*初恋*

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 夏的恋愛二十題-5- 【初恋】的、キャライメージ(入江家の人々)
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「お題」
夏的恋愛二十題

夏的恋愛二十題-6-

 
 夏的恋愛二十題-5- 【初恋】的、キャライメージ(入江家の人々)
6.縁日の景品









 大して…というか、全く興味のなかった夏祭りに連れ出された挙句、琴子とはぐれてあいつは迷子。
 ったく、こうなるのがわかってるから手を繋いでおいたのに、いつの間に離れたんだか。
 勝手に俺から離れるからこうなるんだ。
 俺は僅かな苛立ちを感じながらも、こういう時に便利な身長を利用して琴子を探していた。だが、探される琴子の方が小さいので、なかなか見つからない。
 こういう時は、無理にあちこち探さない方がいい。
 そう思った俺は、とりあえず琴子が泣いているだろうことを予測し、あいつが食べたいと騒いでいたリンゴ飴(大)を買っておく。
 これがあれば、琴子の涙を止めるくらいのことはできるからな。
 代金を払って、適当に選び―――その時だった。



 ピンポンパンポーン……
 迷子の、お知らせをいたします。
 世田谷区からお越しの~…入江直樹さん、28歳が…迷子になっておられます…
 藍色のシャツにジーンズを着ており…背が高く…お、驚くほどのイケメンだそうです……ぶぶっ(笑)
 ご家族の方が探していらっしゃいますので、見つけた方はお近くの迷子案内センターまでお連れ下さい
 入江直樹さん、この放送を聞いていらっしゃいましたら、中央迷子案内センターまでお越しください
 ピンポンパンポーン…


 琴子、アイツ…!!



 放送が終わるや否や、人々の視線が突き刺さる。
 迷子になって、やたらとうろつかずに最寄りの案内所に行ったことは褒めてやってもいい。
 だからって、なんで俺が迷子扱いなんだよ

「今の、兄ちゃんのことじゃねーのか?」

 リンゴ飴屋のオヤジが笑いを堪えてそう言ってくる。
 俺は無言でリンゴ飴を台座から引っこ抜くと、突き刺さる視線を跳ねつけながら足早に『中央迷子案内センター』とやらに突き進んでいった。






                             ************





 中央迷子案内センターに着くと、琴子が半べそをかきながら不安そうに人の流れを見つめていた。
 ったく、やっぱり泣いてたか。
 俺を探して泣いていたのかと思うと、俺の溜飲もちょっと下がる。どうやらリンゴ飴も活躍するチャンスがありそうだ。

「琴子」

 少し離れたところからそう呼ぶと、琴子がぱっと顔を上げて俺を見た。
 
「い、入江くぅ~ん!!」

 そして、チビ顔負けの勢いで抱きついてくる。
 予測していたことだったので、俺は琴子を抱き留めた。

「入江くんとはぐれちゃってね、どうしようかと思って泣いてたらここに連れてきてもらえて……放送してくれたの、聞いてくれてた?」
「……ああ」

 別に聞きたかなかったけどな。
 俺がじろっと睨むと、琴子も心当たりがあるのか「えへへ」と誤魔化すように笑った。
 そして、俺から離れると涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、中央迷子案内センターの人を振り返る。

「会えました!ありがとうございました!」
「良かったですね、迷子のご主人に会えて~」

 違う、迷子なのは琴子だ!!
 俺はよっぽどそう言ってやろうかと思ったけど、一刻も早くこの場から立ち去ることが先決だと思った。

「お世話になりました」

 琴子が、と内心で付け加え、俺は琴子の手を引いて歩き出す。係りの人は笑顔で見送ってくれた。
 ったく、余計な恥をかいたぜ。
 手を繋ぐだけだとさっきの二の舞になる可能性が高い。俺は琴子の手首を掴んで歩くことにした。
 まだちょっとしゃくり上げている琴子に、買っておいたリンゴ飴を差し出す。

「ほら、これやるから」
「…うん」

 ひっく、と琴子がしゃくり上げながらリンゴ飴を受け取る。本当に子どもみたいだ。
 
「ごめんね、入江くん。あたし上手く喋れなくて、なんでか入江くんが迷子ってことになっちゃって…」
「………」

 なるほど、琴子の発案ではなかったわけか。
 だから良いってわけでもないけど、まあ、わざとじゃないとわかっただけでも、さっきよりは気分もいい。
 
「わかったから、いい加減泣きやめよ。お前、ずっと泣いてるつもり?」
「う、ううん。そうじゃないけど」

 そう言って、琴子はバッグ代わりの巾着からハンカチを出した。貴重品は失くすから持ってくるなと言ってあるから、巾着にはハンカチと手鏡しか入ってないらしい。琴子が迷子になった時は、携帯まで置いてこさせたのはさすがにちょっと失敗だったなと思ったけど、まあ、こうして会えたしもういいだろ。
 とりあえず、今琴子の涙を拭くものがあるなら、それでいい。
 何とか涙を拭きとってさっぱりした顔の琴子を促し、俺は当初の目的通り、夏祭りをそぞろ歩いた。
 大分ご機嫌も直ってきたらしい。琴子がきょろきょろと目移りしている。
 ったく、さっきもこれで迷子になったってのに…懲りない奴だ。

