*初恋*

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「バカップル」
バカップルライフ

バカップルに遭遇してドッキドキ☆

 
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バカップルに遭遇してドッキドキ☆

オマケのおまけの、馬鹿話です。
お心に余裕のある方のみ、先にお進みください。
「バカップルを読んだ女」「バカップルの裏ページでドッキドキ☆」の続編です。






 キューピッドNが運営する裏ページを見て、新たな世界を知ってしまった大泉沙穂子。
 奥手な彼女にはかなりの衝撃で、世の中の男女を見る目が変わってしまったくらいだ。
 あのカップルもあんなことをしているのかしら、とか、あの夫婦も実はあんなことをして…という具合である。
 初めて保健体育の授業で性行為を知って、世の中の男女が全て不潔に見える小学校高学年女子のような反応を(今さら)示してしまう、ちょっと潔癖症なきらいのある沙穂子であった。


 しかし、神さまというのはちょっとイタズラがお好きらしい。
 デパートで冬物の新作を、とショッピングを楽しんでいた沙穂子の目に、かつての婚約者候補と、その彼女が歩いてきたのである。
 どうやら、沙穂子の見るブランドは琴子の好みではないらしく、二人は少し離れた店を覗きこんでいた。
 
「入江くん、どっちがいいと思う?」
「どっちでも」
「っもう、投げやりなんだから!」

 あからさまに興味がないという顔をしている直樹だが、どっちも似合うから好きにしろ、という意味にも取れる。
 そう思ってしまうのは、キューピッドNのお話を読んだからだろうか。
 一向に素直になる気配のない“直樹”の腹の内は、表面上からは窺い知れないほど“琴子”一色だったのだ。
 沙穂子は少し離れたところから二人を見つめ、そんなことを思った。
 そのうち、琴子の視線がふっと移る。今度は下着売り場のようだ。
 
(あ……まさか!)

 沙穂子は顔を強張らせた。
 その途中、沙穂子の目と琴子の目が合う。
 琴子は驚いたようで、零れ落ちそうなほど目を見開くと、直樹の服をつんつんと引っ張った。
 それで、直樹もまた沙穂子の存在に気付く。
 このまま視線を逸らしたり、無視するのはあまりに不自然だ。それに、マナーにも反する。
 沙穂子は覚悟を決めると、にっこりと笑って二人に近づいた。

「ごきげんよう。直樹さん、琴子さん」
「こんにちは」
「こ、こんにちは…」

 澄ました顔の直樹と、どこか緊張した面持ちの琴子。
 二人は、かつて悲しませてしまった沙穂子に思いがけず体面したことでそのような顔になっているのだが、生憎、すでに初恋など過去のものとなった沙穂子は違った風に受け取っていた。
 緊張から頬を染める琴子を見つめ、ああ…と呻く。

「琴子さん、もしかして今日も下着を…?」
「…はい?」
「そうなのね?だから先ほどから、下着売り場を見ていらしたんでしょう?」
「え、え?」

 沙穂子は琴子の手をしっかと握った。そして、じろっと直樹を見る。
 うっとりと自分を見上げる沙穂子は知っていても、こんな風に睨まれたことは過去一度もない直樹は、さすがに眉を顰めた。
 一体、自分が何をしたというか。
 再会してから1分足らず。沙穂子に睨まれる覚えはない。

「直樹さん、女性の体はデリケートなんです。ご自分の快楽のために無理強いをなさるのはよろしくありませんわ」
「……失礼ですが、何をおっしゃっているのかよく…」
「ご自分の胸に手を当てればおわかりなのでは?可哀想な琴子さん……今日はお道具は?」

 ど、道具?と琴子が鸚鵡返しに呟く。直樹の眉間が、ぴくっと引き攣った。

「直樹さん、スイッチをお持ちでしたら切ってさしあげてください。それから、下着をお返しして。琴子さん、真っ赤ですわ」
「ですから、何をおっしゃっているのかわかりませんが」

 淡々と言い切る直樹に、沙穂子は「まぁっ」と声を上げた。
 すでに初恋の君は、変態の君と化している。頬を赤く染める琴子が不憫でならず、沙穂子は良心からついつい声が大きくなってしまった。

