*初恋*

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 Monopolistic Desires -3- Monopolistic Desires -おまけ-
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「二次創作」
中編

Monopolistic Desires -4-

 
 Monopolistic Desires -3- Monopolistic Desires -おまけ-
パス付きにしようかと思ったのですが、ここまで読まないと完結しないし、ぎりぎりR-15くらいかな…と思いまして、パスはつけていません。
ただ、こればかりは見た方の感覚による部分が大きいので、もし「これはパスなきゃダメじゃない?」と思われましたら、拍手などでお知らせ下さい。
多分大丈夫だと思うんですけど…。




Monopolistic Desires -4-




 琴子が思いがけず寝室で寝入ってしまってから三十分後、直樹が帰宅した。
 ここのところの兄夫婦を知っている裕樹は、まだ帰宅していなかった紀子に代わり、それとなく探りを入れてみる。
 自分の部屋にいた裕樹は、琴子がまた客間に移動したのかどうかまではわからない。
 もしかしたらまだ寝室にいるかもしれず、あの酷い顔色を思い出すだに、これ以上険悪にならなければいいと想ったのだ。

「おかえり、お兄ちゃん。琴子帰ってるよ」
「…知ってる」
「酷い顔色で……その、お兄ちゃん……」
「悪いけど、夕飯いらないってお袋に言っておいてくれ」

 もそもそと言葉を選んでいるうちに、直樹はいつになく冷静な声でそう言うと、寝室に入ってしまった。
 結局思うだけで何も言えず、裕樹はぽりぽりと頭を掻きながら部屋に戻るしかなかった。







 直樹が寝室に入ると、夕闇の中で琴子が眠っていた。
 ベッドの下には脱ぎっぱなしのストッキングが放置されており、その横にはいかにも帰ってきて置いたままです、と言わんばかりの琴子の鞄がある。
 ベッドに倒れこんだまま眠ってしまったんだろうと推測するのは簡単だった。
 直樹は荷物を置くと、ジャケットを脱いで静かにハンガーにかける。
 こうして二人のベッドで眠る琴子を見るのは久しぶりで、帰宅に至った経緯を病院で聞いているだけに、騒がしくして起こしてしまうのは気が引けた。
 ネクタイを緩め、靴下を脱ぐ。ワイシャツのボタンを外しながらベッドを見ると、琴子が寝返りを打つところだった。
 履いていたスカートの裾が捲れ上がり、白い太腿が露になる。
 そこに、直樹がつけたはずのキスマークはなかった。
 触れていない日数を考えれば当然のことだ。けれど、直樹はカッとなった。
 あの肌は自分のものだと刻み込んでおかなければ気が狂う―――いや、もうすでに狂っているのかもしれない。
 

 琴子を褒める病院関係者。
 不埒な妄想をする患者たち。
 誰も彼もが、面白くない。
 琴子は俺のものだ……!

 
 直樹はシャツを脱ぎ捨てると、眠る琴子に覆いかぶさった。
 細い首筋に噛み付くようにキスをし、今回のケンカの元となったキスマークを刻む。
 夢中になって吸い上げたせいか、目立つ位置なのに紫色になってしまった
 だが、これでいいかもしれない。これでは隠せないし、良い虫除けになるだろう。
 直樹は意地悪く目を細め、眠る琴子の服を剥いで行く。
 疲れきった琴子が目覚める気配はなく、直樹はごろりと彼女を転がしうつ伏せにすると、尻を高々と持ち上げた。 
 最近ではアップリケ付きのショーツはやめたようで、年齢相応の薄い生地のそれが、頼りなく直樹の前に曝される。
 直樹はショーツの上から琴子の秘部を舐めた。
 
「んっ…?」

 琴子の体が揺れる。覚醒とまでは行かないようだが、大分意識が浮上してきたようだ。
 直樹はショーツをずらし、琴子の中に指を忍ばせる。二本の指を蠢かせていると、顔だけ横を向いた琴子がさらに呻いた。
 長い睫が揺れて、琴子の目が開かれる。

