*初恋*

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 入江さん家が大変だ!-疑惑再び- 甘えん坊ダーリン
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「二次創作」
短編

えげつない男

 
 入江さん家が大変だ!-疑惑再び- 甘えん坊ダーリン
えげつない男


※啓太視点で進みます。
短めです。しかも、何故この季節?というお話ですいません!(汗)






 俺の前を琴子が歩いていく。
 学食のテラス席に座ってそのことに気付いた俺は、ぼんやりとついた肘に顎を乗せた。
 あー……辛いな。
 あんなに大勢の前で振られて、その後あいつ本人から入江への気持ちを聞いたってのに。俺も大概諦めが悪いよな。
 わかってるけど、マジだったんだ。
 人妻だってわかってても好きで、俺が幸せにしてやるってマジで考えてた。
 不倫とか、そうした関係に憧れたり、そんな女を好きになった自分に酔ってたとは思わない。
 実際あの時の琴子は追い詰められていたし(俺のせいだったわけだけど)、あいつをそんな風に悲しませたのは入江だしな。
 俺がそう思うのはおかしなことじゃなかったはず……なんだけど。

「入江く~ん!」

 遠くに入江の姿を見つけた琴子が、嬉しそうに走って行く。
 あんな姿を見ると、負けたって思うんだよな。
 俺は確かに琴子を泣かさない。それは、あいつが俺に特別な気持ちを抱いてないから、俺の態度で泣いたりする必要がないからだ。
 当然、あんな笑顔を引き出すこともできない。
 琴子の感情は、入江が関わると爆発的にいいもんに変わるんだって、知っちゃったんだよな。





 はあ…。
 いくつになっても、失恋ってのは痛いぜ。





 と、繊細な俺がセンチな気分に浸っているというのに。
 
「よぉ」

 俺の頭上が陰ったかと思って見上げれば、そこには腕に琴子を張りつかせた入江が立っていた。
 直後というほどではないにせよ、まだ俺と入江の間には壁がある。
 琴子もそれがわかっているからか、入江と俺を不安そうに見比べていた。

「何か用か?」
「は?別に俺は用なんて何も……」
「そうか?俺たちの方を見てたから、てっきり用があるのかと思ったけど」

 入江はそう言って、くっと口角を上げる。 
 ……あったとしても、今のお前に言う気はしないな。そう思うような、皮肉げな顔だ。
 本当に、入江って男は…。

「お前って、イイ性格してるって言われないか?」
「け、啓太……」

 じろっと睨みつけた俺を、琴子が慌てて諌める。余計なことを言うな、と小さな全身から訴えていた。
 それはわかったけど、どうにも一言言わずにはいられない。
 琴子が入江のことをすごく好きで、入江もそうだってわかったけど!
 だからって何も、ついこの間までライバルだった男をさらに沈めに来なくたっていいだろ!?
 ああもう、何か一言言ってやりてぇ!!

「俺は時々、純真無垢な琴子をお前が騙してるんじゃなかって気すらするね」

 ぴしっという音が聞こえたのは、気のせいか。
 見れば琴子が小さく息を呑み、ぎゅっと入江の袖を握っている。入江はと言えば、にやりと笑ったままだった。
 どうやら俺は相手にされてないらしい。

「琴子が純真無垢?」
「ああ」

 いつだって笑顔で頑張ってさ。人の二倍でも三倍でも、なんてことないって顔で努力するんだ。
 それを悲壮そうには見せないで、必要なことだからって笑って見せる。
 心意気だけならナイチンゲールそのものだって俺は思うけど。
 だけど、入江はくっくっと喉を鳴らすと、ぐいっと琴子の体を強引に自分に向けた。そして。

「……んっ!?」

 き、キスしやがった!!!!
 琴子が慌てて入江の体をバンバン叩くけど、効果なんてありゃしない。
 背の高い入江に伸し掛かられるようにキスされて、琴子の首は90度近く曲がっている。