「直樹さんが取り上げた琴子さんの下着をお返しして、入れたままにさせているお道具を取ってさしあげて、と言っているんです!」

 あまりにあまりな内容に、行き交う人々がぎょっとして三人を見る。
 さすがの琴子も、ここまでくれば沙穂子が何を言っているのかわかったらしい。
 あわわ…と口に手を当て、茹蛸のように赤くなって直樹の腕にしがみ付いた。どうやら、公衆の面前に顔を晒していられなかったらしい。
 直樹が盛大なため息をついた。

「何か誤解していらっしゃるようですね。琴子はちゃんと下着をつけていますし、俺はそんなことをしていません」
「嘘はよくないわ、直樹さん」

 沙穂子は取りつく島もない。端から直樹の言葉を嘘と決めつけ、琴子にたっぷり同情していた。
 さすがの直樹も、過去、自分がしでかしたことから彼女を悲しませたという罪悪感も忘れて、盛大に顔を引き攣らせる。
 沙穂子は再び琴子の手を取ると、じっと琴子の目を見つめた。

「あの頃は何も知らなくて、直樹さんのような特殊な性癖をお持ちの方は、琴子さんしかお相手ができないとわからなかったんです。でも、今は違うわ」
「と、特殊な性癖…!?」
「ええ。SMだの羞恥プレイだの……私、もう知ってます。琴子さんでなかったら耐えられないわ。私には無理だもの。直樹さんには琴子さんしかいないんです」

 それは、褒めているのか扱き下ろしているのか。
 琴子はぽかん…と口を開けたまま、何も言い返せない。それを良い事に、沙穂子はさらに言い募った。

「琴子さんが直樹さんを好きでいてくれて本当によかった。今は感謝しています。だからどうか、直樹さんがあんまり無理をおっしゃった時は私に相談してください。時々は体を休めたいということでしたら、大泉の別荘をお貸しするわ」
「さ、沙穂子さん……」
「大丈夫。おじい様にはすでに事情をお話してあります。是非あなたの力になってあげなさいって、おじい様も仰ってくださっていますの」
「え゛っ…か、会長もご存知なんですか!?」
「ええ。そういうことなら仕方なかったと、今では私と同様、琴子さんに感謝しているの」

 琴子からすると、沙穂子がなぜこうも自分に好意的なのか全くわからない。
 しかも、言ってる内容の8割方ズレている上に、話がとんでもないところまで飛んでいるようである。
 琴子は、隣に立つ直樹から怒りのオーラが吹き出ようとしているのを感じ取っていた。ギリギリ吹き出ないのは、相手が沙穂子だからだろう。
 
「私はあなたの味方よ」

 沙穂子はそう言うと、最後にぎゅっと強く琴子の手を握った。
 そして、言いたいことを言って満足したのか、沙穂子はふっと表情を緩ませる。
 その表情に迷いはなく、直樹への思慕など微塵も感じられなかった。初恋だったんです、とうっとりとしていた沙穂子しか知らない琴子からすると、別人にすら見える。
 沙穂子はその後も二言、三言見当違いのことを言うと、沙穂子は最後にもう一度

「女性の体は繊細なんです。よくよく、お心に留め置いてくださいね」

 そう捨て台詞を吐いて去って行った。
 残された琴子は、横に立つ大魔神と化した夫と周囲から突き刺さる視線に居た堪れず、更にぎゅうっと直樹の腕にしがみついた。

「……帰るぞ」

 低い低い直樹の声に、首振り人形のように頷く。
 この状況で買い物を続けられるほど、琴子の心臓は強くはない。
 結局、欲しかったものは何一つ買えないまま帰路につくのであった。






 しかし、琴子の受難はこれで終わりではない。
 帰ってから、再び大魔神vsアナコンダの羞恥心知らずの壮絶な親子喧嘩が始まったのである。
 直樹からすれば、デパートなどという公共の場で恥をかく原因を作った元凶がいるのだから、噛みつかない理由がないのだが。
 またそれを、家人の居並ぶリビングでやられたものだから、逃げ損ねた琴子はこれまたある種の羞恥プレイのような状況に追い込まれたのだ。




 沙穂子とは違う意味でドッキドキな状況に追い込まれる琴子。
 これでも、夫にも姑にも愛されまくっているのである。
 ……本当に。




END
 




色んな人がドッキドキなお話でした。
これが〆……(笑)
入江くんもママも、琴子ちゃんが可愛くて仕方ないんです。これは絶対!
可愛くてついつい可愛がり過ぎてしまう入江くんと、そんな夫婦を広めることで、二人の仲を引き裂く馬鹿者たちを駆除したいママ。もれなく巻き込まれる琴子ちゃん。
沙穂子さんも、もう二度と彼らには関わらないだろうな。そうだといいな、という願いをこめて。


一周年記念は、ただ今プロットねりねり中です♪
忘れないうちに書き上げたいのですが、今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m
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~ Comment ~

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直樹もお嬢も撃退! 

