*初恋*

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「二次創作」
短編

ツンがデレになった瞬間

 
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他にタイトルなかったのか?というツッコミは承知しております・・・。
タイトルつけるセンスないんですよ、私!なんの自慢にもなりませんが・・・(--;
ギャグとまではいかないけど、それに近いからまあ…いいか?なんて。

ちなみに、私、入江くんは隠れムッツリだと信じております(何それ)。






「ツンがデレになった瞬間」




 あの雨の日、あたし達はようやく向き合うことができた。
 今まで心の中を覆っていた雲が嘘のように消え去って。
 本当はまだ残っている色々な問題はその日だけは頭から消え去って、ただ、入江くんと一緒にいられるということが嬉しかった。
 滅多に聞けないだろう、彼の「大好きだよ」って言葉も聞けたしね。


 あたし達はたくさんの人を傷つけてしまった。
 だから、その分幸せになれって言ってくれる人たちがいる。あたし達は、きっと…とても恵まれてるんだ。
 さすがに2週間後に結婚式って言われた時はびっくりしたけど。
 でも、入江くんとならいいって思った。もし明日だって言われても、入江くんとこの先一生一緒に過ごせる約束ができるのなら、全然構わない。
 でも、入江くんはそうじゃないみたい…?





「……あのぅ、入江くん?」
「なんだよ」

 明らかに不機嫌~~なオーラを出しながらソファーに座る入江くんに、あたしは恐る恐る声をかけた。
 夕食も終わり、それぞれが思い思いの過ごし方をする時間だ。もっとも、入江くんはそんな余裕なくて、今も書類と睨めっこしてるんだけど。
 だからまあ、いきなり笑えとは思わないけど、もう少しこう…ね?普通にしててくんないかなって思って。
 だって、入江くんのあまりの不機嫌さに恐れをなした裕樹くんなんて、ダイニングからこっちに移動できないでいるんだもん。
 本当はソファーで寛ぎたいんだろうに。

「眉間に皺寄ってるよ?どうしたの?」

 こんなんでご機嫌が良くなるとは思ってないけど、入江くんが唯一美味しいと言ってくれるコーヒーを差し出す。
 それを受け取って、入江くんは小さくため息を零した。

「色々全部、急だろ。お前、あと1週間ちょっとで結婚式だぞ?わかってるか?」
「わ、わかってるわよ」
「どうだか」

 む。
 なによ、それ。
 あたしがどれだけ、入江くんとの結婚式を妄想してきたと思ってるの!?
 
「じゃあ、聞くけど。結婚式が終わったら、お前、何があると思う?」
「え?新婚旅行…とか?」
「その前にもっと大事なことがあるだろ」

 呆れたように指摘されて、あたしは考え込んでしまった。
 結婚式が終わったら、でしょう?んん?お父さんに「今まで育ててくれてありがとう」の挨拶とか?
 あれ、でもこれは普通、結婚式の前日だよねぇ? 
 首を傾げるあたしを見て、ほらみろ、とばかりに入江くんが呆れた視線を寄こす。
 …悔しい。

「俺はとてもじゃないけど、お前にその心積もりがあるとは思えないけどね」
「もう、なんのことなの?」

 答えをぼかしたまま肩を竦める入江くんを前に、眉間に皺を寄せるのはあたしの番だった。
 でも、入江くんは答えてくれなくて。
 もう少し自分で考えてみなって言って、お風呂に向かってしまった。
 すっごくすっごく、気になるんですけど…!!





         ***********





 あれからずっと考えて。
 それこそ、夕食の後片付けをしてる間も、お風呂に入ってる間もずっと考えていたけど、あたしはちっとも答えがわからなかった。
 あたしが理解してなくて、心の準備が出来てないことって、何?
 わかるまで眠れないくらい気になる!
 仕方なく、あたしは入江くんにもう一度聞いてみることにした。
 もう入江くんは部屋に戻っているから、そこへ向かう。軽いノックをすると、すぐに中から返事があった。
 ひょこっと顔を覗かせると、入江くんはまだ仕事をしているようで、机に向かって書類を広げている。

「なんだ?」

 あたしが近づくと、入江くんは思ったより優しい目であたしを見た。
 ずっとね、こんな目で見つめてもらえたらって思ってたから……ドキドキする。
 もう長いことドキドキしっぱなしだから、あたしの心臓は、これで普通になっちゃってるのかも。