「ふっ……ん、ぅ…」

 耐えきれなくなったのか、琴子が入江の体を叩くのをやめて縋り付くように腕を回した。
 その頃にはギャラリーも増えて、周囲は黒山の人だかりだ。

「いり、えく……」
「続きは帰ってからな。もっとうまいもん咥えさせてやるよ」
「ふぇ……」

 入江が琴子を抱き寄せる。
 琴子は目を白黒させながらも、小さく頷いた。
 琴子が頷いたことで満足したのか、入江が俺へと視線を移す。

「って感じに、すっかり色々知ってる大人の女だけど?純真無垢って言えるのか?」
「い、入江……てめぇ!」

 カッとなって立ち上がる俺を、入江は余裕綽綽で見返してくる。
 そして、ゆったりと野次馬達を見た。
 その顔には、琴子は俺のだと主張する意思がはっきりと見て取れる。
 相変わらず言葉にはしていないけど、こんなわかりやすすぎることないだろ!?
 入江は腰砕けになったらしい琴子を支えると、ひらひらと手を振って歩き出した。
 途端に、野次馬達の波がざっと二つに割れる。
 映画「十/戒」さながらだ。
 入江……お前は何なんだよ!!







「ははぁ……そりゃまた、すごい釘を刺されたもんねぇ」

 俺は看護学部に駆け込むと、幹を掴まえて経った今あったことを洗いざらい吐き出していた。
 全てを聞き終えた幹が、呆れたようにそう言う。

「えげつなさすぎだろ!?」
「でも、すごいわよね。アンタだけじゃなく、他にも琴子のことを可愛いなーとか、ちょっといいなーって思ってるお馬鹿な男たちをまとめて牽制したのよ。さすがね」
「お前は……入江のすることなら、なんでもさすがなのか」
「そりゃそうよ。ファンクラブ会長ですもの」

 サクッと言い切られた瞬間、俺の脳裏でチーン…という鐘の音が鳴った。 
 お、俺の味方はいないのか!?
 がっくりと項垂れる俺に、ブリックパックをちゅーっと飲んでいた幹が何かを渡す。
 白くて小さい……消しゴム?

「何だよこれ」
「琴子がこの前教室に忘れてった消しゴム。アンタなら欲しいかと思って」
「いらねぇよ!!」
「そう?お似合いだと思ったんだけど」

 琴子の忘れた消しゴムを持って、ニヤニヤ、はぁはぁするのがお似合いだとでも?
 俺はすっかり角が取れて丸くなった消しゴムを前に、再び脳内でチーンと鐘の音が鳴るのを聞いたのだった…。



END






というわけで、えげつない釘のさし方をする入江くんでございました~。

啓太視点は初めてかと思います。彼に関しては、琴子は入江くんのものなんだから横恋慕したって無駄よ!と思いながらも、やっぱりあの振られ方は可哀想よねぇ、とも思ったり。
秋子ちゃんと出会うまで、啓太には修行の時ですよね(^^;
あのエピは琴子ちゃんが可哀想で見てられない反面、仲直り後はラブラブに拍車がかかってそうな妄想も浮かぶので、やっぱり好きかな~って思います。


 
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~ Comment ~

こんにちは! 

更新ありがとうございます!
確かに、この上なくえげつないですね(笑)
傷口に塩盛ってすり込んで、さらに熱湯で洗い流すみたいな・・・? 汗
だけど、不思議と啓太が可哀想と思わない私は、入江以上に「鬼」かもしれません(笑)
「続きは帰ってからなっ」・・・明らかに純真無垢とは言えない大人風味に乱れた琴子を妄想する啓太を想像すると・・・ちと哀れか・・・しかも小さくなった琴子の白い消しゴムがおかずかよっ(笑)
哀れ男をとことん惨めにさせるお話で大笑いしちゃってごめんなさ~い(笑)

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>あけみ様 

>あけみ様

えげつないっス、入江くん!(笑)
そんな入江くんに狙われてるのに、何故か同情を買えない啓太……やっぱり、入江くんのものと承知で手出ししたのは根深いんでしょうか(^m^)
でもでも、啓太も好きなんですよ~♪この弄られっぷり、啓太とガッキーにしか出せない味だと思っております!
いつか秋子ちゃんが幸せにしてくれるまで、頑張れ啓太!!

