*初恋*

スポンサー広告

スポンサーサイト

 
 kiss×kiss My Knight
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ   3kaku_s_L.png   スポンサー広告
*Edit   

「バカップル」
バカップルライフ

バカップルの父親気分-マタニティーブルー番外編-

 
 kiss×kiss My Knight
入江くん視点です。
私そそっかしいもので、すっかり泣いてる琴子との入江くんのシーンを入れるの忘れていて。
本編では、確かに琴子は泣いてるけどモトちゃんと裕樹しかエピソードが入ってないんですよね(^^;
毎度そそっかしくて…すいません!匿名様!

バカップルの父親気分-マタニティーブルー番外編-




 琴子が妊娠した。 
 前にお袋が勘違いして騒いでいたときとは違い、俺の中には、今度は…という確信めいた物があった。
 心当たりの日は?なんて言われても正確な日付まではわからないけど、恐らくという時期に出来るようなコトをしていたのは確かだからだ。
 琴子の生理のことくらい、把握してるし。間違いないだろう。


 つわりが治まって、お腹も目立ち始めた頃。
 琴子はどこか不安そうな顔をすることが増えた。6ヶ月を過ぎ、7ヶ月頃になると胎動もはっきりしてきていて、腹の上から俺でもわかるくらいだったから、その身に宿した琴子は日に日に変わっていく体と環境に、上手くついていけていないのかもしれない。
 その頃から琴子はやたら俺に張り付き、入江くん入江くんと騒いでいた。
 少し前からそんな節があったけど、そこまで酷くなくて。
 妊娠後半になってから頻度が増し、状況が悪化している気はしていた。
 高校の頃を思い出したけど、あの頃と違うのは、俺が聞いてやるつもりでいることだろう。
 

 あの大きな腹でも働きたいという琴子の意欲は理解していたつもりだし、家族や俺も、出来る限りのサポートはしてきたつもりだけど、お袋はともかく俺の方は、琴子にばかり構っていられない仕事でもある。
 病院で四六時中張り付いているわけにもいかず、看護師の仕事は体力勝負だから、予定より早く産休に入ることも検討したら、と言ったことはあった。
 それでも、出来る限り頑張りたいから、とあの笑顔で屈託なく言われると無理強いもできず。
 締め切りの迫った論文のこともあって、俺は人生で二度目の後悔をした。
 帰宅中、妊娠高血圧症で琴子が倒れたのだ。
 幸い大事には至らなかったけど、その日から俺は、家族が驚くほど琴子に過保護になった……らしい。
 俺自身はそんな風に思ってないんだけど。多分きっかけはそれで、心を決めたのはあの晩だな。



       ********



 あの晩――。
 日付が変わってからようやく帰宅すると、琴子が真っ暗な部屋の中で泣いていた。
 鳥目のくせに、何やってんだ―――そう呆れたのは一瞬で、泣いていることに気づくと俺は鞄を足元に置いて駆け寄っていた。

「琴子…どうした?お腹、痛むのか!?」
「い、いりえくん…」

 ひっく、としゃくり上げ、琴子が俺を呼ぶ。真っ暗で見えないのだろう。琴子の手が彷徨うように俺の体を撫でた。
 その手がようやく俺の手に触れた時、琴子はほっと息を吐く。

「入江くんだ」
「ああ、そうだよ」

 つか、俺以外が寝室に入ってきたら大問題だろ。
 苦笑しながら答えると、琴子はそうだね、と少し笑った。それから、俺の手に頬を摺り寄せる。

「…泣いてただろ。どうした?」
 
 右手を貸したまま、俺はベッドに腰掛けた。ベッドの上でぺたんとあひるのように座っていた琴子が、こくりと頷く。
 
「わかんない…けど、涙が止まらなかったの」
「……」
「でもね、入江くん帰ってきてくれたから、もう平気」

 その言葉に偽りはないようだ。実際、琴子の声に先ほどまでの悲壮感は感じられない。
 俺は琴子を抱き寄せた。
 琴子は抵抗することなく、柔らかい体をすんなりと預けてくる。以前と違って、そのお腹には大事な命が宿っているけれど、俺にとって変わらず愛しい存在だ。
 俺がいないと不安…ということか。
 表には出してないけど、俺は琴子に依存してる。その琴子が、俺に依存しようとしている。
 それは、思いがけず嬉しいことだった。
 俺は琴子を抱きしめる。
 苦しいよ、と言う割に、琴子の声は安堵しきっていて、嬉しそうだった。