「ん。さっきの答え…やっぱりわかんなくって。教えてもらえないかなって思ったの」
「ああ…なんだ、まだわからないの?」
「うん」

 ぎし、と椅子を鳴らして、入江くんがあたしに向き直る。
 大きな手があたしの腕を掴んで、少し広げて座った足の間に導いた。
 右手があたしの頭に移動して、引き寄せられる。
 耳に、入江くんの息がふっとかかった。

「結婚式が終わったら……初夜、だろ?」
「しょっ…!!??」

 囁かれた単語の意外さに驚き、あたしは思わず大きく仰け反る。
 でもそれは一瞬のことで、すぐにまた、入江くんに引き寄せられてしまった。
 入江くんは座ったままで、あたしは立っていて。だから、引き寄せられるとどうしても、あたしの胸元に入江くんの頭が来る。
 あたしはお風呂上りでブラジャーなんてつけてないから、すっごく無防備な状態で入江くんの前に立ってるっていうのに……は、恥ずかしい!
 入江くんはあたしの胸元で喉を鳴らして笑った。

「お前、わかってないんだもんな。俺のプラン通りに事が運ぶなら、お前のペースに合わせてやってもいいって思ってたけど」
「…けど?」
「お袋のプランで行くなら、俺は我慢しない」

 ドキッとした。ううん、この部屋に入ってからドキドキしっぱなしなんだけど…。
 だってね、入江くんの目が…すっごく熱っぽいから。あたしの好きな人はちゃんと男の人で、あたしはこの人に、ちゃんと女の子だって思ってもらえてるんだとわかるほど、男の人の目だったから。
 さっきまで普通だったはずの喉が、カラカラに渇いてしまった気がする。
 入江くんから視線すらそらせなくて、あたしは何故か掠れた声で、入江くん、と呼んだ。
 パジャマの一番上のボタンを外して、少しだけ肌蹴られた胸元にキスをしていた入江くんが、ぴたりと止まる。
 あの雨の日、朝起きたら意地悪な入江くんに戻っちゃうんじゃないかって不安がったあたしに、一緒に寝るか?って誘ったよね。
 あの意味がわからなかったわけじゃない。けど、確かに自分には遠いことのような気もしていた。
 でも、今もチリッと走るキスの痛みからすると…もしかして、入江くんは我慢してるんだろうか?
 肌に残る熱が、入江くんの気持ちそのもののような気がしてならない。

「入江くん…そういうこと興味あったんだ?」
「当たり前だろ」

 パジャマの左肩が引き摺り下ろされる。右側は辛うじて無事だけど、胸の際どいところまで露になってしまった。
 慌ててパジャマを直そうとするのを、入江くんに押さえられる。
 強引に頭を引き寄せられて、キス。

「ん……」

 ぴちゃ。
 小さな濡れた音を立てて、入江くんの舌が入ってくる。あたしはまだどうしていいかわからなくって、ただ逃げ惑うばかりだ。
 でも狭い咥内では逃げるのも限界で、程なくして入江くんの舌にあたしの舌は辛め取られて、吸い上げられた。

「んんっ……ん…」

 途中で何度か唇が離れたから、その隙に息をする。でもそれじゃあ酸素は足りなくて、あたしの体は力を失って入江くんにすがり付いていた。
 見かねたのか、入江くんはあたしの腰を抱き寄せて、膝の上に座らせてくれた。 
 でもそれは、益々入江くんから逃げられなくなっただけで。
 入江くんの唇はあたしの唇から離れると、頬から首、鎖骨、肩へと移って行った。
 その度に微かな痛みと共に疼きが走って、あたしは嫌々をするように頭を振る。

「いり、えくん…こんなこと、ずっと考えてたの……?」

 今、彼はすっごく大変なはずだ。お義母さんが強引に決めてきた結婚式の日取りを実行するために、ほとんど深夜まで会社で仕事をしている。来週からは家に帰ってくることも難しくなるって言ってたくらいだもの。
 だからまさか、その彼の頭の中に、こんな俗っぽいことがあるとは思えなかった。
 けど、入江くんの答えはあたしの予想とは全然違って。

