*初恋*

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 バカップルの出産模様 一回分の…?
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「二次創作」
青い入江

二人乗り

 
 バカップルの出産模様 一回分の…?

久々の青い入江くんです♪







 琴子にはそそっかしい、という言葉がよく似合う。
 なんでもない場所で躓く、コケる。そんなのは日常茶飯事だ。
 それでいて階段などはよく落ちてこないと思うほどのバランス感覚で上り下りしていて、直樹などはどうしてそうなるんだ、と半ば呆れていた。

(あいつ、いつか階段から落ちるだろうな)

 直樹のそんな呆れは、予感とも言えたのかもしれない。





                                     *************




「琴子ぉ~~~、わしが、わしがおったのにお前に怪我させてまうなんて、わしはなんっちゅー情けない男なんや!」

 おいおいと大袈裟に嘆く金之助の前で、琴子が困ったように丸椅子に座っていた。
 じん子と理美にぐいぐいと背中を押された直樹は、うんざりした顔で保健室の入り口からその光景を眺めている。
 安っぽい芝居を見せられているようだ、と思っていた。
 帰ろうとしていた直樹を何とか掴まえて、これまたもの凄い説得と強引な理論でここまで連れてきたはいいものの、ちっとも中に入ろうとしない直樹に痺れを切らせた理美が、琴子!と声を上げる。

「ほら、連れてきたよ!」

 その声に、琴子がぱぁっと顔を輝かせた。

「入江くんっ」

 先ほどまでの困惑はどこへやら、今はすっかり笑顔になった琴子の足には、しっかりと包帯が巻かれていた。
 校医が待ってましたとばかりに直樹に言った。

「階段から落ちそうになったそうよ。多分捻挫だけど、病院で診てもらって」

 白い肌に巻かれた更に白い包帯を見て、直樹は僅かに眉を顰める。
 いつかやるだろうとは思っていたが……というところだろう。
 琴子は言われなくても直樹の目がそう言っているのがわかり、えへへ、と誤魔化し笑いを浮かべる。

「不思議なこともあるもんよね」
「ちっとも不思議じゃねぇ」

 これ見よがしなため息をついた直樹に噛みついたのは、金之助だった。
 彼からすれば、琴子の世話は自分の役目。いくら琴子が3年間思い続けているとはいえ、ぽっと出の直樹にその役目を奪われては堪らない。
 金之助は琴子と直樹の間にずいっと身を割り込ませると、直樹を睨み付けた。
 そして、普段はどうでもいいと思っているくせに、こうしてあからさまに妨害されると生来の負けん気が出てきてしまうのが直樹であった。
 身長差を利用して、金之助を見下ろす。負けじと金之助も胸を逸らせて直樹をさらに睨んだ。

「琴子はわしが病院に連れてく。お前なんぞに任せたら、琴子はいらん怪我してまうわ」
「へぇ?俺は別にそれでもいいけど…」

 ちら、と直樹は琴子を見た。
 琴子は目をうるうるさせて、首を横に振っている。金之助では嫌だと訴えているのが、その大きな目からよくわかった。
 思わず口角を上げて、直樹は目を細める。

「お前はどうしたい?」
「入江くんがいい!」

 直樹の問いに即答した琴子に、金之助はがっくりと項垂れた。
 恋する乙女は、なかなか残酷である。
 
「だってさ」
「こ、琴子ぉ~~~…」

 だぁ~っと涙を流す金之助を置いて、琴子はぴょこっと立ち上がって直樹のところへ向かった。
 ぴょこぴょこ、と何とも覚束ない足取りだ。

「お前、歩けんの?」
「うん。大丈夫、何とかなるよ」
「また転んだら洒落になんねーぞ」
「うっ……」

 自分でもそこは自信がなかったのだろう。でも、と言ったきり困り果てて、直樹を見上げる。
 直樹は自分の鞄を琴子に渡すと、ひょいっと抱き上げた。

「重っ」
「うそ!?お、重くないもんっ」
「あー、重てぇ。手首が折れそうだ」
「うわーん、入江くんのいじわるーっっ」

 そう喚きながらも、琴子は直樹の腕の中でおとなしくしていた。下手に暴れたら本気で落とされる、とここまでの付き合いでわかっているのだ。
 直樹は重い重いと言いながら、衆目を物ともせずに靴箱に向かってと歩いていく。
 その彼らに、丁度階段を下りてきたらしい渡辺が声をかけた。
 どうやら、理美達に連れ去られる際の騒ぎを聞きつけたらしく、探してくれていたようだ。
 
