*初恋*

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 My Knight 拍手お返事(11/15~11/18分)
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「バカップル」
バカップルライフ

バカップルの同窓会-A組編-

 
 My Knight 拍手お返事(11/15~11/18分)
第三者目線、今回は渡辺君で進みます。
間もなく二人の結婚記念日なので、ちょっと絡めてみました♪







バカップルの同窓会-A組編-





 11月21日――今日は斗南高校A組の同窓会。
 都内の某居酒屋の個室を借りて、懐かしい面々が集まっている。
 俺は出席者名簿の「渡辺」のところにチェックを入れて、足を踏み入れた。
 卒業して早5年、少し早いけど区切りの良い年だ。それなりの人数が集まっているのは、卒業からまだ然程経っていないからかもしれない。
 俺は運ばれてきたビール片手に、なんとなく室内を見回した。
 会場には2列のテーブルが置かれており、俺の座ったテーブルとは別の列のテーブルに、入江が来ていた。

 
 相変わらず入江はモテるなぁ。
 高校の頃よりずっと丸くなったからか、あの頃は寄せ付けなかった女子がぐるりと周囲を取り囲んでる。
 入江が結婚したこと、知らないのかな。
 それにまつわるエピソードの数々は、それこそ下手なドラマよりもずっと物語のようだったんだけど。
 
「渡辺、飲んでるか?」
「ああ」

 ぽん、と肩を叩かれ、俺は声のした方を見上げた。
 そいつも入江が気になるのか、俺の隣に座りながら笑って入江を見ている。

「すげーよな、あいつ。今医者目指してんだって?」
「ああ…だな」

 その医学を志すために、どれだけの苦労を入江がしてきたのか。
 俺が語るわけにもいかないけど、すげぇ、なんて一言で表すのは申し訳ない気もする。

「でさ、あいつ指輪してんの、知ってた?」

 指輪?
 言われて見てみると、確かに入江の左手の薬指に光るものがある。
 へぇ…つけてんだ、ちゃんと。結婚指輪なんてつけるタイプに見えなかったから、正直意外だ。
 隣に座った旧友は、相手は誰かなと言い出した。
 その話題は大変興味をひきつけるものだったらしく、何人かが話題に乗ってくる。

「やっぱ、どっかの令嬢とかじゃねぇの?」
「あー、っぽいなぁ。でもさ、入江ん家ってほら、相原さんいたじゃん?」
「そういや、いたな。彼女もどうしてるかな」
「まだいるのかな」
「いや、入江が結婚したなら出てったんじゃね?」

 そうか、琴子ちゃんと結婚した、という答えはないわけか。
 俺はおかしくなった。確かに、あの頃の入江の態度を見ていて、今彼らがどうなっているかを想像するのは難しいのかもしれない。
 琴子ちゃんの名前が出てきたからか、入江の視線を感じる。
 周囲の話題に卒なく相槌を打っているみたいだけど、この視線の鋭さは……俺でも怖いぞ。
 なのに他の奴らは気づかないのか、ワハハと笑いながらこの話題を続けている。
 俺は離れたい気もしたけど、立ち上がろうとすると絶妙なタイミングで話を振られて、結局ずるずるとその輪に加わることになってしまった。

「可愛かったよなぁ、琴子ちゃん」
「小さくて、ほっぺたとかぷくぷくでさ。抱きしめたら柔らかそうだったよな」

 ……うおおおお、寒い、寒いぞ入江!!
 お前、今なら視線で人殺せるからっ!!!

「あの可愛い声でタカシく~んとか、呼ばれてみてぇって思ってたんだ」
「あ、それ俺も思ったことある!」
「今フリーかな~。入江に聞いたら連絡先くらい教えてくれないかな」
「入江が知ってるとは思えないぜ?」
「それもそうだな~」

 俺は、一列向こうの席から向けられる氷の視線が怖くて、口が開けない。
 っていうかお前らも、頼むからそろそろ気づいてくれ!
 さっきから、ビールの味がしないんだよ…。
 それでも、喋らない代わりに酒を口にする俺は、視線の先の入江がふいに立ち上がったのが見えた。
 電話らしい。
 携帯片手に、部屋の外へ出て行く。
 でもすぐに戻ってきて、また女子に囲まれ始めた。俺を取り囲む男の輪は、まだ琴子ちゃんの話題を続けていた。

「あの子、初心っぽかったじゃん?」
「ああ」
「なんか、今も処女でいそうなんだよな。俺が手取り足取り教えてやりてぇ!」

 やばい、俺、死ぬかも―――マジでそう思う。
 恐る恐る入江に目をやると、入江は隣に座る女子と笑いあっていた。
 よかった、聞こえてなかった……って、ひっ!!!!!
 す、すごい目で睨んでる!!

