*初恋*

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 入江直樹を知り隊-4- 入江直樹を知り隊-6-
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「長編」
入江直樹を知り隊

入江直樹を知り隊-5-

 
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入江直樹を知り隊-5-






 ざわめく食堂の隅っこ――すっかり定位置みたいになってしまったそのテーブルには、あたしの他にモトちゃんと智子、啓太に真里奈というお馴染みの顔ぶれが並んでいた。
 どうやら真里奈は事前にミッションのことを聞いていたらしく、あからさまに呆れた顔をしつつも、興味はあるって雰囲気も滲ませて話に乗ってくる。

「で、どうだったのよ」

 なんだか皆、やけに食べるのが早いなぁと思っていたら、あたしが生姜焼き定食の最後のお味噌汁を口にいれたところで、モトちゃんがそう口火を切った。
 あたしは口から味噌汁が飛び出すのを何とか堪える。

「どうって……」

 やっぱり言わなくちゃダメ?
 あたしは智子から借りていた30cm定規をバッグから出して返し、口を尖らせた。
 それ知ってどうするの?って今でも思うんだよね。だけどやっぱり、誰一人「じゃあいいわよ」と言ってくれる人はいなかった。
 あたしはお椀をトレイに置くと、小さくため息をつく。

「んっと……ここまで」
「は?」
「だから、ここまで来るの」

 あたしはそう言ってお腹を指さした。
 すると、啓太がさっと顔を背ける。なんで?
 モトちゃんも智子も真里奈も、唖然とした顔をしていた。

「待って待って、琴子さん」
「それ、あんたが自分で考えたの?そう言おうって」

 智子と真里奈が口々にそう聞いてくる。

「ううん、入江くんがそう言えばって」

 なんか変だった?具体的な数字を言うよりもずっとマシって思うんだけど。
 首を傾げるあたしに、モトちゃんが呆れたように笑った。

「さすが入江先生ね。あたし達を黙らせるのが巧いわ」
「ホント。あたし達だって、さすがに琴子を測る気はないもんねぇ」

 …良かった、ないのね。
 あたしは心底ほっとした。
 これでこの話は終わるって思ったから。




 なのに……ああ、それなのにっ!
 


 あたしはやっぱり甘かった。
 やれやれ、これで恥ずかしい質問から逃れられると一安心して水を飲んだあたしは、次の瞬間、盛大に水を吹き出すハメになっていた。

「でも大きいわよね、それって」
「そうね。日本人の平均以上はあると思うわ」
「ああ、平均って14cmだっけ?でも、大きさじゃないわよ。硬さも重要よ」

 あたしは真っ赤になって口をパクパクさせて、結局何も言えずにテーブルに突っ伏した。
 みんな、本当にどうしちゃったの!?
 なんでそんな話題にこだわるのよ~~!

「そうねぇ。大きくてもふにゃふにゃじゃね」
「日本人は硬さがいいらしいぞ。大きさは欧米人らしいけど」

 へぇ、そうなんですか、そうですか……そんなことも知らなかったよ、あたし。
 なんでみんな、そんなこと知ってるんだろう?
 あたしは頭を抱えながらも、そんなことに感心していた。
 すると、モトちゃんがあたしの頭をツンツンと突く。

「で、入江先生はどうなの」

 ぐふっ!
 い、入江くんのって、入江くんのって……。
 あたしは思わず、数日前にご奉仕したばっかりの新鮮な記憶を掘り起こしてしまっていた。
 ダメダメ、ここ職場!午後には入江くんとの回診だってあるのに、今こんな話をしてたら満足に顔も見れなくなって、ミスしまくって怒られちゃう!
 あたしはこの羞恥地獄から逃れようと、必死に入江くんの顔を思い浮かべた。
 入江くんの素敵な顔さえ思い描いていれば、あたしは救われるはず!!