 男の俺にとって、体の中に別の命が育まれている感覚はわからない。胎動を想像してみたりもしたけど……胃の蠕動(ぜんどう)運動なら感じたことはあるけど、あれとは全然違うんだよな?
 そんな風に、琴子だって、ついこの間までは俺と全く変わらない認識、感覚しか持っていなかったはずだ。
 傍から見てるだけの俺だって怖いんだ。琴子が怖くないはずがない。
 それになまじ知識がある分、それから外れると不安になるのかもしれない。そしてその不安が、俺がいることで和らぐのなら。
 
「俺がいると、お前、泣かないの?」
「え?う、うん……そうみたい」

 琴子は恥ずかしそうにそう言った。
 でもね、と琴子は続ける。

「入江くんが忙しいのわかってるから、いつもは我慢してるの。けど、なんでか今日は……入江くんに会いたくて、ぎゅうして欲しくて、それからちゅうもして欲しくて、さっきまで入江くんのパジャマの匂い嗅いでたんだけど」
「……」

 ヘンタイか、お前は。
 思わずそうツッコミを入れたくなったが、何とか堪えた。

「なあ、それなら俺、時間作るよ。お前の傍にできるだけいてやる」
「ほ、ほんと!?あ、でも、仕事…」
「俺は天才だからな。それくらいできないで、お前の旦那なんてやってられねーんだよ」

 人がいない間に、パジャマの匂いとか嗅がれるよりはずっとマシだしな。それに、階段から落ちるお前を受け止めて、一回転半して着地するよりよっぽど容易い。
 琴子の髪をくしゃりと撫でると、琴子はまたぽろぽろと涙を零した。
 何だよ、結局泣くのかよ。
 でもこの涙なら、悪くない。
 嬉しいよ、ありがとう。そう何度も言って涙を零す琴子が愛しくて、俺はさっき琴子が望んでいると言っていた「ぎゅう」と「ちゅう」を繰り返してやった。
 それは、俺も満たされる気がする時間だった。




         ********



 そんなことがあってから、俺は極力仕事を持ち帰るようにしている。
 どうしても病院でなきゃ出来ない仕事もあるけど、電話をしながら教授の考えを伺ったりするのは自宅でも出来ないことはない。
 やってみたら、案外自宅でできることもあって、当初思ったよりも琴子の傍にいてやれることに安堵していた。

「なあ、琴子」
「うん?」
「腹、触っていいか?」
「うん!」

 俺は、そろそろと琴子の突き出した腹に触れた。
 琴子が不安に苛まれながらも慈しんでいる命が、ここにある。
 俺の…俺達の赤ちゃん。
 

 予定日はもうすぐだ。
 最近の琴子はマタニティフラをお袋とやっていて、付き合わされている親父がアロハシャツを着て、馬鹿みたいにクネクネ踊らされているのを見て呆れるばかりだ。
 俺は絶対にやらない。
 けど。

「ね、マタニティ教室…行かない?」

 ああ、それならつきあってやるよ―――いくらでも。
 内心そう思いながら承諾すると、琴子はまた泣いて喜んだ。
 妊娠してから、琴子の涙腺は崩壊しっぱなしだな。
 ありがとう、と抱きついてくる琴子を受け止めながら、俺は言い知れぬ幸福に顔を緩めるのだった。



 END




やばい、寝坊した・・・!!
でもアップだけはいそいそと(笑)
拍手のお返事などは帰宅してからになります。ごめんなさい!
あああ、バスの時間~~~! 
関連記事

総もくじ 3kaku_s_L.png 【バカップル】
もくじ   3kaku_s_L.png   バカップルライフ
*Edit ▽CO[4]
Tag List  [ * ]    

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントありがとうございます。 

>ピーチ様

すっごく素敵なシチュですよね!リクをいただいたとき、飛びついてしまいました♪
外ではツンだけど二人っきりならデレという、お前元祖ツンデレだろという入江くんのデレな部分を書くのはすごく楽しかったです。ピーチ様にも楽しんでいただけようでよかったです~(^^)

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>YKママ様 

>YKママ様

わかります~!一見、琴子ちゃんの方が入江くんに依存してるように見えるけど、その実、入江くんの方が琴子ちゃんに…というのがいいですよね!
もちろん琴子ちゃん自身はそんなことわかってなくて、いつも通り普通にしているだけなんだと思いますが。

子供と一緒に寝られる時は寝ていますので、YKママ様も眠くなったら(笑)眠れる時に寝てくださいね♪
管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
  • 【kiss×kiss】へ
  • 【My Knight】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。