*初恋*

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 入江の家に遊びに行こう -2- 入江の家に遊びに行こう -4-
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「二次創作」
中編

入江の家に遊びに行こう-3-

 
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入江の家に遊びに行こう-3-





 すごいな、あれでブレたりしないのかな。
 そんなことを思いながら見ていた俺の視線に気づいたのか、おばさんがおもむろにカメラを下げるとパンパン!と盛大に手を叩いた。

「さぁさ、お勉強が終わったなら休憩しましょ!」

 その言葉に、俺は手元の珈琲を見た。
 これを飲むのは休憩にならないんだろうか?入江がギロッとすごい目でおばさんを睨む。
 だが、おばさんはそんなのどこ吹く風。鼻歌を歌いながら、何やらごそごそとテレビの前でやっていた。

「折角いらしてくださったんですもの。とっても素敵なものをお見せしちゃうわ!」
「お袋!」
「あら。居たの、お兄ちゃん」

 居たのって!
 わかってるくせに、しれっとそう言って無視するおばさん……すごい。
 入江はおばさんをしばらく睨んでいた。きっと、苛立ちのままに立ち去るかどうか迷ってるんだろう。
 このまま立ち去ってしまえば、入江的に面倒なことは見ないで済むけど、何があったのか把握することは難しくなる。

「さ、出来たわ!」

 カシャン、と軽い音がしてDVDのトレイが閉じた。同時に入江が盛大なため息をつき、ぐしゃっと前髪を掻きあげる。
 ……諦めたんだな。
 おばさんはいそいそと部屋の明かりを暗くした。
 少しして、テレビにぱっと文字が映る。
 広い部屋と大きな画面で、そうすると立派なホームシアターだった。

『お兄ちゃん&琴子ちゃん 愛のメモリー』

 ぐふっ!とRPGのラスボスみたいに加藤が咽た。
 俺はと言えば、ぽかーんと阿呆みたいに開いた口が塞がらない。
 な、なんだよこれ!
 映像には、あの体育祭で琴子ちゃんの上に入江が倒れ込んだところから背負うところ、そしてそのまま歩き出すところも入っていたし、その他にも以前道徳の時間に見たことのある映像に加え……知らない映像も入っていた。
 場所はここ、リビングだ。
 丁度俺のいる席に座っている琴子ちゃんが映っている。だが、どうも寝てしまっているようだ。
 
『お兄ちゃん、琴子ちゃん運んであげてちょうだい』
『はぁ?なんで俺が…』
『なんでって、あたしと裕樹は無理だし、相原さんはいないし。パパは膝が悪くてダメでしょ』
『ちっ…』

 おばさんにそう言われて、琴子ちゃんの向かいの席でテレビを見ていた入江が立ち上がる。
 そして嫌々、渋々といった気持ちを隠そうともせずに手を伸ばした。

『…女の子なんですからね。乱暴に扱うんじゃないわよ!』

 キッチンにいて見ていないはずなのに、絶妙のタイミングでおばさんの声が飛ぶ。
 って……これ、おばさんがカメラを持ってないってことは隠し撮りか!?
 さ、さすが入江直樹の母!やることが凡人の予想の上を行くな!
 入江は深いため息をつくと、琴子ちゃんを横抱きに抱き上げた。
 うわー、同い年の女の子のパジャマ姿なんて勝手に見ていいのかなぁ……。
 まあ俺の場合、琴子ちゃんのパジャマがどうこうってよりも。

『ったく、ケツにばっか肉つけやがって…』

 という入江の呟きの方が気になったけどね!!
 だってさ、琴子ちゃんのお尻の肉付きを今知るのは、まぁあり得るとしてさ。他のところに肉付きをなんで知ってるんだって話じゃないか。(管理人答え:夏に薄着でいるから)
 加藤、峰岸、山田の三人は、ごくりっと喉を鳴らして画面に見入っている。
 画面の中で、入江は寝入っている琴子ちゃんを抱いてリビングを出て行った。
 で、ここでおしまいじゃないのが、おばさんのすごいところ!
 リビングのドアが閉まるや否や画面が揺れて『ふふふ……お兄ちゃんったら♪』というおばさんの呟きが入る。
 その瞬間、今、現実に俺の前にいる入江の額に血管が浮かんだ。
 もちろんそんなことで、映像は止まりはしない。
 どうやら手持ちに切り替わったらしく、人が歩く雰囲気で画面が小さく揺れて、入江の後を追うように場面が移る。
 階段を上がって――……ふーん、琴子ちゃんの部屋と入江の部屋って隣り合ってるのか。
 