面白い~♪途中から大爆笑して読んでました~。直樹がデパートで公衆の面前でわなわな震えてる姿が目に浮かぶ!もしかすると、あの時一瞬でも沙穂子さんを選ぼうとしてしまった天罰がここで下されたのかも(笑)ざまーみろ!です。
沙穂子さんもこういう形で撃退できるのねえ、凄く勉強になりました(笑)苛めるだけが能じゃないですものね。さすがmiyaco様、奥が深いです。
まあ、今回も一番の被害者はきっと琴子ちゃんでしょうけど(笑)うふふ。頑張ってね~♪
1周年記念のお話しも準備して下さってるのですね。楽しみにお待ちしています。有難うございました。

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>babaちゃま様 

>babaちゃま様

あはは、babaちゃま様が関西弁に(笑)!!
お嬢様は周囲に人がいてお仕えしているのが当然なので(!?)あまり気にしないのです、うん。って、それじゃお姫様ですが(^^;
シリアスな別離も好きですが、せっかくバカップルシリーズなので阿呆みたいな別離を選択させていただきました☆

>ひろりん様 

>ひろりん様

公衆の面前で、というのはママで大分耐性がついたはずなんですが、まさかの沙穂子さんからの攻撃ですよね(^^;
でもこれで、彼女が一切自分を引きずっていないとわかってホッとしたのではないかと♪
シリアスに撃退するのも大好物なのですが、せっかくバカップルに関わったのだから、と阿呆みたいな終焉を迎えていただきました(^m^)
最終的には琴子ちゃんなんですよね、入江くんのなんていうか、色々全部を受け止めるのって(笑)
が、頑張れ琴子ちゃん~!!

>ちぇるしぃ様 

>ちぇるしぃ様

経済界にも鳴り響く、パンダイご子息の愛妻家っぷりですよ(笑)
子供向け玩具会社なので、家族思いなのはプラスなはず!!(ほんとか?)

そうなんですよね、愛されてるのは幸せだけど、時には見えないところでお願いします、という気分なんだと思います。もう古くなっちゃいましたが、琴子ちゃんのイメージは子猫っていうより子犬で…それも、某消費者金融のウルウルな目の子犬ちゃんなんです。そのせいか、今回もそれが似合うハメになってしまって(笑)。

こちらこそ、ありがとうございました♪

>るんるん様 

>るんるん様

ああっ、そんなことがあったら……入江くんは堂々としてそうですが、間違いなく琴子ちゃんと裕樹君たちは表を歩けなくなりそうですね(笑)ぷぷっ、想像したら笑えてきました(^m^)
アナコンダvs大魔神の戦いは、とてもではありませんがご近所には聞かせられないくらい赤裸々だと思います。
そんなのを聞かされた入江家の男たち…特に思春期の裕樹くんは、たまったもんじゃないですよね(笑)。

>まぁに様 

>まぁに様

ありがとうございます、無事終わりました~☆
入れ子式箱入り娘……なんてぴったりな表現!うんうん、と頷いてしまいました。
今まで蝶よ花よで育てられた分、純粋なんでしょうねぇ。キューピッドNのお話を鵜呑みにして、みーちゃん顔負けの爆弾娘になりました(笑)。
もし彼女がひょっこり登場するなら……それはそれは、面白いことになりそうですね。なんせこのお話のお蔭で、沙穂子さんは入江くんに恋心がなく、むしろ琴子ちゃんの味方というポジションになりましたから♪

また何か浮かんだらアップしますので、よろしくお願いいたします(^^)

>ちぃ様 

>ちぃ様

ああいうタイプは、思いこんだら激しいのかな、と。ある意味ピュアなだけに、キューピッドN情報が全てになったようです(笑)。入江くんが変態さんなのは構いませんが(いいんかい!)琴子ちゃんがそれに付き合っていると思われるのが、また彼女の子犬っぷりに拍車をかけるようで、入江くんは堪らないかと♪
大魔神とアナコンダの戦いは、とてもではないですがお見せできませぬ…(笑)
二人とも羞恥心なんてどっかにぶっ飛ばしておりますからね、ええ(^^;