「な、に…?え……?」

 自分の置かれた状況が理解できないようだ。ぱちぱちと目を瞬かせ、素っ裸になっている上にうつ伏せで、直樹がいることを数瞬後にようやく理解した。

「やっ…嫌っ!」
 
 琴子は大きく身を捩り、直樹から思いっきり距離を取る。
 当然秘部から指も抜け、残された直樹は名残惜しそうにその指を舐めた。

「い、入江くん!何するの!?」
「何って、セックス」
「…!!!あ、あたし、うんって言ってない!」

 当たり前だ。寝ていたのだから。それを承知でしていたのだ。
 自分の腕から逃げ出した琴子を、直樹は不快そうに見た。病院で見かけたとき、西垣の腕には大人しく慰められていたくせに、どうして夫たる自分の腕からは逃げるのか。
 直樹に睨まれて、琴子は言葉に詰まる。
 間違ったことは言っていないはずなのに、琴子が悪いことをしているような気分になってしまうのは、普段が普段だからだろうけれど。
 でも、負けないもん。と琴子はお腹に力を入れた。

「奥さんだからって、同意なしにしたら犯罪なんだから!これじゃ強姦じゃない!」
「……何?」

 直樹の目が細められる―――怖い。
 でも、ここで引いたら負けだ。琴子は自分で自分の体を抱きしめ、励ました。

「あたしは、あたしのこと信じてくれない人となんてしないんだからっ」
「琴子!!」
「いやぁっ!!」

 激昂した直樹が琴子を組み伏せる。
 琴子はジタバタと暴れ、強かに直樹の腹を蹴り上げた。それでも、直樹は琴子から離れない。
 いや、いやと繰り返す琴子を抱きしめ、キスをしようと試みていた。
 片手で琴子の顎を捕らえ、強引に自分の方を向かせる。

「琴子、頼む、聞いてくれ…!」
「やだ、もういやだ……っ」

 涙目になりながらも気丈に直樹を睨みつける琴子に、直樹の脳裏に西垣の言葉が甦る。



『たまには素直に言えばいいのになぁ』



 素直に。
 琴子と付き合うようになってから、過去何度か、そうして自分の気持ちと向き合ってきた。
 その度に、自分の中にこんなにも感情があったのかと驚いてきたけれど、今回も例に漏れないらしい。
 琴子の華奢な両手首を一まとめにし押さえつけ、直樹は目を閉じた。
 言わなければ……琴子は、直樹から離れてしまうかもしれない。自分の気持ちを伝える恐怖など、それに比べたら瑣末なことだ。
 
「琴子」
「………」

 琴子は思いっきり視線をそらした。顔一つ自由に動かせないことへの腹いせらしい。
 直樹はため息をつきながら、琴子の耳元に口を寄せた。

「…ごめん」

 ぴく、と琴子が揺れる。それでも彼女から何の言葉も聞こえなかった。
 めげそうになりながらも、直樹は言葉を重ねる。

「不安だったんだ……」

「神戸から帰ってきたら、お前、思った以上に頑張ってたみたいで、まだまだなことも多いけど、色んな人に可愛がられてて」

「俺がお前の夫ってわかっても、お前に言い寄ろうとする奴らは後を絶たないし」

「なのに、お前は全然気づいてなくて」

 正直に曝け出しているはずなのに、言葉が上滑りしていく気がする。
 伝えたいのはこんなことではなくて、もっと別の…直樹の胸の中にある、琴子への何かなのに。
 直樹はついに言葉を失い、黙り込んでしまった。
 そんな直樹を、琴子はじっと見つめている。
 不躾なほど真っ直ぐに向けられる視線に、直樹自身ですら把握していない心を見抜かれてしまいそうで、直樹はふいっと目をそらした。
 正直になっても、これだ。きっと自分は、逆立ちしてもこんな性格なのだろう。
 半ば自棄になり、直樹は自嘲気味に鼻を鳴らした。捕らえていた琴子から離れ、開放する。
 
「悪い…なんでもない」

 直樹は相変わらず精神的に琴子に依存していて、しかもそれを表に出さないできた。鴨狩の時にその片鱗を語りはしたものの、今さら全てを伝えようとしても上手くいくはずがなかったのだ。
 琴子は大きな目を何度か瞬かせ、ゆっくりと直樹に手を伸ばした。

「入江くん」
「…なんだよ」
「あたしのこと、心配だったの?」
「………」
「何にも考えてないって言ったの……あれは、気づいてないって意味だったの…?」

 琴子の指が、直樹の体に触れる。たどたどしく伝うその指を捕らえたい衝動を堪え、直樹は沈黙を守った。
 これ以上、言葉を重ねて虚しくなることは避けたかった。 
 けれど、今度の語らない言葉は何故か琴子に伝わったらしい。
 琴子の大きな目から大粒の涙がぽろぽろと零れ、直樹の胸に華奢な温もりが飛び込んできた。