 と思っているあたしの横では、あけすけな会話が進んでいた。聞きたくないのに、耳に入ってくる…。

「にしても、ゴムってコンビニとかで買うのって恥ずかしいわよね」

 智子が久しぶりにまともなことを言っていた。
 ここのところ、腹黒い舌打ちだとか発言ばっかり聞いてたから、なんだか新鮮。そうよ、今の智子の発言なら、あたしだって同意できる。
 …硬さだ太さの話から、どうしてそっちに話がとんだのかわからないけど。

「あたしは通販使ってるけど?」

 真里奈があっけらかんと答えた。
 モトちゃんと啓太がなるほど、と頷いている。

「面白いよ、けっこう。名前とかさ、色々あんの。“安全戦士コンドム”とかさ、それガン○ムだろって感じのとか、明らかにうま○棒パクッた“すごい棒”とか」
「ぶはっ、なんだよそれ!」

 啓太、そんなに笑うところ?ここ……。

「光っちゃうのとかあってさ、そんなの光ってどうすんのさ!みたいな」
「確かにねー」

 あたしは思わず、その光っちゃう避妊具をつけている入江くんを想像してしまった。
 駄目だ、なんか神々しい……天才の光る股間。駄目、想像するだけで恥ずかしくて鼻血吹きそう!
 ふいに、真里奈がニヤッと笑ってこっちを見た。

「入江先生なら……XLって感じかしらね?」
「!!」
「業界最大サイズとかでいいんじゃないの。今度プレゼントしてあげようか」

 着地点はそこですか!!
 道理で話がそっちに行くはずよ!!
 あたしがぶんぶん首を横に振ると、啓太がはんっと鼻を鳴らした。

「入江のことだ、そんなもんいらねーって突き返してくるだろ」

 啓太が面白くなさそうにそう言う。
 秋子ちゃんがという可愛い彼女がいるから、未だにあたしをどうこうってことはないんだろうけど、やっぱり入江くんのこととなると、啓太はこういう態度になることがある。
 なんだろ、男の人ってよくわからないけど、これもプライドなのかな?
 啓太の言葉に、真里奈がそれもそうか、と肩を竦めた。
 智子とモトちゃんが、くすくす笑ってる。
 うん、あたしもね。これまでの話題を知らなかったら、何か楽しそうなこと話してるなー、穏やかなランチタイムだなーって思うところなんだけどね。
 ……避妊具の話しててこの雰囲気はおかしいでしょ…。

「なぁ、琴子」

 ふいに啓太が真剣な顔であたしを見た。
 
「お前、この仕事好きなんだよな?入江の助けになるにはまだまだ経験が足りないこと、わかってるんだろ?」
「う、うん…」
「なら、入江には気を付けろ。いいな?たとえ夫婦でもだ」

 はい?
 なんであたしが、入江くんに気をつけなきゃいけないの?
 すると、啓太はなんでわからないのか、とばかりにあたしを見た。
 でも、わからないものはわからない。あたしは首を傾げるばかりだった。
 大体、今の話の流れから啓太の言葉を理解しようとしても無理だと思う。でも啓太にとっては繋がった話らしく、ものすごーく真剣な顔をしていた。

「あのな、例えばだ。俺がまだお前を好きだったとするだろ。他にも患者とか医師とかで、お前に惚れる奴が出てきたとする。でもって、また入江がヤキモチ妬いてお前に冷たくしたとする」
「……」