「なあ、渡辺もそう思うだろ?」

 このタイミングで俺に振るか!?
 俺は、冷や汗が吹き出る瞬間を初めて経験した。

「いや…その、琴子ちゃんは可愛かったから、もう結婚してると思う、よ?」
「うおお、それはいやだ!」

 俺の言葉に入江が目を細めると同時に、旧友が叫ぶ。いや、嫌も何も、その夫があそこにいるじゃんか。
 それも、すんごい目つきで。

「俺の琴子ちゃん~!」
「馬鹿、お前のじゃねぇだろ!」
「俺のにするんだよ、これから~」

 ならないよ…一生。
 俺は、入江の琴子ちゃんへの溺愛ぶりを知ってるからな。
 その…琴子ちゃんを狙う男達を、たとえ旧友だったとしても害虫程度にしか思ってないことも。
 それからもその話題は続き、結局お開きの時間になってしまった。


 
        **********



 幹事が会計を済ませている間、他の参加者は外で待っていた。
 それまでの楽しい時間を引き摺って、外でもみんなよく喋る。そのうち誰かが二次会を言い出した。
 まあ、まだ時間は早いし、今日は二次会、三次会からオールに雪崩れ込む奴も出てくるだろう。
 
「渡辺、お前どうする?」
「やんなきゃいけないことあるから、俺は帰るよ」
「そうかぁ。大変だな、未来の弁護士も」

 まぁな。でも、好きでやってるからいいんだよ。
 お疲れさんと肩を叩く旧友と笑っていると、女子の何人かがまた入江に声をかけていた。

「入江君は、二次会行くでしょう?」
「行かないよ」
「ええ~?入江君いないとつまんな~い」

 …俺、別に女の子嫌いじゃないけど。ああいう、いかにも媚びた態度ってのは、男から見ても気分悪いもんなんだな。
 呆れて見ていると、入江はまた携帯を取り出した。
 さっきから忙しいみたいだなぁ。
 そうこうしているうちに、幹事が出てきた。二次会の言いだしっぺが参加者を告げると、カラオケだー!と雄叫びを上げている。
 うん、遠慮して正解。俺はカラオケとかあんまり好きじゃないんだ。
 ホッとしていると、入江が俺を見た。
 
「じゃ、俺はこれで。渡辺、またな」
「ああ、またな」

 今日はあんまり喋れなかったけど、入江とならサシでも飲めるし、まあいいか。
 ひらりと手を振る入江を見送ろうとした俺は、すぐ傍の電柱の影にいた小さな影に目を疑った。
 真っ白のコートを着て、まるでどこかのお嬢さんみたいな、あの子は。
 あれは……琴子ちゃん!?
 俺が驚いたのと同様に、入江の動きを目で追っていた何人かも気づいたらしい。ざわっと空気が動いた。
 琴子ちゃんはこちらを見て俺に気づくと、にこっと笑って頭を下げた。
 相変わらず感じのいい子だ。
 けど、入江を逃した女子は、あからさまな嫌悪を込めてそちらを睨んでいた。

「やだ、相原さんじゃない?まだ入江くんにつきまとってる…ストーカー?」
「キモくない~?」

 いや、お前らのが気持ち悪いって。
 よっぽどそう言ってやろうかと思ったけど、ふと思った。さっきから入江が携帯でやりとりしてたのって、琴子ちゃんなんじゃないか?って。
 だから何とか堪えて、二人を見守ることにした。

 
 入江は琴子ちゃんを見つけると、ぐいっと引っ張った。
 引き摺られた琴子ちゃんが、入江の胸に倒れこむ。それをしっかり抱きとめて、入江は琴子ちゃんの顔を覗き込んだ。
 
「悪い、待たせた」
「ううん、大丈夫。さっき来たところだもん」
「…ばーか、騙されるかよ。こんなに冷たくして」

 入江が琴子ちゃんの頬を両手で包む。
 それから、入江は琴子ちゃんにキスをした。
 一度離れて、もう一度。
 うわぁ…あんなの、ドラマでしか見たことないよ、俺。
 入江は満足そうに笑って琴子ちゃんを支えている。そこには、高校生の頃の二人はいなかった。
 甘い甘い、誰も入り込めない空気が漂ってくる。
 
