、啓太はさっと目を反らしてる。失恋したの、ちょっと前ですもんねぇ。辛いわね。
 来なきゃいいのにって思わなくもないけど、レポートをダシにしちゃったから、来ないのも不自然だったものねぇ。
 ご愁傷様、とあたしは啓太に同情しちゃう。
 ところで、この目の前で繰り広げられているの、何て名づけようかしらね。
 ラブラブ劇場…じゃ見たまんまだし。
 でも、それが適当な感じね。

「ほら、そろそろ続きすれば」
「うん」
「ああ、そうだ」

 ……って、嘘ッ!?
 こっちに来ようとした琴子の手を引いて止めて、入江さんが、入江さんが!!
 琴子の頬にキ、キスッッ!?
 
「い、入江くん!?」
「……頑張れるように。ほら、さっさと行けよ」
「う、うん…」

 琴子も驚いたみたいね。
 でも、こっちのがもっともっとびっくりよ!!
 何なの、あれは誰なの!?クールな入江直樹はどこに行ったのよ!?
 琴子が赤くなって戻ってきて、あたし達も落ち着かないながら作業を進めることにしたわ。
 ……あたしの気は漫ろですけど。
 だって、あの入江さんが……はあ、やっぱり夫婦なのかしらね。
 啓太なんて…うわ、やさぐれてるわ。でも無理ないわね。あんなの見せられちゃね。
 まさか、わかっててやってるなんてこと…。
 ちら、とあたしは入江さんを見たわ。入江さんは新聞を読んでるようで、時々こっちを見てるみたい。
 視線の先は琴子と――啓太。
 じゃあ、やっぱり一連の行動は牽制!?
 そんなに心配なのかしら。学食で、あんな熱烈な抱擁を見せ付けておいてまだ足りないなんて。
 なんだか、あたし達すごいところに来てしまったんじゃ……(汗)。



 それから2時間ほどで、目的であったレポートが終わったわ。
 もう帰りたい気持ちで一杯なあたしだったけど、琴子がせっかくだから買ってきてくれたケーキ食べようって言ってくれたのよね。自分達で食べたい分も買ってきてたから、そのお誘いはやっぱり魅力的で。
 帰りたいなんて思ってるの、あたしと啓太くらいだったから、結局お茶を頂くことになってしまったの。
 あたし達が、広げた資料やら完成したレポートをしまっている間に、琴子が支度をするためにキッチンに引っ込んだわ。
 それを追いかける入江さん―――何となく嫌な予感がするんですけど。
 って、あ、啓太!アンタ今行ったら…。

「何だよ」
「い、いえ…別に」
「変な奴だな。カップ戻さなかったら困るだろ」
「そ、そうね……」

 まあいいわ。トドメ、刺されてらっしゃいな。仕方ないから付き合ってあげるから。
 そして、あたしと啓太でキッチンへ向かったの。
 そこで繰り広げられる、バカップル夫婦劇場(今名づけたわ)!

「見てみて、おいしそう~。入江くんどれにする?」
「俺はいらない」
「ええ?でも、折角みんなが買ってきてくれたんだから、食べようよ~。ほら、このイチゴのタルトなんてどう?」
「じゃあ…」
 
 琴子が勧めたタルトに、入江さんが指を付けたわ。それを口に運んで、甘い、と顔を顰めている。
 あの入江さんでも、そんなお行儀の悪いことするのね。
 琴子が「駄目だよ、そんな食べ方」と窘めると、入江さんはニヤッと笑ったわ。

「いいじゃん、俺が食べるんだから。ほら、同じのにすんのか別のにすんのか、参考にしろよ」

 確かに、同じ種類のケーキを二つずつ買ってきたのよ。入江さんのお母様やお父様、弟さんの好みがわからなかったから、ケンカになったりしないようにって。
 入江さんはもう一度ケーキに指をつけると、今度はそれを琴子の口に入れたわ。
 少しして、琴子の口から指を引き抜くと、ぺろっとその指を舐めて……いやーん、官能的ぃ!!