 また随分とリアルな例えを…。

「入江より優しい男なんざごまんといるからな。入江の冷たい仕打ちに傷ついたお前が、そのお前に惚れちまった男にちょっと気を許したりしたとする」

 啓太の話は過去を参考にしているだけあって本当にリアルで、あたしだけでなく、モトちゃん達も思わず聞き入っていた。

「そしたら、入江は間違いなく避妊をやめると思う」

 すっごく真剣な顔をして言う啓太が言い終ると同時に、モトちゃん達が吹き出した。

「やっだ、啓太!そんなことないわよ!」
「そうよ、入江先生に限ってそんなこと」
「琴子さんの同意もなしにはないわよ」

 モトちゃん、真里奈、智子の順に否定してくる。
 だけど、あたしは笑えなかった。
 避妊をやめるってことは、妊娠するってことよね。強制的に。
 いや、入江くんの赤ちゃんは欲しいの。いつだって来てくれたらって思うけど、じゃああたしに覚悟が出来てるのかって言われると、看護師としても人としてもまだまだ未熟なあたしに勤まるのか?って自信があるわけじゃない。
 今の入江くんは、そんなあたしの気持ちをわかって、優先してくれてる。
 以前、子供ができたかもって勘違いして騒いだことがあった。
 あの時、作っちゃおうか?って冗談めかして言った入江くんが、実はかなり本気だったことをあたしは知ってる。
 入江くんは本当に、あたしとの赤ちゃんを望んでくれてた。 
 多分、今だってあたしが欲しいって言えば「いいよ」って言ってくれると思う。
 あの頃とは違って二人とも仕事を持っていて、例えば今の家を出ても二人で生活もしていけるだけの稼ぎはあるし、子供の人生を背負うだけのものを用意できる状況にあると思うから。
 でもそれをしないのは、あたしの気持ちを待ってくれているからで…。
 
「……冗談じゃないっつの」

 啓太が呆れたように三人を見た。

「お前ら、入江の独占欲を知ってるだろ?もしこいつが他の男に目を向けるなら、あいつは孕ませてでも引き留めようとするぞ」

 独占欲、と啓太が言った瞬間、モトちゃんが真っ先に口を噤んだ。
 なんだろ、心当たりでもあるのかな?

「そうだな、さしあたり……ゴムつけてるならわざと途中で破いたりとか、つけてるフリして実はつけてないとか、そういうことをしそうだ」
「…そうね、そう考えると十分あり得るわね」

 モトちゃんがそう言って大きく頷いた。
 や、やっぱりあり得るんだ(汗)。
 入江くんに限ってと思いたいんだけど、思いきれないというか……入江くん、あたしのこと大事にしてくれてるから。
 啓太とのことを誤解されて、それが解決した後は大変だったこをと思い出す。
 もう許してって言っても何度も抱かれて、赤ちゃん出来ちゃうよって言ったのに何度も…その、中で。
 あの時はまだ学生で、ようやく夢に向かって進んでいるときだったから本当に困ってしまって、結果として妊娠はしてなかったけど、しばらく不安だったのを覚えてる。
 入江くんとの赤ちゃんは欲しいけど、状況的にそのタイミングじゃなかったって言うのかな。
 それで出来たらどうするのって言ったあたしに、入江くんは腰が砕けるほど優しくて蕩けるような声で言ったの。

『琴子、俺の子産んで』

 って。
 啓太の未来予測は、その再来を告げるようなものだった。
 ひぃ~~!
 否定しきれないだけに、何とも言えずびみょー!!!!





ある意味「経験者は語る」な啓太。お前が言うなよ、という気がしなくもありませんが、琴子ちゃんは可愛いし?
あながち的外れでもない、こわ~い予測なのでした。
これも入江くんのとある一面かと。ほら、ちゃんと入江直樹を知っていけるでしょう?なんて(笑)



 
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~ Comment ~

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こんにちは! 

連休中に更新ありがとうございます!
後半、何気にシリアス入ってます?
啓太、入江直樹をよく分かってるんですね!
啓太事件はもう2度とゴメンだけど、今後無いとも限らず…。でも、入江クン、独占欲は半端ないけど、少しは人間として成長てくれたのかな?(という期待はあります)
ところで、日本人の平均…14cm?勉強になります(笑)
あと1話ですか?楽しみにしてま~す!