「当たり前だろ。お前のこと、どうやって気持ちよくさせようかずっと考えてる」
「なっ…!?」
「俺の全部で、琴子のことよがらせるにはどうしようかってな」
「………!!??」

 だ、誰!?あたしを腕に抱くこの人は、本当にホンモノの入江くんなの!?
 あたしがそう疑ってしまいたくなるほど、入江くんが甘い。
 甘くて甘くて、クラクラしてしまうほど…。
 でも、あたしを見上げる入江くんの目はホンモノで……熱っぽいけど、確かにあたしの知ってる入江くんだった。

「あっ…ちょ、待……やんっ」

 耳朶を甘噛みされて、あたしは自分のものとは思えない声を出してしまった。
 自分でも信じられないって思って驚いていると、入江くんも少し驚いた顔をして、それから意地悪く笑う。
 耳の形に沿うように舌が這う感覚に、あたしの背筋にぞくぞくしたものが走った。
 
「~~~~…っ」

 どうしよう、どうしよう。 
 怖いけど、気持ちいい。入江くんに求めてもらえるの、こんなに幸せなんだ。
 この先を望むような、でもまだ怖くて足踏みしていたいような、そんな狭間で揺られて、あたしは涙目で入江くんを見つめた。
 彼が望むなら、ここでそうなってもいいって…ちょっとだけ思いながら。
 でも、入江くんは最後にきつく胸元にキスをして、体を離した。

「今日はここまで。お楽しみはとっとくよ」
「え…」

 終わっちゃう…の?
 一瞬、今の甘い時間を惜しむ気持ちが膨らんだけど、あたしはすぐにぶんぶんと頭を左右に振って誤魔化した。
 いきなり頭を振り出したあたしを、入江くんが面白そうに見ている。
 さっき彼が崩したパジャマを、丁寧に直してくれた。

「そーゆーことだから。何とか式までには仕事に目処がつくようにするから、お前は…そうだな。この続きをするために、お袋と一緒にエステでもなんでも行って来いよ」

 にやり、と入江くんが笑う。

「俺に抱かれるためって思ったら、お前も励みになるだろ?」

 な、なんてことを!!
 真っ赤になって言い返せないあたしを見て、入江くんがついに笑い出した。
 もー!すぐ人のことをからかう!!
 悔しいなぁ。なんか、いつまでも勝てない気がする。
 思わず膨れて睨んでいると、入江くんが「琴子」と驚くほど優しい声であたしを呼んだ。
 それから、もう一度キス。
 今度は軽く触れるだけだったけど、雨のようにたくさん降ってきた。
 ちゅ、ちゅ、と軽い音がして、恥ずかしい。
 顔を背けたくても、あたしの両頬には入江くんの手があって、なすがまま。
 
「おやすみ、琴子」
「いりえくん…」
「来週はろくに会えないだろーけど、ふて腐れんなよ」

 そんなことしないよ。
 だって、こんなにたくさんキスしてもらっちゃったもの。
 あの雨の日に、入江くんはもう数えなくていいって言ったけど……違う。もう数えられなくなっちゃったんだよ。
 だって、今までの入江くんが嘘みたいに、たくさんのキスをするんだもの。
 キス一つが、大好きって気持ちみたい。

「入江くん、頑張ってね」
「ああ」
「…おやすみなさい」
「おやすみ」

 最後にもう一度、キス。






 



 まさか、披露宴があんなコトになって、結婚式の夜は初夜どころの話じゃなくなるなんて、この時のあたし達は思ってもいなかったのでした。





 END
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>あやみくママ様 

>あやみくママ様

これ、初期の作品になるんですが、この頃からすでに野獣の片鱗が見えてますよね(笑)。
最初はピュアにピュアにって思っていたんですが、段々と……どうせなら、折角なんだから、入江くんがそっちで貧相で残念な結果だなんて、嫌!なんて思っていたのがひしひしと伝わってしまうかと思われます(^^;
って、性格ドSなのに性/癖ドMって、それ難しいですって(笑)あははは!(笑)
抑制法をもしベッドでソッチで使うなら、それは是非入江くんが琴子に、がいいなぁ……なんて。ああっ、私も夜中でストッパー壊れてきたかもしれません!一緒に滝(風の温泉)でも行きましょう~!
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