「美味い?」
「…うん」
「じゃ、俺ももう一度味見」
「や、んぅ…」

 やっぱりそうなるのね!!!
 あたしは恐る恐る隣を伺ったわ。ああ、啓太の顔色……青を通り越して白だわ。
 この熱血ボーヤには衝撃よねぇ。この濃厚なキスシーンは……あたしですら照れるもの。
 じりじりと啓太が後ろに下がって、何事もなかったかのようにカップを持ってソファーに座る。
 そうね、それが賢明ね。邪魔したらどうなるか恐ろしくて想像もできないわ。
 ……だって、入江さんってば、あたしと啓太が見てるの承知でやってたもの。
 琴子は気づいていなかったようだけど。
 それから食べたケーキは、美味しかったはずなのにロクに味なんてわかんなかったわ。
 少なくとも、あたしと啓太はね。暢気な智子と真里奈が羨ましい…。
 気配り、目配りが出来るオンナも考えものね。



          **********



「また来てね、みんな」

 琴子はそう言って見送ってくれたけど……もし来るなら、次はあたし一人で来るわ。
 っていうか、啓太は絶対に!置いてきますとも。ええ。
 あたしは玄関のドアを閉める直前、もう一度中を見たわ。

 …やっぱりね。

 あたし達が出たと同時に、まぁた琴子にキスするなんて。ほら、運の悪い啓太が…不憫な男ね。
 そんなに警戒しなくたって、もう啓太は…ズタボロですよ、入江さん。
 もうそのくらいで許してやってください。ホント。
 あなたの牽制はじゅうっっぶん、啓太に効いてますから!



 END




啓太をいじめる入江くんを書くのが意外に楽しくて……ごめんね、啓太。
いつか秋子ちゃんが幸せにしてくれるはずだから!

ちなみに、モトちゃんはこのバカップルが高校時代に似たようなことをやってるのを知りませんけど……今も昔もやること変わらないんだな、と思ったり。指っていうワード、使いようによってはえろっちぃ言葉ですよね(笑)
は!そんなこと思うの、またしても私だけ…!?
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~ Comment ~

入江くんオニ~ 

やさぐれ啓太同情しますv-406。でも大変申し訳ないけどおもしろすぎる~(爆)
そんな人の不幸をみて笑っている自分が一番オニかもしれないけど・・
もとちゃん目線はイイとこついてますね~♪
もとちゃんは賢い人だし、中身と外見に対するコンプレックスを抱えていたとこなど
入江くんに近い感性をもっているのかな・・(だから入江くんの狙いがわかるのかな)なんて、
miyacoさんの作品を読んでて勝手に感じました。
本編ではそこまで掘り下げて考えてみたことなくて、二次小説の世界に出会ってまだ日が浅いのですが、
色々な人の受け取り方の違いに目からウロコばかりでますますイタキスが好きになりましたv-347

 

啓太・・・ご愁傷様です・・・。
独占欲の塊を夫に持つ人妻に手を出すと、こんな仕打ちを受けるんかい~?
第3者目線のバカップル劇場モトちゃん編は、今後も使えそうですね!

 

こんにちは!!
モトちゃん視点、最高でした!!
最初はまるでテレビの「豪邸訪問」を見ているかのような気分だったのですが、これがどっこい!なんという展開に!!
…なまじ気が利いただけに、自ら不幸を招く不憫な男、啓太(涙)
カップなんてそんなもの、琴子ちゃんが下げるまで置いておけばいいのに!!(夫にするには最高ですけどね^^)
入江くんが、何かと琴子ちゃんにコーヒーを要求するところに一度目のドキュン!
ケーキの味見で二度目…!!
指って確かにすご~く色っぽいですよね。勝手な想像ですが入江くんの指は長くてきれいだと私は思います!!←何を強調?
ケーキよりずっと甘いお話をありがとうございます!

