*初恋*

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 ツンがデレになった瞬間 secret note
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「二次創作」
短編

気に入らないキス

 
 ツンがデレになった瞬間 secret note

クリスパパ、可愛いですよねぇ(笑)
でも、なんかあのほっぺちゅーはねばっこそう(^^;とか思ってしまって。
潔癖症だとは思ってませんが、ちくしょうと思いながら拭くとか洗うくらいしそうだな、と。







「気に入らないキス」




 ジャバジャバと水が撥ねる音がする。
 帰宅後すぐに手洗いはしているはずで、だから、あたしが不思議に思うのは無理もないよね?
 パウダールームのドアは少しだけ開いていて、中からなんだか不機嫌そうな声がしている。
 
「どうしたの、入江くん?」

 ひょい、と覗き込むと、そこにはむすっとした顔で顔を洗う入江くんがいた。
 当たり前だけど。だって、他の人はみんなで九州旅行に出かけているんだから。
 入江くんは丁度洗い終わったところだったのか、置いてあったフェイスタオルで無造作に顔を拭いた。

「別に。気持ち悪かったから」
「…顔が?」
「そう」

 放るようにタオルを洗濯籠に入れて、入江くんはパウダールームから出た。
 あたしはその後をついて行く。
 リビングに行くのかと思いきや、そのまま2階へと上がった。そういえば、大手術後だったっけ。
 家で寝たいって言うのを何とか説き伏せて、ほとんど無理矢理ふぐ吉に付き合ってもらったんだ。
 寝るなら邪魔しないけど、その前に、あたしも看護計画書くのに必要なものだけ取らせてもらおっと。


 疲れた~って感じの息を吐き出してベッドに横たわる入江くんを横目に見ながら、あたしは寝室の奥に作ってもらった勉強机を漁る。
 ここでやろうと思ってたんだけど、入江くんが寝るなら、書斎を借りるかリビングでやる方がいいもんね。
 あたし、1人でやっててもつい独り言とか言ってうるさいらしいから。

「ねえ、何がそんなに気持ち悪かったの?」

 別になんの気もなく、ただ浮かんだ疑問なだけだった。
 でも入江くんにとっては触れられたくないことだったようで、ぎろっと睨まれる。
 そ、そんな変なこと聞いたつもりないんだけど…? 

「頬だよ」
「頬?」
「クリスの親父さん」
「……――――ああ!」

 今日はすごい出会いの日だった、ってことをあたしは思い出した。
 なんと、クリスのパパが、娘を追いかけてふぐ吉まで来たのだ。それからのやり取りは思い出しただけで笑えるんだけど。
 それでもって、頬となると。
 クリスパパがお店に入ってきたところから思い出していたあたしは、入江くんの言う「頬」が何であるのかわかって、まさか、と彼を見た。
 憮然としたままの入江くんは、まだ不愉快そうに頬を擦っている。

『OH!OH!見ツケタデスノネ!』

 そう言ってクリスパパがぶっちゅう~~とキスしたのは……入江くんの頬っぺた。
 そりゃもう熱烈で、さすがのあたしも驚いて咄嗟に動けないくらいだったっけ。
 今日あったことで頬が不愉快となれば、そのくらいしか思いつかない。
 あたしは目の前で不機嫌に寝転がる入江くんが途端に可愛く思えてきて、思わずふっと笑ってしまった。

「…なに笑ってんだよ」
「別にぃ~」

 そっか、そっか。あたしのキスでなきゃ嫌よね(←誰もそんなこと言ってない)。
 あたしは怖い顔で睨んでいる入江くんの頬に、ちゅっとキスをした。
 入江くんが少し驚いた顔であたしを見る。

「お前…」
「消毒。あたしじゃダメ?」
「……」

 入江くんの口からため息が一つ。
 うっ…これはまさかのお説教モード?くだらないことやってないで、さっさと仕事しろーとか。
 普段が普段なので、無意識に構えてしまう。
 けど入江くんは前髪を鬱陶しそうに跳ね除けると、あたしをぐっと引き寄せた。
 ぽすっと音がして、あたしは横になった入江くんの上に倒れこむ。咄嗟に腕をついて体を支えたものの、まるであたしが入江くんを襲ってるみたいな格好だ。

「足りない」
「…は?」
「消毒だろ?そんなもんで足りるか?」

 えっとぉ…それって、つまり?
 何となく正解だろうってことはわかるんだけど、でも、本当に?
 自分でしておいて何だけど、お前まで気持ち悪いことするな!とか言われる可能性もあるって思ってやったことだっただけに、入江くんのこの言葉は驚きだった。
 あたしは入江くんの体に跨って、上半身だけぴったりと彼に寄せる。
 それから、入江くんの左の頬にもう一度キス。