「おーい、入江!」

 その手には、銀色に光るものを持っている。
 足を止めた直樹のところまで来ると、渡辺は琴子の手に銀色のそれを渡した。

「そのまま帰るんじゃ大変だろ?俺のチャリ、貸してやるよ。黒のママチャリ、わかるよな?」
「お前はどうすんだよ」
「俺は別に、どうとでもなるし。家にもう一台あるから、治ったら返してくれればいいからさ」

 あくまで善意だろう、というのはわかっている。
 わかっているのだが、その笑顔にからかいの色が滲んでいるのは否定できない。
 直樹は僅かに眉を寄せたが、腕の中の琴子が素直にお礼を言ってしまっていた。

「ありがとう、渡辺さん。渡辺さんって本当に優しいね!」
「いやぁ、それほどでも」

 えへへ、ふふふ。
 腕の中でこれまた安い青春ドラマのようなやり取りをされるのが面白くなくて、直樹はわざと乱暴に琴子を抱え直した。

「きゃあっ」

 鞄は落としそうになるわ、そもそも自分が落ちそうになるわとなった琴子が、さすがに悲鳴を上げる。
 
「入江くん!急にやめてよ!」
「うるせぇ!重たいって言ってるだろ!」
「そんなに乱暴にしたら、パンツ見えちゃうじゃない!」
「お前のクマパンツなんて誰も興味ねーよ!」

 そんな会話をしながら遠ざかる二人を、渡辺は呆気に取られて見送った。
 なんで入江が琴子ちゃんのパンツを知ってるんだよ、という彼の呟きは、その場に居合わせた全員の心の声と言えただろう……。




                                      ****************




 渡辺の自転車の荷台に琴子を座らせ、直樹はガシャッと音を立てて自転車を漕ぎ出した。
 学校を出て少し行くと、坂道である。
 前カゴに二人分の鞄を入れた直樹は、ぐんっとスピードを出した。

「入江くん、スピード出しすぎっ」
「落ちんなよ」

 荷台に横座りになった琴子は、若干顔を引き攣らせながら直樹の背中にしがみ付く。
 きゃ~、と間抜けな声を上げる琴子を、すれ違う生徒たちが驚いた顔で見送った。いや、見送ったのは琴子だけではなく、自転車を漕ぐ直樹のこともだ。
 なんだかんだ言って一緒にいるんじゃないか、という感じだろうか。
 呑気な琴子はそんな風に自分たちが見られているなどと思いもせず、この状況に頬を緩ませていた。
 自転車に二人乗りなんて、いかにもカップルじゃないか!と。それも、学校帰りというシチュエーションがまた美味しい。
 まるで漫画の中の出来事みたいだ、と琴子は直樹の背中に頬を寄せながら妄想に羽ばたこうとして―――。

「おい、気持ち悪ぃこと考えんなよ」

 案の定、何故か察した直樹に現実に引き戻された。
 坂道を下りきって、普通のスピードになった自転車の荷台で、琴子がぷくっと頬を膨らませる。

「気持ち悪いことなんて考えてないもん」
「どーだか」

 直樹は言いながら、ハンドルを切った。病院のある繁華街へと向かう道から逸れて、自宅へと続く道である。
 
「入江くん、病院は?」
「お前、保険証ないだろ。一回家に帰るんだよ。そうすりゃお袋もいるし、車で行けるだろ」
「あ、そっか」

 繁華街に出るよりも、家に帰る方が距離は長い。
 ということは、もう少しこの時間を楽しめるんだと気付いた琴子は、ぎゅうっと抱きつく腕に力をこめた。
 直樹は何も言わない。
 どうでもいいからか、それとも、言ったところで琴子が聞くはずもないとわかっているのか。
 両方の可能性が高いけれど、琴子はどちらでもいいと思った。
 なんだかんだ言って面倒を見てくれる、直樹のその優しさに触れていられるのだから。

(入江くん、だ~いすき!)