>ちぇるしい様 

>ちぇるしい様

不憫よのぅ……ふふふ、となっていただけたら狙い通り☆
…酷いファンですよねぇ(笑)
入江くんのこっち方面の羞恥心は、全てママのお腹に残して裕樹くんが持っていてくれています。ですので、彼自身はしれっとしてますって♪個人的には、これに関してだけは琴子ちゃんの方が常識人だったりすると面白いな、なんて思ってるんです~(^^)

お風邪、その後いかがですか?鼻とか咳とかだけ残ってるとかも辛いですよね。
また明日も寒いようですので、無理なさらずご自愛くださいませ!

>ちぃ様 

>ちぃ様

そう、そこが入江くんの素敵なところっ(笑)
どんな傷を負っていても平気で荒塩を塗りこむような入江くん……そんな彼の親友の第一はもちろん渡辺さんですが、腐れ縁的位置づけで金ちゃんや啓太がいるといいな、と思います(^^)
入江くんも啓太の熱血は認めていそうですよね♪

私も啓太とモトちゃんの仲良し度、好きです!いいですよね♪
秋子ちゃんがいつか誤解しちゃったりしたら面白い、なんて思うのは酷いでしょうか(^^;

>まぁに様 

>まぁに様

ふふっ、すごい名前が並んで思わず笑いが……(笑)入江くん、恐るべし!!
でも、そうそう!そんな入江くんが琴子ちゃんは大好きなんですよね♪ああもう、可愛いったら!!
入江くんがわかりいくいけど、実はちゃーんと琴子ちゃんを大好きなのが、わかる気がしますよね♪
ドラキュラよろしく啓太の胸にはぶっとい杭が打ちこまれてしまいましたが、多分まだ灰にはなっておりません。秋子ちゃん、間に合うか!?

寝返りもですが、仰向けで寝るのが無理になってきました(^^;
仕方ないので、変な形の抱き枕を抱えて寝ています。本当は、ワンコを抱っこしながら寝るのが一番なんですが、ここで犬まで飼ったら世話で倒れるので、抱き枕で我慢!
あと少しで暖かくなりますよね。皆様と一緒にその日を待ちたいと思います♪

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>ema様 

>ema様

そう言っていただけると嬉しいです♪
釘をさすというより杭をさす感じで、啓太はもう灰になる寸前かと思われます(^^;
ぜひぜひ、そんな彼をema様の脳内で救済してあげてくださいませ!

妊婦生活もようやくクライマックスです~(^^)
私も今まさに逆子なんです(笑)膀胱直撃キック、効きますよね……頻尿ってこういうことか?というくらいトイレに通ってます(汗)。
そそそ、それで…、あ、安産祈願!?そ、そんな素敵なものを頂けるのですか……!?
っきゃ~~~!!!!!妊娠してよかった!!(笑)
明日、関東の片隅でお天道様に感謝しつつ、楽しみにさせていただきます~(>▽<)//
(図々しくて申し訳ありません!^^;)

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>杜乃様 

>杜乃様

入江くんはそう言った面でも感じるはずの羞恥心を、ママのお腹に忘れてきているいいな~、なんて思っているせいか、今回も羞恥心などどこかにふっ飛ばして周囲に釘をさしてくれました(笑)。
そうなんですよね、琴子ちゃん狙いの男だけではなく、入江くんを狙う女にも「俺は琴子しかいらない」と言ってるようなものなんですよね♪
杜乃様の拍手に、入江くんはきっとニヤリとしていると思います。

青い入江に続き、黒い入江…(笑)。
それはそれで美味しい響き、なんて思ってしまいました♪入江くんに新たな色、ありがとうございます!
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