*初恋*

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 入江さん家が大変だ!-3- 入江さん家が大変だ!-5-
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「長編」
入江さん家が大変だ!

入江さん家が大変だ!-4-

 
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入江さん家が大変だ!-4-





 明けて、翌日。
 おばさんは、面会時間に合わせて病院へ出かけていった。
 赤ちゃんの梓ちゃんを連れては行けないから、今日もあたし達は梓ちゃんとお留守番だ。
 ちなみに、梓ちゃんは昨日はおばさんとたっぷり寝ることができたようで、朝からご機嫌♪
 パジャマも可愛かった~。イタリアのなんとかってお店の、なんとかっていうデザイナーさんのだとか何とか…横文字だらけで覚えられなかったんだけど、とにかく、女の子のお姫様願望をぎゅっと詰め込んだような、可愛いパジャマだった。
 起きたら起きたで、入江くんが着てた(ぷぷっ)ピンクのフリルのお洋服を着せてもらって、足元は白いレースの靴下。ちょびっと生えた毛には、入江くんがつけてた(ぶぶぶっ…)ピンクのバラのヘアゴムで飾りをつけて、すっかり女の子なの。
 これを入江くんが着てたかと思うと……あ、駄目。笑い死ぬかも。
 今の入江くんの顔に当てはめるからダメね。ぷっ……ぷくく……!
 と思っていたら、起きてきた入江くんにものすっごい目で睨まれて、あたしは慌てて梓ちゃんから目を逸らしたのでした。







「お家に一日いても暇でしょう?お兄ちゃんがいれば大丈夫だから、三人でお散歩がてら公園でも行けばいいと思うわ」

 出かけにおばさんはそう言いおいていて。
 その時は一日くらい家の中でもと思っていたあたし達だけど、お昼を回る頃には、家の中にいることに飽きた梓ちゃんをすっかり持て余していた。
 入江くんは、梓ちゃんとあたしを二人っきりには出来ないらしい。
 曰く

「お前と赤ん坊を二人!?そんな危険なことできるわけねーだろ!」

 ということで。
 失礼な、と思わないでもないけど、大事な他人様の子だし、何かあったら大変。 
 それに、あたしだって自分のそそっかしさはよくわかってるから、入江くんが傍にいてくれるのは頼もしかった。
 
「はーい、梓ちゃん。お兄ちゃんですよ~」

 あたしはそう言うと、ソファーで本を読んでいる入江くんの腕の中に梓ちゃんを下ろした。
 だーっと涎を垂らした梓ちゃんが上から下りてきて、入江くんが顔を引き攣らせる。

「琴子!」
「だって、つまんないんだもん」

 赤ちゃんがいるお家じゃないから、梓ちゃんが遊ぶようなものもないし。
 
「つまらないのは、お前だろ」
「梓ちゃんだってそうだよ。ねぇ、おばさんも言ってたじゃない。お散歩行こうよ」
「……」
「お天気いいし、ね?」

 ねーねー、ねーねー。
 あたしは何度もお願いした。梓ちゃんも一緒になって、入江くんを覗きこんでいる。
 4つの目に強請られた入江くんは、最初は無視していたけど、そのうち苛々してきたのか焦れている様子が手に取るようにわかった。
 しまいには乱暴に本を閉じて、梓ちゃんを抱っこして立ち上がる。

「すぐ帰ってくるからな!」

 お散歩、行ってくれるんだ!
 あたしは嬉しくなって、大きく頷いた。入江くんは諦めたかのようにため息をついたけど、取り消したりしなくって。
 入江くんと一緒にお散歩できるなんて幸せ!
 梓ちゃんのためってわかってるけど、やっぱり嬉しい!
 あたしと梓ちゃんは顔を見合わせると、思わずにーっと笑ってしまうのだった。





                   ***************





 抱っこは意外に疲れるということで、今日はおばさんが預かってきたベビーカーを使うことにした。
 使い慣れていないでしょ、と言われたから昨日は使わなかったけど、今日はショッピングモールに行くわけではないし、人混みに出るわけでもないから、ちょっと動きがぎこちなくても大丈夫だよね。
 玄関でモタモタしてたら、入江くんがさっと広げてくれる。
 うわぁ…ベビーカー広げてるだけなのにカッコイイなんて、反則…。
 ベビーカーが好きなのか、梓ちゃんは黙って乗せられて。寒いからってベビーカーの下の荷物を入れる籠に入っていたブランケットを広げると、そうそうこれよ!って顔をしていた。
 風はちょっと冷たいけど、これなら寒くないよね。