「おい、勝手にどこか行こうとするなよ」
「わ、わかってるもん。えっと、あの射的やりたいんだけど…」
「無理だろ」

 どう考えても、琴子が射的とか無理だ。弾を撃つということが満足にできるはずがない。
 
「えー、やってみなきゃわかんないじゃない」
「やる前からわかることもあるだろ。お前が射的なんて、金を捨てるようなもんだ」

 馬鹿らしい。そう言うと、琴子がむっと頬を膨らませた。
 そして、俺をずいっと露天へと押し出す。

「じゃ、入江くんがやって!」
「はぁ?なんで俺が…」
「あたし、あのスヌ○ピーの貯金箱が欲しいの」

 ……俺はずらりと並んだ景品の中で、ぽけっと人のよさそうな顔をした犬の貯金箱を見た。
 あんなの、普通にそこらの店で買えるだろ。けど、琴子曰く、こういう場所で取るから良いらしい。
 
「お願い、あれ取ってくれたら後でマッサージしてあげるから!」
「……マッサージ?」
「うん。入江くん、疲れてるのにお祭り付き合ってくれたでしょ?だから、肩もみしてあげるよ」

 不器用な琴子だが、小さい頃から親父さんのをしてきたというだけあって、肩もみだけはなかなか気持ちいい。
 ちょっと肩が張り気味だった俺には、魅力的な提案だった。悪くないと思う。
 俺は無言で金を払うと、弾をもらって貯金箱に狙いを定めた。
 これって、子供もやるもんだよな?最上列に並んでるの、AVだと思うんだが……こういうもんなのか?
 俺の性格からして、学生の頃から友達とつるんでこんな場所に来ることはなく、正直射的なんてやるのも初めてだから、そういうもんだと言われればそうなのか、としか言えないんだけど。
 ま、あいつが欲しがってるわけでもないし、気にするのはやめよう。
 

 パンッ

 
 軽い音がして、貯金箱が少し動く。生意気な犬だな…俺は続けて弾を撃ち込み、最終的にその貯金箱を無事手に入れた。
 琴子に渡すと、琴子が飛び跳ねて喜ぶ。

「すごいよ、入江くん!さすがだよ~!」

 …射的の貯金箱で言われてもな。
 なんだかすごく疲れた。俺は子供のように喜んでいる琴子の手を掴むと、再び雑踏へと繰り出した。
 もちろん、向かうは出口だ。
 それに気づいた琴子が残念そうに何か言っていたが、当然無視。俺が疲れた原因のほとんどが、お前の迷子のせいだからな。
 そう言うと、琴子は少し不貞腐れたような、それでも景品があるからかそこまで機嫌も悪くならず帰宅することができた。
 ま、臍曲げたら曲げたで、どっかホテルでも入って休憩して…でもよかったんだけど。






「…ね、お義母さんに入江くんが迷子になった話していい?」
やめろ

 んなこと話したら、休みの間中ベッドに沈めてやるからな!!



END





ピュアENDではなく、野獣寸前ENDとなりました。
またしても「だからどーした!」ですいません…orz

お題配布元:TOY様
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>narack様 

>narack様

まさか自分が呼び出されるとは思っていなかったと思います(笑)リンゴ飴買って、それからあちこち探し回ればいいだろう、くらいに思っていたら…入江くん、こういうことにはプライド見せるから、かなり傷ついてそうですよね。
たくさん笑っていただけたようで、嬉しかったです(^^)♪

最初は真面目に書いてたんですよ。琴子ちゃんと言えば迷子だから、お題に縁日が入った時点で迷子ネタは決まっていたのですが、やっぱりここは悪質ナンパからカッコよく助けちゃう入江くんを書くか!?と思っていたのに……蓋を開けてみたら、こんなことに(笑)
猛獣は舌なめずりしながら帰宅したようですので、後が大変ですよね。ふふふ…(^m^)

>かくちゃん様 

>かくちゃん様

入江くんの天才的な想像力を持っていても、その予想の斜め上を平気で行っちゃう琴子ちゃんが大好きなんですよ~♪
しっかり手を繋いでいたはずなのに、気付いたら「あれ?」なわけですから……入江くん、きっとため息ついてたんじゃないでしょうか(^^;

迷子案内、最初は琴子ちゃんを…と思ったんですが、ふと、これ入江くんにしちゃえばいいじゃん?と思いまして(笑)
この後、彼は休憩場所には入りませんでしたが、その後お家で~~だと思いません?だって、野獣の目が光ったはずなのに大人しく家に帰るなんて…ねぇ?と思うんですが、いかがでしょうか♪

