*初恋*

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「二次創作」
短編

あゝ、勘違い。 part2

 
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あゝ、勘違い。 part2





 コキッ。



「…んだよ、ババくせーな」

 小さくなった関節の音に、琴子の解いた問題を採点していた直樹が馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
 腕を伸ばし背筋もそらせ、大きく体を解していた琴子はムッと口を尖らせた。

「仕方ないじゃない。ずーっと同じ姿勢でいたんだもん」
「お前がさっさと解いてりゃ、そんなことにもならないんだけどな」

 さっそく間違えを見つけ、直樹がチェックを入れる。
 ああ、間違えてたか……と琴子は内心がっかりしながら、ぼそぼそと言い訳を口にした。

「みんながみんな入江くんみたいな天才なわけじゃないもん」
「F組からしたら、みんな天才じゃねーの?」
「あ~、F組差別した!」
「差別じゃない、区別だ」

 特に金之助と人類を一緒にするのはまずい、ともっともらしく酷いことを言い、直樹は容赦なく琴子の前にチェックを入れたノートを突き出した。
 直樹お手製の問題10問のうち、半分ほどが間違っている。
 これでも半分は正解しているのだから、進歩したほうではあるのだが。
 この間違えた半分を直すのに、どれだけ時間がかかるのだろう。琴子は思わずため息を零した。
 
「ううっ……もう本当に肩痛いよぅ。肩こりがぁ~…」
「うるっせーな。じゃあ、それが全部出来たら少し解してやるよ」

 直樹の目から見ても、琴子はよく頑張っていた。同じく、それに付き合う自分も褒め称えたい気分なのだが、この出来の悪い生徒のやる気を持続させるには、ある程度のご褒美が必要なこともわかってきていた。
 案の定、琴子の顔がパッと華やぐ。

「ほんと!?」
「ああ」

 直樹が頷くと、琴子は鼻息を荒くしながらシャーペンを握った。
 直樹にマッサージしてもらう――――それは、直樹に恋する乙女にとって、嬉し恥ずかしの一大イベントに匹敵する魅力を備えた提案なのだ。
 それまでとは比にならないほどの集中力を見せる琴子に、直樹は思わず呆れたように苦笑してしまうのだった。





                  ************





「ふぁあ……」

 深夜0時を回る頃、裕樹は読んでいた本を静かに閉じた。
 小学生が起きているには遅すぎる時間である。いつもなら、裕樹だってこんな時間まで起きてはいない。
 だが、明日は土曜日。
 図書館で借りてきた本が思いの外面白く、明日が土曜日で学校が休みという甘えもあり、ついついこんな時間まで読みふけってしまったのだ。
 さすがに、これ以上は明日に響く。
 これと言って予定があるわけではないが、昼過ぎまで寝て一日を過ごすのはもったいないと思っている。
 本を机の上に戻し、裕樹は寝る前にトイレにでも、と部屋を出た。
 ふと視線を巡らせば、隣の部屋のドアが目に入る。

(そういえば、お兄ちゃんまだ琴子に勉強教えてるのかな?)

 直樹はまだ、部屋に戻って来ていなかったようだ。
 となると、いるとすれば琴子の部屋かリビングか。
 階段から一階を覗きこめば、そこは真っ暗だった。リビングから灯り一筋漏れていない。
 ということは、直樹はそこにいないのだろう。
 
(ったく、琴子の馬鹿。ずるいんだよ、僕だってお兄ちゃんに勉強みてもらいたいのにさっ)

 構ってもらえない末っ子が、べーっと琴子の部屋のドアに向かって舌を出す。
 その時だった。

「やっ……う、ん…!痛ぁっ…」

 なんとも言えない声が聞こえてきたのだ。
 思わず裕樹の動きが止まる。

(な……な、何!?今の!?)

 それまでも特にうるさく歩いていたわけではないが、自然、裕樹の動きは不自然にゆっくりとなり、気配を殺そうと試みていた。
 そして、そこに近づく新たな気配。

「……ふふふ。裕樹、あなたもなかなかやるわね
(ひっ………ま、ママ!!)

 ぽん、と軽く肩を掴まれただけのはずの裕樹が、声にならない悲鳴を上げる。
 振り返れば、そこにはメモ帳を構え、何とも言えず良い笑顔を浮かべた母、紀子が立っていた。もちろん、先ほどの一言は小声である。
 紀子はきらっと目を光らせると、メモを片手に素早く何事かを書いていく。

「なんだよ、これ。滅茶苦茶だな」
「あんっ、だって……」
「――――が悪いからだよ。ったく、今度定規突っ込んでやろうか」
「いやぁっ、入江くんの意地悪っ」

 察しの良い皆様には、おわかりだろう。
 直樹は単に、マッサージをしているのである。背筋の曲がった琴子に対し、滅茶苦茶だと言い放っているわけだ。
 
「お、お願い……もっと優しく…」
「お前が悪いんだろ。ちょっと我慢しろ」
「そんなぁ~~」
 
(っま~、お兄ちゃんったら!お仕置きね!?お仕置きプレイなのね!?)
(お、お兄ちゃん……琴子と何してるの!?)