 一途にそう思う琴子は、やはり神様に愛されているのだろうか。
 帰宅したはいいものの紀子がおらず、結局また琴子を自転車の後ろに乗せて、病院に連れて行く羽目になる直樹なのだった。




END



気づけばすごく日が空いていて!きゃああ(汗)!!と…。
そして出来上がる、青い入江(笑)。相変わらず日常の一コマという感じで、山も落ちもあるんだかないんだかですが…ちょっと近づいた感があるでしょうか。
単に自転車に二人乗りしてる二人が書きたかっただけだったり♪ドラマ好き、漫画好きな琴子ちゃんなら憧れそうだと思っちゃって。
(あ、実際は×なんですよね、この乗り方。楽しむのはこうした二次小説か、妄想だけにしておきましょ~)

寒さに負けて早々に布団に潜りこむか、夜な夜な這い出してネットの海をうつらうつらと漂う日々だったのですが……どちらにせよ、引きこもり気味でありました(><)。
急に寒くなってきたので、皆様、ご自愛くださいませ♪



 
 
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こんばんは! 

表のコメ、何か久々です…汗
青い入江といえば元祖はmiyaco様!!と思っております!
「クマのパンツ」のやりとりを傍で聴いてる人は、やはり「お前ら、そういう関係?」と思いますよぉ~。
金ちゃんじゃなくて、速攻入江クンを選んだ琴子。入江クンのニヒルなドヤ顔が容易に想像できますね 笑
2人乗りで青春しちゃってるイリコトにキュンキュン来ちゃいました♡

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こちらでのコメントは、すごく久しぶりな気がします。ですが、大好きな青い入江クンシリーズ。コメントせずにはおられませんm(_ _)mというわけて、青い入江クン。やっぱり良いですね~(*^o^*)もう~。なんで、高校時代から付き合わなかったの|( ̄3 ̄)|と、不思議でなりません(あっ。でも付き合ってたらあの嫉妬魔神、卒業前にやらかしちゃうかも…ですよね。そしたらブレザーの琴子には、お腹隠しようがないですよね。セーラー服なら隠せるらしいですけど…)青入江と琴子ちゃんのこの微妙な距離感に青春を感じちゃいます(≧∇≦)

>あやみくママ様 

>あやみくママ様

いいですよね、この組み合わせ!私も大好きです♪出来上がるとすごく嬉しくて、楽しいんですよ~(^^)
デレ樹……ぷぷぷっ(笑)エロ樹はあれですね、時々降臨する奴ですね。作っちゃおうか?とか、ホントどんだけ台詞で悶えさせる気だ!?って何度思ったことか…!
無自覚デレ樹さん、今日も今日とて絶好調でございます♪

>まぁに様 

>まぁに様

「青い入江」シリーズ、お好きですか♪まだまだ作品数も少ないシリーズなのに、嬉しいです~!
入江くんと金ちゃんのバトル、好きなんですよ(笑)。なんでそんなムキになってるのさ!って言いたくなるあの感じ!
自転車に二人乗り、いいですよね♪なのに一切そこに感情はないと思ってる青い入江くん(笑)。
モテモテ琴子ちゃんは、考えてるんですよ~。そのプロットは酷いタイトルついてますが……そのまんま「琴子がモテまくるやつ」という(^^;焦ってる自覚なしにっていうのがいいですよね!いつかアップしたいとは思っておりますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです(^^)

ありがとうございました!

>ぴくもん様 

>ぴくもん様

こ、こここ、こちらこそご無沙汰しまくりでもうもう、どこからどう言っていいのやら……!!(滝汗)
お忙しい中、ありがとうございます~!

入江くんって本当に言葉が少なくて、まぁ「」の短いこと、短いこと(笑)
対して金ちゃんがぺらぺらと喋ってくれるのですが、量より質で負けちゃうんですね。そんな二人の掛け合いが実は好きだったりします♪結婚後の入江くんも好きですが、この頃の絶妙な感じも私も大好きです!
くすぐったいほどのお褒めの言葉に、もの凄い勢いでスコップを動かして穴を掘ってます~。ブラジル遠い!!

私ももう少し余裕が出来たら、また皆様のところを歩き回って楽しませていただこうと思っております。
その時はぜひぜひ、よろしくお願いいたします!!