「これでいい?」
「まだ駄目」

 仕方ないから、もう一度。今度はほんのちょっとだけ、舐めてみる。

「それ…もう少し」

 ま、マジですか…恥ずかしいんだけどな。
 けど、入江くんにそう言われてしまったら、あたしは断れない。
 舌先でちょろちょろと舐めて、離れ際にちゅっと、ね。これでいいよね?
 入江くんが横に下ろしたままだった手を伸ばして、あたしの頭を抱きこんだ。
 ……な、なんか妙なことになってきたような気が…。
 こういう時のあたしの勘って当たるんだよね。

「琴子」
「は、はい!」
「……抱きたい」
「!!!!!」

 よ、予想通り!!
 でも駄目、あたしは今日は、何が何でも看護計画を仕上げないと主任にしめられるっっ!!
 入江くんと主任とどっちが怖いって、この場合は主任の方がずっと怖い。
 あたしは入江くんの胸に手をついてがばっと起き上がると、盛大に首を横に振った。

「今日はダメ!」
「なんで?」
「か、看護計画…やり直しなの。明日ちゃんとしたの出さないと、主任に怒られちゃう」
「…またか」

 悪かったわね、また、で。
 そーよそーよ、これが初めてじゃないわよ。でもしょーがないじゃない、あちこち穴だらけだったんだもの。
 って、似たような台詞を前に言ったことがあるような気が…気のせいかな。
 ともかく。
 
「だから、ダメなの。今日は…って、入江くん!?」
「…うるさい」
「や、あたしの話聞いて……ちょ、あのっ」
「誘ったのお前だろ?看護計画は手伝ってやるから……」

 誘ってないよ、あたし!
 でもそう言ったところで、入江くんには何の効果もないんだろうなぁ。
 そうわかっていても、あたしは一応抵抗してみる。腕を突っぱねて、なんとか入江くんから離れようとしてみる。
 けどあたしがそう動く度にどんどん悪化していって、ついにあたしは、入江くんに組み敷かれてしまった。
 
「んっ……あ…」
「こっちは素直なのにな…」

 い、入江くんが変態ちっくなこと言い出したもん。こうなったら逃げられない…。
 かくして。
 ちょっとした慰めのつもりが、しっかりと甘い夜を過ごすことになってしまったのだった。




 END





(オマケ)



「いりえくん…?」

 掠れた声で入江くんを探す。
 鳥目のあたしでも探せたのは、机のある方からぼんやりと光が漏れているからだった。
 そっちへ行こうとして、でも、体に力が入らない。
 あたしが起きたことに気づいた入江くんが、苦笑しながらこっちへやって来た。
 大きな手がふわりとあたしの髪を撫でる。

「まだ寝てろよ」
「でも、看護計画…」
「今日だけな。俺が見といてやる」

 へえ、随分珍しいこともあるもんだわ。
 これは明日は槍でも降るかも、と思ったあたしは、続く入江くんの言葉に卒倒しそうになった。

「今晩動けるような抱き方してないからな。明日仕事行くのでギリギリだろ」
「…!!!!」
「ま、侘びだ」

 無茶苦茶したっていう自覚があるんだと喜ぶべきなのか、それとも嘆くべきなのか…すっごくすっごく微妙だけど。
 寝てろよ、って言って落とされたキスがすごく優しかったから。
 腰は痛いし、足笑ってるし、体中力入らないけど、許してあげる。
 明日起きたら、入江くんが添削してくれたところを清書して出勤しよう。
 大好きだよ、入江くん。
 そんなことを考えながら、あたしは気だるさと共に眠りに落ちたのでした。
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~ Comment ~

 

初コメントです。
「抱きたい」この一言につきます。
入江くんが誘うときって、私も「抱きたい」って言うと思います。酔った時とか嫉妬心がある時に「したい。やりたい」とか言うのかなと。
「抱きたい」って、女性から見れば求められてるって感じがしてうれしいセリフですよね。

コメントありがとうございます。 



>ピーチ様

そうそう、入江くんってその辺りストレートに言いそうですよね。私もそう思って、あえて遠まわしな言葉はやめてみたんです。ピーチ様のイメージに合ったようでよかったです(^^)
下手に言葉で飾られるより、そういうストレートな方が嬉しいっていうのも、わかります。特に入江くんみたいな人に言われるなら…(笑)それで真っ赤になる琴子までセットで想像できちゃうのが楽しいです。
コメントありがとうございました!
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