「あ、相原さん……」

 峰岸が横で誰より食い入るように画面を見ている。
 お前、もしかしなくても琴子ちゃんのファンか?やめておいたほうがいいぞ、それは……。
 俺は夢中になってる峰岸の前で、絶対零度の視線で画面と峰岸を見比べている入江を見た。
 ああ、あいつの脳内では、今峰岸はどんなことになってるんだろう。 
 俺の想像ではフルボッコなんだが…。
 



 っと、そうこうしている間に入江が琴子ちゃんの部屋に入った。
 どうやら隙間から撮影しているらしく、映像は酷く狭い範囲を映し出している。
 部屋の中は暗くてよくわからなかった。
 ぎし…っという妄想を刺激する音がして、入江が琴子ちゃんをベッドらしき大きな影に下ろす。入江が屈んだことで窓から外の光が入ってきて、お姫さまみたいなベッドで眠る琴子ちゃんが少しだけ見えた。

『ちっ……まだカーテンも閉めてねぇのかよ』

 入江のそんな声がして、ジャッ!という雑な音と共に光が遮られる。
 まぁ、さ。
 前後の流れから、入江がカーテンを閉めただけってのはわかってるんだけど……どうも、なんていうか。
 平然と琴子ちゃんのベッドに足をかけてるところとか、そもそも平気で琴子ちゃんの部屋に入ってるところとかさ、俺としてはツッコミ所満載だ。
 しかも、ベッドの淵に足をかけただけの入江は腕を伸ばしてカーテンを閉めていて、シルエットだけ見ると、入江が琴子ちゃんの上に覆いかぶさろうとしているように見えなくも……ない。
 ああ、この続きはどうなってるんだろう!?
 俺はわくわくする気持ちを抑えられなかった。
 だって、入江と琴子ちゃんだぜ?
 なんだかんだ言っても切っても切れなくて、結局は入江がなにくれとなく相手をしているんだから、俺がこの二人の未来に明るいものを見てしまうのも仕方ないだろ?
 俺は他の三人と同じく、どんどん映像に引き寄せられて――――その時だった。

―――ブッ。

 急にテレビが暗くなる。
 何かと思えば、入江が主電源を落として仁王立ちしていた。

「いい加減にしてくれ!」
「んまー、何よいいところで。ここで止めるならもっと最初で止めなさいよ」
お袋

 入江の声が怒りに震えている。
 だけど……ああ、だけど! 
 入江、お前なんていいところで切るんだよ~!!!
 俺は心の中で親友に訴える。もちろん、一言たりと声には出さない。
 うーん、これはそろそろ帰り時かな?入江がこの様子じゃ、続きなんて見られないだろうし。
 それに親子喧嘩まで見るつもりはないし、このまま俺たちがここにいたら迷惑になりそうだ。
 帰ることを告げるタイミングを計る俺に、おばさんがにっこりと微笑んだ。

「ごめんなさいね、怒りっぽいお兄ちゃんで」
「いえ…」

 怒りっぽいとか、そういう言葉で片付けていいんだろうか…。

「さっき琴子ちゃんが入れてくれた珈琲がまだあるから、今お持ちするわね」

 入江は仏頂面でおばさんを見ている。っていうか睨んでる。
 俺たちはと言えば、いえもう帰ります、の一言が言えないまま、ずるずると居続けることになってしまったのだった。





次話で終わります♪


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~ Comment ~

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続きが観たい! 