「み、みんないるのに…!」
「いいじゃん、夫婦なんだから」
「駄目だよ。大体、ここは渋谷のド真ん中……っん、ふ」

 いやいや、随分見せ付けてくれんじゃん、入江。
 ああそうか。
 俺はぐるりと旧友を見回した。琴子ちゃんを狙う奴、馬鹿にする奴、根こそぎ牽制するつもりなのか。
 でもそれだと、牽制どころか引導を渡してると思うんだけど?
 琴子ちゃんがくったりと入江に倒れこみ、入江を睨んでいる。けど、ごめん琴子ちゃん。そんな目で睨まれても全然怖くないと思うよ。
 スーツを着こなした入江と、どこかのお嬢さんみたいな琴子ちゃんは、そうしているとお似合いの二人だ。
 昔からそうだった。
 いや…服装の問題じゃないな。
 二人でいるのが自然で、しっくりくると言うべきか。
 外野が何を言おうと意味ないんだよ。
 まあ……みんなもう、わかっただろうけど。


 琴子ちゃんは恥ずかしさのあまり怒ってしまったのか、ぷいっと横を向いている。
 入江くん酷い、と全身で訴えているのがおかしい。

「琴子、機嫌直せ」
「……ふんだ」
「そっか、残念だなぁ。せっかく結婚記念日だから、二人でゆっくりしようと思ってたんだけどなぁ」
「…!」
「キャンセル…」
「や、しちゃダメっ!」

 携帯を取り出した入江の腕に、琴子ちゃんがしがみつく。入江が嬉しそうに笑った。
 お前本当に……琴子ちゃんがいると、いい顔するよな。琴子ちゃんに感謝だ。
 場都が悪くなって赤くなる琴子ちゃんをもう一度抱きしめ、入江はタクシーを止めた。
 呆気に取られるA組の面々などいないかのように、琴子ちゃんを先に乗せる。

「ロイヤルホテルまで」

 運転手にそう告げると、入江もまたタクシーに乗り込む。その直前、思い出したようにこちらを見た。

「言い忘れてたけど」

 なんだ?

「琴子は俺のもんで、俺が手取り足取り教えてやったから処女じゃない。それと、可愛いのも俺のためだから」
「……はあ!?」

 俺は思わず裏返った声を上げていた。
 んなことはわかってるよ!なんなんだよ、いきなり!
 っていうか、それ、今ここで言うか!?タクシーの中の琴子ちゃんの怒りの声がここまで聞こえてくるぞ!?
 あの居酒屋でのやりとりを、何一つ漏らさず聞いていた入江にも驚きだけど、それをご丁寧になぞるように釘をさしてくるあたり、入江の琴子ちゃんへの愛を感じるよ。
 愛……ちょっと捻じ曲がってる気がしなくもないけど。
 ……俺に言わなくてもいいじゃん、とも思うけど。
 あの時…琴子ちゃんが処女だのどーのと言ってるときに、可愛いとか言っちゃったのがマズかったのかなぁ。
 まさかとは思うけど、もしそうだったら、入江…お前独占欲強すぎだろう。
 俺はもちろん、他も絶句していた。あいつの中に羞恥心ってモンは存在しないんだろうか。
 入江と琴子ちゃんを乗せたタクシーが走り去る。
 俺は取り残された他の面々を思い出し、再びぐるりと見回した。


 琴子ちゃんを狙ってた男子、入江を狙ってた女子―――討死。

 
 それ以外の表現が見つからない。
 ぷっ。
 こりゃすげーや!
 俺は何故か清々しい気分で、渋谷を後にした。
 後で聞いたら、二次会は荒れに荒れたらしい。まあ、そうだろうね。



 END



渡辺君、書きやすい…。モトちゃんと同じくらい!
あ、彼がカラオケ苦手というのは、私の勝手なイメージです。なんとなくだけど、なんですけどね。
本当は出席者名簿のところでは渡辺君のフルネームを出したかったのですが、どうしても思い出せず…調べてみたら、下の名前はないんですね。公表されてないというべきなのかはわかりませんが(^^;
考えちゃおうかとも思ったけど、別に渡辺君は渡辺君でいいじゃん、と思い直してそのままにしました。
オリキャラならともかく、既存のキャラで名前捏造もちょっとね…難しいですよね。各々イメージがあるものだし。ちなみに、私は最近よくTVで見かけるせいか、戦場カメラマンの方が浮かんでしまって…(笑)
すでに私の手許には当時の雑誌とかないので調べきれていないのもあると思うのですが、もしどこかで発表されていたりしたら、ご存知の方、教えてくださると嬉しいです(^^)
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~ Comment ~

 

これです!これ!!私が求めていたお話は。あぁ本当に楽しくて読んでても顔が緩みっぱなしでした。

>BLUE様 

それは、すっごく嬉しいお褒めの言葉です!!
そんな風に言っていただけるなんて幸せで♪妄想冥利(そんなのあるのか…)につきます!
ありがとうございます~(^^)
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