>ちぃ様 

>ちぃ様

きっと彼は心の中で「また痛めたとか言われたら面倒だ」とか「お袋がうるさいから」とか色々もっともらしい理由をつけてたんだと思われます(笑)。あれです、リレーで下敷きにしちゃった琴子ちゃんを、誰に言われるまでもなくおんぶしちゃうのと一緒♪
きっと金ちゃんに勝って「負け犬の遠吠え」って思ってますよ、ふふふ…。

琴子ちゃんに「腕が痛いからお前が動け」とか無茶振りをするまで、後3年ですね…(笑)。ん?3年ですよね?あれれ?(記憶が怪しくなってきました~・汗)

>あけみ様 

>あけみ様

あはは、そういえばそうかも(笑)!?頂けるだけで嬉しいので、どうぞ本能の(?)赴くまま、あけみ様の声を聞かせてくださいませ♪
ほんと、なんで琴子ちゃんのパンツを知ってるんだよ!って思いますよね。多分、間違えて洗濯物を仕分けてしまった琴子ちゃんの自爆だとは思いますが(笑)。
ニヒルなドヤ顔、私も思い浮かべておりました♪そして、自転車は青春の必須アイテムだと思っております☆
イケメンと可愛い女の子なら、素敵な絵になりますよね(^^)

>REE様 

>REE様

バカップルは時に動詞ともなるので、発揮されることもあると思います(笑)☆

金ちゃんはあくまで友達で、明確にそこを線引きしてるのにちっとも嫌味じゃない琴子ちゃん、可愛いですよね♪そんな琴子ちゃんを抱えた入江くんですから……ええ、ええ!渡辺くんの「入江からかいレーダー」はバリ3ですよね(笑)あはは、うまい!!

二人乗りは青春の必須アイテムですよね♪昔は(とか言ってると年がバレるかもですが)二人乗り用に後付けできるバーみたいなのがあったと思うんですが、今はないと聞いてちょっと残念。いや、なくなったのにはきちんとした理由があるのはわかってるんですが、それを使って女の子が後ろに立って、自転車を漕ぐ男の子の肩に手を置いて~……とか、よくないですか!?(止まれ、自分)
青い入江くんも何故かそこはかとなくエロくなるという不思議がありますが、楽しんでいただけてよかったです♪こちらこそ、ありがとうございました。

>ひまわり様 

>ひまわり様

あけみ様も同じことを仰っておられましたが、コメントはいただけるだけで嬉しいので、ぜひぜひ、ひまわり様も本能の赴くまま、お声を聞かせてくださいませ♪
青い入江くん、何気に人気だと再確認させていただきました(^^)
ほんと、付き合っちゃえばいいのに……という紀子ママのような声があちこちから聞こえてきそうですよね(笑)
嫉妬事件を卒業前に…人生経験がさらに浅い分、えらいことになりそうですね(^^;
琴子「やだ、やだ…!」
直樹「お前が悪いんだ」
とか言いながら、イヤン、アハンな感じ(どんな感じだ)が目に浮かぶようです……。
という馬鹿な妄想はおいといて(笑)。

私もこの微妙な距離感が大好きなので、また浮かんだらアップしたいと思います。ありがとうございました!

>ひろりん様 

>ひろりん様

お出かけ前の忙しい時に…ありがとうございます♪

入江くんが入江くんらしいですか!おおお、嬉しいです~!
青い入江くんは特に原作に忠実に!とイメージしている(つもり)なので、一番嬉しい褒め言葉です♪
ひろりん様なら、これはやってるだろうなぁと思ってました(笑)。
私じゃ重くて自転車も動かなかろうと思いますが、お話に伺うひろりん様像ならば、琴子ちゃんのように余裕で運んでもらえたんだろうな、とか……妄想は止まりませぬ(笑)。

明日もお仕事でしょうか?お気をつけてお出かけくださいね!

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

そうなんです(汗)!気づけば…という感じで、本当に大慌てでした。
脳内では勝手に更新してたんですね、馬鹿だから(笑)。
金ちゃんにつれないんだけど、それが何故かいやらしくなく、可愛く見えちゃう琴子ちゃんってすごいですよね♪ほんと、大好き!
琴子ちゃん限定で色んな顔を見せてしまう入江くんも大好きですけども…琴子ちゃんラブのが大きいかも?
二人の自転車乗ってるところ、私は眺めて驚く側になりたかったです(笑)。いいですよね、萌えいっぱいで♪

>ルル様 

>ルル様

青い入江くんが人気で、密かににんまりしております~♪
駆け引きばっかりするような恋ではないけれど、この絶妙な距離感を楽しむようなのって、この時期ならではのものがありますよね。
青いんだけど、可愛い。ルル様のコメに、そうそう!と膝を打っておりました♪
的確なコメ、ありがとうございます(^^)♪
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