「あたし、入江くんに信じてもらえてないんだって思って……」
「……」
「ちゃんと聞けばよかったね、ごめんね入江くん。あたし入江くんが帰ってきてくれたのが嬉しくて、舞い上がってたみたい。いつもならわかったこと、わかんないでいた…」

 ぎゅう、と琴子が腕に力をこめる。
 
(やっぱこいつ、すげぇや…)

 直樹は思わず笑みを零した。この状況で自分から謝ることがどれほど難しいか、直樹にだってわかる。
 それでも、琴子はあっさりとそれを成し遂げた。
 直樹の性格を知っているにしても、ほぼ無意識に出た心からの言葉の数々だった。
 
「俺も…ごめん」
「入江くん…」
「お前が馬鹿なの忘れてた」
「なっ!!!!」
「……あんな言い方じゃわかるはずないよな」

 こつん、と直樹と琴子の額が合わさる。
 どちらかともなく目を合わせ、おかしくなってぷっと笑い出した。
 自分達のケンカはいつもこんな感じで始まり、終わる。いつまで経っても変わらないようでいて、それでも確かに重ねられた年月の分だけ、進んでいる気がする。
 直樹は琴子の頭を撫で、触れるだけのキスをした。
 琴子はくすぐったそうにそれを受けている。お互い忍び笑いを零しながら、子どものようなキスを何度も繰り返した。
 触れないでいた日々、恋しかった温もりがそこにあった。

「寝ろよ……お前、病院で酷い顔色だっただろ」
「知ってたの?」
「ナースステーションでお前が倒れたって桔梗に聞いてな。追いかけたらお前は西垣先生に泣きついてたけど」
「あれは…よろけちゃったの、助けてもらったんだよ。なんでもないの」
「…そっか」

 助けたのが自分でなかったのは悔しいが、西垣には明日謝意を伝えておこう。
 そう思いながら琴子を抱き寄せる。
 左腕を枕に差し出し右腕で琴子を覆うと、直樹はようやく一心地ついた気がした。
 琴子も同じ気持ちなのか、酷く満足そうな笑みを浮かべている。何をしたわけではないけれど、こうしてお互いの素肌を触れ合わせているだけで満たされる気持ちになるのは、互いが互いを求めているからかもしれない。
 直樹は腕に戻ってきた琴子を愛しく感じ、目を細めた。
 えへへ、と琴子が笑う。

「なんかくすぐったい」
「……だな」
「ね、入江くん。大好きだからね」

 知ってる、といつものように答えようとして開きかけた口を、閉じる。
 言葉よりも雄弁に語るものを思いついたから。
 俺もだよ―――その気持ちをこめて、キスをした。
 触れるだけのつもりだったのに、それは思いがけず深いものになってしまって。
 
「なあ、琴子……一回だけ、無理か?」
「……いいよ」

 こみ上げる琴子への愛しさが我慢できず、つい先ほど自分で「寝ろ」と言った舌の根も乾かぬうちに聞いてみる。 
 琴子は恥ずかしそうに俯いて、小さく小さく、お許しを出した。
 琴子の体に新しいキスマークが残るのは、すぐのことだった。
 




 END



モトちゃんのところにでも家出してもらおうかと思ったんですけど、仮にもモトちゃん男だし、なんかさらに誤解を招いてややこしくなりそうな上に、そんなしょっちゅう家出ばっかりしてる子ではないよな、と思い直して家庭内別居くらいにしておきました(笑)。
神戸での離れていた時間後のラブラブが仇になるとは、さすがの入江くんでも思ってない…といいな。


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>杜乃様 

>杜乃様

人前ではクールで「本当に夫婦?」と疑ってしまうような入江くんの態度も、二人きりなら…という願望(笑)が多分に反映されたお話です♪あの入江くんの理性を奪っちゃうなんて、琴子ちゃんだけですもんね!ふふっ(^^)

清里では、どうだったんでしょうね。認めたくないけど…という感じなのか、それとも全くわからないまま、ただ気づけば…という感じなのか。それによって、青さレベルに違いが出るというか(笑)。確実に人目がないからこその行動だったとは思いますが、個人的には青い青い入江くんも好きなので、全くわからないままという方も萌えかも、なんて思います♪ああでも、やっぱり認めたくないけど~の方も捨てがたいかも!?
本当に、私もどんな入江くんでも好きだなぁ、と再確認しちゃいました(^m^)フフッ
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