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>ちぇるしぃ様 

>ちぇるしぃ様

あはは、神々しいお姿を想像していただいても素敵かと思いますが…まさかこのお話でキュンとしていただけるとは!
でもいいですよね、琴子と啓太の絡み♪
私も良き友人に戻ってからに限定されてますが(人妻とわかってて…とかの辺りは、正直理解できなかったり)。入江くんがあの目で睨みつけるところとか、私も大好きです!むふふ、次辺り啓太はぶっとい釘を刺されればいいよと思っております。

ご主人に怪しく思われながらも読んでくださって(笑)ありがとうございました!

>あけみ様 

>あけみ様

それがですねぇ、ちびっ子がじじ&ばばの家に泊まりに行ったのです。今日!
送り届けて帰ってきて、速攻作業しましたとも♪

シリアスっぽい雰囲気にはなりましたが、なんせ全体の雰囲気がアレなものですから、シリアスではありません(笑)啓太はあの時のまま入江くんの印象が止まってるかな、と思うんです。だって、それ以降彼の成長を見ようと思ったら、琴子ちゃんがまた同じ境遇にならないといけないのかな、と。そうでなければ「いやぁ、あの時はごめん」的な話を二人がすることはないでしょうし(^^;
だから、啓太の中ではあの時のままで止まっている、という前提で書いております。実際は成長してると思うんですけどね。

ところで、日本人の平均…そうらしいですよ。と言っても、十数年前の飲み会で仕入れた情報ですので、ガセである可能性も高いのですが(笑)。あと1話、ちゃっかりな入江くんをお楽しみください♪

>あやみくママ様 

>あやみくママ様

嫉妬にかられると、天才と言えど周囲が見えなくなっちゃうんですよね。そのせいで、琴子ちゃんはあの辛い日々を送るはめになったわけで。そしてそして!誰かに取られるくらいなら~というのは、以前の重雄が危惧していたことですね。もちろん現実にはなり得ませんが、そのくらいの愛情を注がれているのが琴子ちゃんかと思います(^^)
そう考えると、入江くんも琴子に負けじと一途ですよね。

>まぁに様 

>まぁに様

ですよね、ですよねっ(笑)
私も間違いなく即答してると思います(^m^)
入江くんは溺愛……いえ、まぁに様の仰る通り激愛してますから、琴子ちゃんさえOKならいつだって、と思っていそうです。

ちびっ子がじじ&ばばの家にお泊りに行ってくれたので、0時に最終話が更新できそうです♪
連休ってすばらしい~!なんて(笑)

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

お鴨様(この呼び名、妙になじみますね・笑)の中では、あのコテンパンにやられた夏のイメージが強いんだ、という設定で書かせていただいてるんです。なんせものすごい恥をかかされてますからね。
入江くんと経験する予定……ないない、絶対ないですね!入江くんには琴子ちゃんだけですもん♪
恥じらう乙女な琴子ちゃんと、ゴシップ大好きな面々……思い返すと、ファンだからって自宅まで突き止めちゃうくらいですから、何だって興味あるのかな?なんて思うんですけども、いかがでしょうか。

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>エロ吉様 

>エロ吉様

鋼の錬/金/術師ならぬ、鋼の……げーっほごっほ!!(自主規制)失礼いたしました(^m^)
啓太なりの入江解釈、がアレだったようです。肝心の琴子ちゃんの賛同が得られたかは微妙ですが、彼的にはこれぞ真実!ということで(^^;

そして、エロ吉様の深い考察に「おお…」といつもに増してじっくり、じっくり読ませていただきました。
確かに、琴子に対してだけは見境ないし手が早いですね、うんうん!琴子が自分以外の男を見るなんて許せない、認められないと、無意識でも想ってるんですもんね。
琴子を公開取戻し……見せつけ系エロ……見せつけのキスは見たこともあるし書いたこともありますが、際どいのはまだない……これは、萌えるべきか!?
妙な炎がメラメラしてきました~(笑)

このお話はエロギャグですので、下ネタ満載大歓迎です☆
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