更新有難うございます。
渡辺君の語り口調がとっても優しいくて穏やかな気持ちで読めていいですねえ。でもこれが他のA組男子だったら?彼らがビデオ映像の解説入れたら一体どんなことに?脳内まで青&ピンク(なんだそりゃ!笑)になってすっごく楽しいです~♪でもきっと直樹から仕返しされちゃいますね(笑)
紀子母にタジタジの高校生直樹に苦笑しつつ、琴子ちゃんを抱っこして運ぶ姿にはさらに萌え~♪いいですねえ。私もこのビデオの続きが観たい!うう、入江君なんで消したのよ!
寒い日が続きますがどうぞ風邪などひかれませんように。またお話しの続きを楽しみにしております。有難うございました。

こんにちは! 

更新ありがとうございます!
あ~ん、も~~っ!私もこのDVDの続きが見たかったのにぃ~(怒)入江の野郎、ブチ切りやがった!ったく~!
ママの言うように、どうせ消すんなら、最初の段階でだよねっ!
次話で最終回のようですが、渡辺くん以下3名… せっかく入江家に来て、みやげ話もソコソコできたけど、修学旅行で迷惑かけられた分きっちり取り返さないと!(笑)
最終話楽しみにしてま~す!

>あやみくママ様 

>あやみくママ様

お弁当作りお疲れ様です!ほんと、毎日面倒…とか言っちゃ駄目なのわかってるけど、だーれも「いつもありがとう」なんて言ってくれないから(うちだけ?)日に日に面倒だなぁって気になることの1つですよね(笑)。

娘3人、やっぱりそうなんですね!琴子ちゃんの「入江くんがいい」っていうのがまた可愛い…!入江くんも、3対1なんだから無駄な抵抗はやめればいいのに…とコメを拝見しながら思ってしまいました。ふふふ。
琴子ちゃんいなかったら、入江くんは人づきあいも苦手なまま、夢も特にないまま……一見すると完璧な人生に見えて、その実中身のない人生になっちゃうんですねぇ。「偏屈じーさん」な姿にまた違和感がないのが彼らしい!?

>ひろりん様 

>ひろりん様

渡辺くんって、絶妙なバランス感覚持ってますよね♪
本当に助かります。A組、もしくはF組が解説を入れたら……青とピンクで、紫な感じになりそうですよね。
人の秘密とかって、学力に関係なく大抵興味あるもんだと思いますし。ましてそれが、気軽に首を突っ込めるみんなが大注目のイリコトとなればなおのこと(笑)。
ビデオの続きは、皆様の心の中で♪結婚後なら、間違いなくイヤンウフンな展開だったと思われますが、青い入江くんなので…どうでしょうね(笑)。

ひろりん様もお風邪など召されませんよう。さっき、ちょっと換気~と窓を開けたらとんでもない北風が入ってきて、1分も経たずに窓を閉めました(^^;
油断したら体調崩してしまいますね、これは…。

>あけみ様 

>あけみ様

あはは、ぜひぜひこの続きはあけみ様の脳内で♪
恐らくマスターディスクはママが死守したと思いますが、入江くんは破壊する勢いだったと思われます(笑)。

この三人は大魔神の前では塵のように無力な三人ですので、いかに親友の渡辺くんがいるとはいっても、終始やられっぱなし、当てられっぱなしで帰ることになる可能性が高いです(笑)。すごいですよ、天才だから!(なんだそれ)

>mama様 

>mama様

仏心でも出たのか、少し付き合ってやろうとでも思ったのか……その油断がこんなことに(笑)
入江くんも、まだまだママ対策に隙があるようです。きっとこういう経験を重ねることで、大学時代には先回りできるほどの対応ができるようになるのではないかと♪

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

イリコト成立のためならえんやこら(笑)。当の入江くんなんて蚊帳の外ですよね。そこがママのパワーのすごいところで、私の大好きなところでもあります♪
この頃の入江くんはママにも琴子ちゃんにも振り回されて、青さ全開で可愛く見えるくらいがいいなぁと思っております(^^)
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