「琴子、財布持った?」
「一応……入江くんは?」
「俺も一応な。どうせ、誰かさんの財布には小銭しか入ってないだろうし……って、やっぱりか」

 入江くんの指摘に無意識に口を尖らせていたあたしを見て、入江くんが馬鹿にしたように笑う。
 だって、仕方ないじゃない。
 もう月末なんだもん。お小遣いだって尽きてるわよ。
 ベビーカーを押して歩き出した入江くんの横に並んで歩きながら、あたしはつんっと入江くんの脇腹を突いた。
 
「痛ぇっ」

 ふんだ、意地悪言うからだもん。
 つんつん、つんつん、とあたしは入江くんの脇腹を突く。その度に入江くんが身を捩り、あたしを睨んだ。

「やめろ、琴子」
「じゃあもう意地悪言わない?」
「意地悪じゃない。事実だろ」

 入江くんはそう言うと、すたすたと歩いていく。
 とは言っても、ベビーカーを押しながらだからそんなに早いわけじゃない。あたしは入江くんの服の裾をちょっとだけ掴んで、少し後ろを歩いていった。
 





 入江くんがあたし達を連れてきたのは、図書館だった。
 あたしは滅多に……と言うのは見栄で、実は引っ越してから一度も来ていない場所だったりする。引っ越す前の地域にあった図書館だって、片手ほども通ったかどうか。
 入江くんは、そこにあたしと梓ちゃんを連れて来た。
 確かに家から歩いて15分程度だし、お散歩には丁度いいのよね。
 中に入れば暖房があるし、子供コーナーに行けば絵本がたくさんあるし。
 
「俺、探してる本がないか見てくる」
「じゃあ、あたしと梓ちゃんはこっちにいるね」

 あたしは可愛らしいポップで飾られた子供コーナーを指さした。
 入江くんは頷くと、長い足で颯爽と歩き出す。ああ…立ち去る姿ですら素敵…。
 って、いかんいかん!
 あたしは梓ちゃんの面倒をちゃんと見なくっちゃ!
 入り口にはベビーカー置き場もあって、あたしはそこにベビーカーを停めると、梓ちゃんを抱き上げる。
 暖房のきいた室内は、入り口から一段上がって絨毯が敷かれていて、靴を脱ぐようになっていた。
 なるほど、ハイハイしてる赤ちゃんがけっこういるのね。
 それに、そうでなくても歩き出したばっかり!っていうような小さな子供もいっぱいいる。
 奥では、エプロンをつけたおばさんが紙芝居を読んでいた。
 でも、梓ちゃんにはまだちょっと難しいよね。
 どこまで理解できるかわかんないけど……あたしは、梓ちゃんくらいの子がいる赤ちゃん絵本のコーナーに向かった。

 
 色々な本があるけど、どれもカラフルで言葉がシンプル。
 水道からお水が出ている絵が描いてあって、横には「じゃーじゃー」だけ、とか。
 紙が破れる絵が描いてあって「ビリビリ」だけ、とか。
 入江くんが読む本は読めないあたしだけど、これなら大丈夫!
 
「梓ちゃん、これにしよっか」

 あたしは目についた一冊の絵本を取り、あたしはあひる座りをした足の間に梓ちゃんを座らせ、絵本で挟むようにした。

「あひるさん、がーがー。いぬさん、わんわんっ」

 梓ちゃんは、動物が好きみたい。
 じーっと大きな目で絵本に見入っている。嬉しそうな梓ちゃんの顔を見ていると、あたしもなんだか幸せ♪

「へぇ、お前にしちゃまともな本選んだじゃん」
「入江くん!」

 あたしの横に、入江くんが胡坐をかいて坐る。梓ちゃんが、そっちに行きたそうに手を伸ばした。
 小さくても女の子ね。かっこいい人に抱っこされてたいのかもしれないね。
 入江くんは黙って梓ちゃんを膝に抱えた。あたしは、入江くんの膝にいる梓ちゃんに向かって絵本を読む。
 あらあら、微笑ましいわね、なんて司書さん達に言われているのも知らないあたしは、当然、他のことも目に入っていなかった。
 多分、入江くんも気付いてなかったと思う。