>瑠夏様 

>瑠夏様

ああっ、ようやく寝た子を起こしてしまうところだったなんて……なんて罪深い沙穂子さん(笑)!…って、あれ、違うか。

このシリーズでは、沙穂子さんはすっかり思い込みの激しいおかしなお嬢様となってしまいました(笑)。
思い込みの激しさは原作のままですが、入江くんへの恋心なんて微塵も残っちゃおりません。その証拠を見せられたお蔭で苦労する琴子ちゃん……瑠夏様、よくわかっていらっしゃる!
そしてまたネタになる二人。ものすごい無限ループですよね♪

>ひまわり様 

>ひまわり様

どんな顔して会長に言ったんでしょうね。さめざめとって言うよりは、ものすごーく冷静に「おじい様、私が何もわかってなかったんですわ」とか言ってバラしたんでしょうか。
で、またなんてネタをさりげな~~く置いていくとですか~!
妄想を刺激されて、ウズウズしております(笑)
次は不幸な入江家の男たちを書こうと思っていたのに……ひまわり様、今回のもちょっとネタ帳にメモらせてくださいませ!お願いします~!

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

えへ、さり気なく仕込んだ私の沙穂子さん苦手意識に気付かれましたね!そうなんです、沙穂子さんを決して良くは書いてないんですよ~。
○入江くんが野獣化するのは琴子にだけ。間違っても沙穂子さんではそうならないことに気付いていない
○可愛そうな琴子さんの力になりたいわ!と見せつつ迷惑になっていることに気付かない鈍さ
この2つで、沙穂子さんが自分の世界に酔っているのを出しております♪

まぁ、何にしても琴子ちゃんは入江くんに大事に大事に愛しまれているので、宇宙戦争(これまたぴったり・笑!)があろうとなかろうと、その夜は濃厚な夜だったと思われますがね(笑)。

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>ひまわり様 

>ひまわり様

いえいえ、ありがたいです♪ああしたら、こうなったら…さらにそう考えていただけるなんて、すっごく幸せなんですよ~!
お許しもいただけたことですし、一周年記念の後に妄想してみたいと思います。ありがとうございました(^^)/

>REE様 

>REE様

お疲れ様でした~!
沙穂子さん、何も知らなかった分真綿のように吸いこんでしまったようです(笑)
もう世界が穢れて見えたことでしょうね……キューピッドN、罪なお人です。ぷぷっ。
きっと会長とは、こんな会話があったと思われます。

沙穂子「おじい様……私、完全に直樹さんのこと、吹っ切れました」
会長「どうしたね、いきなり」
沙穂子「もう明らかにあのお二人だと思われる登場人物の出てくるお話を読んだんです。ベストセラーで……」
会長「ほう?」
沙穂子「出版されている分は普通なんですけれど、その作者がネットで発表しているものには、際どいものもあって……そこで、直樹さんったら実はものすごい変態だったことがわかったんです!」
会長「なんと!」
沙穂子「縛ったり、いやらしいお道具を使ったり、外だの人前だの、痴漢プレイだの……とてもではないですが、私はついていけませんわ。琴子さんでなくては!」
会長「しかし…それはあのお嬢さんも大変だな……。直樹くん、そうか……天才ともなると、やはり凡人とは違った趣味、性癖があるものなのか…」
沙穂子「私、普通の方がいいですわ。頭も性癖も」
会長「わかった、覚えておこう」

とかね☆いかがでしょう!?(←駄目だろ)
赤裸々親子喧嘩、想像したら際どいこと際どいこと!ここじゃ発表できません(笑)!!あれですよ、ピー音だらけで視聴者から顰蹙買うパターンですよ。
お言葉に甘えて、ゆっくり創作させていただいております。でも更新はやめませんので、ぜひまた遊びにいらしてくださいませ♪

>りりぃ様 

>りりぃ様

確かに(笑)汚い言葉も怖いですが、綺麗な言葉過ぎても嫌ですよね!しかも笑顔ですよ、半分くらいは。
沙穂子さんを傷つけた代償として、変態のレッテル……ぷぷっ!高くついたんだか、安くついたんだか!?

近日中に一周年記念えろを、と思っておりますので、よろしくお願いいたします♪
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