>hitomi様 

>hitomi様

あはは、何度か寸止めで終われましたよ~♪琴子ちゃんも一安心したと思います(笑)。
入江くんとしては「面倒はごめんだ」という理由のようですが、確かに琴子がお子ちゃま化してるのは入江くんの(隠れ)バカ過保護っぷりのせいですね!
せっかく巾着持ってるのに、中には携帯も財布も入ってないんですよ。それでも28歳(有職・既婚)なわけですから…(笑)。
ママに筒抜け、やっぱりお約束?
マッサージの延長で「夜のマッサージ」にするか、思いがけないところに広まっててお仕置き系にするか……悩ましいところです。(他に悩むところこはないのか)

>ひろりん様 

>ひろりん様

最近はほら、迷子も子供だけじゃないですから~。老人の迷子も増えましたもんね…って、入江くんは子供でも老人でもない、天才クール外科医ですので琴子ちゃん、許してもらえないですよね(笑)。
あることないこと放送したら、琴子ちゃん、強制欠勤になっちゃいますよ!多分(^m^)ww

入江くんの中でも「人ごみ×琴子の迷子=泣く」という式が出来てるようです。事前にリンゴ飴を仕入れておくなんて、普段どれだけ迷子になってるんでしょうね、琴子ちゃん♪
この続編、見たいですか!?だ、だだ、だってどうやっても表での久々のえろですよ!?い、いいですか、やらかしても!!(何をするつもりだ)

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

琴子ちゃんは、きっと30代になっても40代になっても迷子になって、子供にすら「ママ、また迷子だよ」とか言われてると思ってます!(笑)
入江くんもすっかり慣れたもんで、飴は買っておくしちょっと見えないくらいじゃ慌てないしで、今までどれだけ迷子になってるの、とツッコミたいですよね(^^;

確かに入江くんと比べたら、ファンシーグッズのキャラは大体人がよさそうですよね……ぷぷぷっ!かなりツボでした(笑)!!そりゃそうだよ、と妙に納得もしちゃいました~♪
紀子ママ様も、この後はお代官様コースを予測されてるんですね(^^)
やらかしてもいいかな、という気になってきております(笑)

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>ぴくもん様 

>ぴくもん様

こんばんは~♪いえいえ、コメいただけるだけで嬉しいですっ!!

入江くんが迷子放送は、ふっと湧いた展開でして(笑)琴子ちゃんは泣きじゃくって上手く説明できなくて、よくわからないけど、はぐれた連れを探している=旦那さんがどっか行っちゃったらしい=じゃ、迷子放送で探してあげよう、という運営サイドの善意だったようですが、放送のマニュアルに従って放送したらあんなことになっちゃったんですねぇ。きっと♪
ほんと、せめて携帯だけでも持たせてあげていたら良かったのに…ですよね(笑)!

野獣END、今書いてるんですが……うわーん、どうしましょう!入江くんがSです~(><)
夜に鍵付を書くとやばくなる、の法則は健在のようです。「初恋」の管理画面で書き始めてしまったのでこのままここにアップする予定ですが、ぴくもん様、ドン引きしないでくださいね…(汗)!

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>chan-BB様 

>chan-BB様

私も、皆様のところで色々なイリコトが見られてこの夏はかなり充実して、幸せです♪
それでついつい浮かれてしまって、ついには入江くんが迷子扱いになってしまいましたが(^^;
もし私が案内センターの人だったら、自分の旦那をイケメンと言っちゃう琴子ちゃんが可愛いやら萌えやら楽しいやらで、やっぱり笑ってしまったと思うんですよね(笑)

さすがchan-BB様、良い趣味してらっしゃる!入江くんには怒られてしまいそうですが、そういう時の彼はまたイイ味出すんですよね♪ふふっ…(笑)
私からは無償の愛ですが、入江くんからは無償じゃないです……ハイ。皆様の応援(?)もあって続きをぽちぽち書いてみたんですが、眠かったせいもあって入江くんが変態になってしまいました(汗)貯金箱とじゃ割に合わないよ!というくらい好き勝手してくれました~。
ぴくもん様へのリコメにも書いたのですが、ドン引きしないでくださいね(><)!

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>ちぃ様 

>ちぃ様

そういうことってありますよね。私もしょっちゅうやるので、よくわかります~(^^;
人混みで迷子になるのは、琴子ちゃんの特技ともいえることですので、今回も漏れなく迷子です(笑)
入江くんはこんな風に、ちょいちょい琴子ちゃんに振り回されていくといいと思います♪

入江クオリティ、使わせていただきました~!もう、こんなイイ言葉使わない手はないよね!?という感じで、自然に使わせていただいておりました。本当に感謝です!
次はまた近いうちにアップしますね!お盆でも妄想の流出は止まりません♪

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>吉キチ様 

>吉キチ様

琴子らしい、と言っていただけて嬉しかったです。ありがとうございます!
わざとじゃないんですよね、迷子放送しちゃったのも。

射的……そうですね、たまごちゃんを狙ってますからね、彼のは。肩もみもみから、別のことに発展しそうですよね(笑)。
まあ、あれですよ…ええ。本日更新した分で、めいっぱい張り切ってる男がおりますから…ふふふっ。
吉キチ様の予測は正解だと思います。なにせ、入江くんですから!
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