撃沈 

     こんにちは
 超激甘直樹・・・見せない所でやってまぁ~すぅ・・・のように見せかけて
計算づくで マザマザと・・・思い知れオーラーが ビカビカと出てるんですけどぉ・・・   直受けしてしまった・・・啓太、もとチャン ひゃぁ~焦げてないですかぁ・・・。
        魂・・・大丈夫???ちゃうかぁ~・・・エヘヘ 

>たらこ様 

やさぐれ啓太は、浮上するのに丸三日かかりますwww
いや、一番の鬼は入江くんです(笑)なにせ、啓太を凹ませようとしてあんなことをして、啓太が凹めばほくそ笑んでるのですから…。
モトちゃんはああ見えて(?)苦労人ですよね。うんうん。納得です!
たらこ様がうちの作品見てイタキスがますます好きにって言っていただけて、嬉しいです♪こんな拙いブログなのに…うう、ありがとうございます~~!(涙)

>たーくんママ様 

相手が入江くんなのが悪かったとしか(笑)
凹む啓太を見て満足する男……琴子が気づいたら、間違いなく怒ってるところなんだとは思いますが、幸か不幸か琴子は一切気づかないという、運すら味方にした男・入江なので。
バカップル劇場、視点はモトちゃんで、主な被害者は啓太になりそうですね(笑)

>水玉様 

こんにちは!
モトちゃんって、すいすい動いてくれるんですね……エエ子や~って、関西人じゃないのに金ちゃんみたいな感じで感動してました(笑)
啓太って勝手なイメージですがおばあちゃん子な気がして、そういうの、叩き込まれてそうだと思ってるんですよ。なので、食器を片付けるのは当然ということで。けど、それで入江くんの独占欲を満たす目になるとは思ってなかったと思います(^^;
入江くんの指、私も水玉様と一緒のイメージです!骨ばってるけど形は綺麗で、長くて♪そんな手で琴子の顔を包むシーンとか妄想すると、それだけでご飯三杯いけそうです!!
コメントありがとうございました(^^)私もまた、水玉様のところに遊びにいきま~す!

>吉キチ様 

こんにちは!
彼もいつも家で甘いわけではないと思いますが、単に啓太に見せ付けたい一心で、普段やらないようなことを……大人気ない男です、この作品の中の直樹はwww
啓太はもう消し炭ですよ(笑)モトちゃんが引きずって帰るのです。そして魂はとっくに…ああ、あんな高いところに…という感じでしょうか(酷)。

拍手お返事 

>naotti3様

naotti3様だったんですね!いえいえ、こちらこそコメントいつもありがとうございます!とても嬉しく思いながら頂いたコメントを読んでるんですよ~(^^)
しつこいというレベルなのか…粘着質っていう方が正しい気もするんですけども(笑)
とばっちりを食らうのはモトちゃんだと思います。書きやすく読みやすく、とばっちりを食らいやすく…という感じでwww



>TOM様

第三者目線×みせつけ=ゴチ だと思ってます!
入江家には一度はみんな、押しかけていそうだよな~と思ったんですよね。原作でもないことですが…。
でもでも、入江家の場所を調べてみたりとかなり気になってる様子だったので、琴子の存在を利用しない手はないんじゃないかなぁ、と。
指攻撃って(笑)!!とりあえず、啓太をどん底に突き落とす効果はあります☆
なんか、どんどん啓太の扱いが悪くなる予感がするんですけども・・・いいのかな(^^;
メールありがとうございました!確認が遅れて申し訳ありません。私からもまた返メしますね!



>ソウ様

こんばんは!
啓太がみるみる凹んでいくであろうことを書くのが楽しいなんて、入江くん以上の鬼かもしれません、私(^^;
指キーワードでお仲間…ありがとうございます(笑)!
18禁でなくても雰囲気を出せてますか…そ、それはすごい嬉しいお言葉です!ソウ様にそう言っていただけたなら、もっと頑張らなくちゃ!と思いました(^^)ありがとうございます!
エロ描写なしだけどえろっちく……いつかは辿りつきたかったりします。変な旅人なのです、私www



>紀子ママ様

バケツいります!?うち、100均のしかないんですが…(ヽ(゚〇゚;)オロオロ
入江くんが啓太に感謝……もしそうなったら、啓太が何故か泣いて謝りそうですよね(笑)
むしろ、今回のように傷に塩をこ~~ってり塗りつけるほうが彼らしい…って思うかも!?
早く秋子ちゃんと出会うといいんですよね、啓太も(^^;
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