 よくよく耳を澄ませば、ばきばきっと鳴っている琴子の関節の音が聞こえてきただろう。
 だがもちろん、そんなものは都合よく聞こえてきたりはしない。
 紀子が横でピンク色に受け止めることもあり、少々おませな小学生である裕樹は、詳細はわからないまでも「何となく知ってはいけない大人の世界」に触れてしまったような気がして、落ち着かなかった。
 その後も琴子の悲鳴のような呻き声は続き、裕樹は真っ赤になってしまった。
 紀子は必死に何かを書きとめており、そんな末息子の様子には頓着していないようである。
 それから数分でその場は解散となったが、当然の如く、その夜裕樹は眠ることなどできないのであった。
 




 明けて、翌日。




「おはようございま~す」

 少々寝惚けた顔で、琴子が元気よくリビングに顔を出す。
 ダイニングで先に朝食を食べていた裕樹は、びくっと体を震わせた。
 あれから満足に眠れなかったこともあり、脳裏にすぐ蘇るのは、昨夜のこと。
 兄は琴子を嫌っていると思っていたけれど実はそうでもなく、むしろ、自分がまだ知ってはならない禁断の大人の世界を共有しているのかもしれない―――そう思うと、琴子の顔すら満足に見られない。
 いつになく大人しい裕樹に、琴子が首を傾げた。
 いつもの裕樹なら、自分より後に起きてきた琴子を見て「僕より寝坊だなんて情けない」などの他愛ないことを言ってくるはずなのだ。
 
「どうしたの?裕樹くん。随分今朝は大人しいね」
「べっ、別に!」
「??」

 小首を傾げた琴子の髪が、さらりと流れる。
 その様子を見て、裕樹はぽかん…と口を開けた。
 もしかしたら。
 もしかしたら、兄はあの髪に触れたのだろうか。お仕置きと称してあの髪を掴んで、そして、よくわからない大人の世界を二人で垣間見ていたのだろうか。
 そんなことを考えて、裕樹はぶるぶると首を横に振った。
 気になるのはそんなことではなく、本当に直樹と琴子が?ということのはずだ。
 裕樹はごくっと喉を鳴らすと、勇気を出して聞いてみることにした。

「そ、それよりお前、昨日の夜随分、ぅ、呻いてたみたいだけど」
「やだ、聞こえてたの!?」
「…トイレ、行こうとして。そしたら……その」

 わざとじゃない、ということをアピールしつつ、裕樹は先を促す。
 琴子は何も気づかないのか、恥ずかしそうに笑みを浮かべた。

「入江くん、上手なんだもん。ついつい声が抑えられなくって」
「へ、へぇ……」
「プロみたいだったよ、入江くん。さすがだよね!」

 マッサージの腕前を褒めたつもりの琴子だが、残念なことに、裕樹にも、そしてキッチンで聞き耳を立てる紀子にも、当然の如くそんな風には受け止められていなかった。

(プロって、プロって……一体何のプロだよ。お仕置きのプロってこと!?)
(お兄ちゃんったら……我が子ながら、素敵だわっ)

 どの心の声がどちらのものなのかは、やはり察しの良い皆様ならおわかりだろう。
 真っ青になった裕樹と、鼻の穴を膨らませて顔を赤くし興奮気味の紀子。
 見事な対比を見せる親子は、同時に同じことを考えているという点では間違いなく似ているのだった。






 余談だが。
 紀子と裕樹の勘違いを直樹が知り、烈火の如く怒ったのは言うまでもない……。



 END





勘違いネタに裕樹くんは欠かせません(笑)。


完全復帰、とまでは言えないのですが、少しずつ書く時間を取れるような生活リズムが出来てきたので。
これからのことはわかりませんが、出来る時に少しずつ、出来ることをやっていけたらと思っております。
まずは目指せ月1更新!(目標低っ…すいません……。でもいきなり無理すると続かないから…。)
次はバカップルで更新出来たらいいなぁ。
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おかえりなさい♪ 

お忙しい日々の中、更新ありがとうございます!!
こうして久々お話が読めて幸せです♥
ピンク(うふ♥)な方向へ勘違いする、紀子ママ&裕樹は間違いなく親子ですよね~♪青い入江くんのハズなのに、この勘違い目線で見ると本当になんて!美味しい会話なのかしら~♥
miyacoさんの全然ブランクを感じさせない、この世界観!!
さすが愛の伝道師です♪
ちゃんと毎日覗いておりますから、たまにお出ましくださいませ♪
のんびり楽しみにお待ちしております!!

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うれしい! 

キャー!!!お帰りなさい!!っておかしいかな?
月一でも更新して頂けたらこんな幸せな事はありません!(^^)!
楽しみにまってます!

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