「……入江?」
「本当だ」
「赤ん坊連れてるぞ、相原と」

 A組の集団が、あたし達に気付いて驚いていたことなんて。





目撃証言は着々と揃っていきます(笑)。

ごめんなさい、あと1話……お付き合いくださいませ(><)
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*Edit ▽CO[16]   

~ Comment ~

きゃ~、A組の方に見つかったわ(^.^) 

図書館の赤ちゃん向けコーナーにいる入江くんと琴子ちゃん。
そして、傍にはこれまたとても可愛い赤ちゃん連れとなれば、この目撃情報は物凄い波紋を呼びそうですねv-10

A組&F組の反応やら、金ちゃんの想像しきれない反応があるのか、ないのか、次回が楽しみです♪

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2人のやり取りを見てるとどっからどう見ても幼妻とその夫よね(≧∇≦)A組の人や金ちゃんたちに目撃されて大変~♪お休み明けは大騒ぎだわね(^m^)ププッ「あぁとうとう赤ん坊がぁっ…」って先生たちや金ちゃん倒れちゃうかも(笑)面白~い!楽しみに続き待ってます(*^o^*)

 

こんにちは。更新ありがとうございます。

もうもう(牛じゃないですよ)琴子ちゃんと梓ちゃんがメチャ可愛い!
二人で入江くんにお強請りしたり、堪んない可愛さですよ。図書館で三人で座って絵本を読み聞かせているなんて微笑ましいしぜひ私も見たい!
たくさんの目撃情報はツイッターで飛んだのかしら(笑) なかなか見れないレアなイリコトですよね。
女の子バージョンの入江くんを想像出来るのって琴子ちゃんだけなんだよ。ある意味すごい!

 

おぉーっ、萌えポイントが多すぎて(^m^)
口をちょっぴりとがらせた琴子ちゃんに、入江くんの服の裾をちょっと摘んで歩く琴子ちゃんに、小銭しか持ってない琴子ちゃんに←おい

どれだけ琴子スキーなんだろう、自分^^;
青い意地悪でつれない入江くんが、コソッと優しさを思わず出しちゃう可愛い琴子が好きなんです♪
梓ちゃんと琴子ちゃん2人の懇願の視線に負けちゃう入江くんが、近未来の彼を彷彿とさせますね。
そしてなんちゃって親子三人姿を斗南の同級生に目撃され‥
うふん、続きが楽しみです(^^)


梓ちゃんの描写がとてもリアルで微笑ましいです。
でも女の子ってやっぱり大人しいですね^^;
男の赤ん坊はこういった場で、本は投げる、破こうとする、余所様のお子様の持ってるものは取る、貸さないとバトる、泣かす‥←え?うちの子だけ?

あ゛ー、書いてて謝り倒しの母だった黒歴史を思い出して頭痛が(-_-;)

こんにちは! 

更新ありがとうございます!
「お前と赤ん坊を二人!?そんな危険なことできるわけねーだろ!」…私も全く同意見です(笑) まぁ、離乳食が無理なのは分かる!ミルクは?おむつは?熱々のミルクに、きちっとはまってないユルユルおむつかも…とダメダメ琴子しか思い浮かばないわぁ…ゴメン、琴子ぉ~…。
さて、図書館の赤ちゃんコーナーで、なんちゃって親子展開中のお3人さん…。誰が見ても、微笑ましいほんわか感漂ってますよね。それをなんとA組の子が見てた?!例の加藤とか?山田とか?これは面白くなってきました!きっと彼らは勉強しに来てたんだよね。「あいつら、いつの間に子供出来てたんだよぉ~」って騒ぎまくる?
続き楽しみにしてま~す!

>かくちゃん様 

>かくちゃん様

うちのA組の皆様はそこらにいる普通の男子高生色が強いので(笑)、おおっとどよめいたと思われます(笑)。

次回で最終回。思いがけず長くなってしまいましたが、あと1話よろしくお願いいたします♪

>narack様 

>narack様

こんばんは!
お蔭様で元気です~(^^)narack様は体調いかがですか?寒いし、無理しないでくださいね!

つ、ツンデレマイホームパパ(笑)!!あははは、確かに!!
入江くん、大して面白くなさそうな顔をしながらも平然と梓ちゃんを乗せてるんですよ…ぷぷぷっ。そこに一生懸命読み聞かせをする琴子ちゃん。目撃者はさぞ興奮したと思います(笑)。

インフル、猛威ふるってますよね。リレンザが効くよ~、とか、咳が出るよ~とか聞くだけは聞いてるんですが、まずはもらってこないのが一番!と思って人混みさけて動いてます(^^;
narack様もインフルの猛威に巻き込まれないよう、ご自愛くださいね!

>ら~ゆ様 

>ら~ゆ様

ありがとうございます!お気持ちだけで嬉しいです♪
お蔭様で体調はだいぶ…相変わらずパソコン前は30分くらいが限度ですが、ぽちぽちやっております(^^)

ら~ゆ様の記憶通り、上のことは学年だと7つ離れるんですよ~。6歳違うと、お手伝いっていっぱいしてくれますか?すでにそんなことを期待してる手抜きははなんですが(笑)
エロコメも大歓迎ですが、普通コメ(笑)も嬉しいです。ありがとうございました♪

>ちぃ様 

>ちぃ様

そう、見つかった…というより見られてしまいました♪
他のサイト様で見られる賢そうなA組は残念ながら少ないようで(笑)普通に思考回路がアッチに行きやすい高校生ばっかりなので、恐らく……なことになると思われます。ぷぷぷ!
知らぬが仏の週末はこれで終わり、最終話はいつものあれが出てきますので、お楽しみいただけるといいなと思っております(^^)その時はよろしくお願いいたします!

>あやみくママ様 

>あやみくママ様

幼な妻……なんてイイ響き!(すいません、相変わらず変態です)琴子ちゃんにぴったり♪
そうなんです、これで知らぬが仏の週末が終わってしまったので、週明けからは……ふふふ(笑)
明日更新しますので、お時間ありましたら見てやってくださいませ(^^)

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

そう言っていただけると嬉しいです♪えへへ~(照)
大きな目の二人に迫られて、入江くんの顔が引き攣って。結局負けちゃうんですよね、なんだかんだと優しいから(笑)
そうか、今時ならツイッターで情報が飛ぶんだ!と紀子ママ様に言われて気付きました(笑)
「図書館なう」
「入江と相原見たよ」
とかから始まって、あれよあれよという間に……!?ああ、それもすごく楽しそう!!

女の子バージョンの入江くんですが、過去の顔はもちろん、今の顔でも想像してしまったようなので、琴子ちゃんはものすっごい目で睨まれたと思います。入江くん、琴子ちゃんの考えてることならお見通しな気がするんですよね♪

>ちぇるしい様 

>ちぇるしぃ様

ほんとですか!嬉しい~!!

琴子ちゃんは可愛い!と私も思っておりますので、ちぇるしい様に萌えていただけるような可愛らしさをちゃんと書けたなら、すごく嬉しいと思いました。
入江くんが「仕方ねーな」と言いながらもついつい手を差し伸べちゃう。それって琴子ちゃんだけなんですよね。そんな姿を、きっと他の人たちもわかってるんだと思うと、もうニヤニヤしちゃって(笑)。
これだけ目撃されちゃって、週明けどうなるんでしょうね~…ふふふ。

や、やっぱり男の子って元気なんですね(笑)それが今度始まるのかぁ……今のところ、男の子って言われてるんです(汗)姉妹で育ち、女の子しか育ててない私にどこまで付き合いきれるのか!?入江くんみたいなクールな子……いやいや、あれは人間不信気味でもあるし微妙か…う~ん。

>あけみ様 

>あけみ様

ああ、やりそう!とあけみ様のコメを見て思いました(笑)。
だって会話がすんなり浮かぶんですもん!

直樹「おい、なんか服、湿ってるぞ」
琴子「え?」
直樹(くんくんと匂いを嗅いで)「漏れてる」
琴子「ええっ!?」
直樹「お前、おむつユルユルじゃねーか!ちゃんと留めろよ!」
琴子「留めたよ!」
直樹「へぇ?じゃあ、この指が2本も入る隙間はなんだよ」
琴子「びっちりじゃ苦しいかと思って…」
直樹「余計な配慮すんじゃねぇ!!」

……入江くん、今すぐパパになれそうですね(笑)裕樹くんでお世話慣れしてるんだとは思いますが。

場所が図書館なので、発見者はA組の皆さんとなりました。間違ってもF組は来ないでしょうし(失礼)。
週明け、どうなるんでしょうねぇ…私も楽しみです(笑)。
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