*初恋*

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「二次創作」
短編

甘えん坊ダーリン

 
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もう覚えてらっしゃるか…遅くなってしまったのですが、以前いただいたリクです(^^)
『身も心も琴子ちゃんに甘えきっている、入江くんの甘甘なお話読みたいですm(__)m』とのことでしたので、甘い甘いお話になっています♪

……ところで、あの。
タイトルが相変わらず頭悪そうでごめんなさい…(汗)。






 その時、琴子は夜風の吹き込む涼しい部屋で、まったりと本を読んでいた。
 学会で三日ほど直樹が留守にしており、つまらない、寂しいと嘆く琴子を見兼ねた桔梗が貸してくれたものだ。
 とは言っても、ハードカバーの小難しい本ではなく、漫画を原作とした小説である。
 いかにも琴子の好きそうな純愛ストーリーで、琴子は見事にはまっていた。珍しく直樹が帰宅したことに気付かないほどだ。

「きゃ~、ついにライバルと対決なのね!」

 ベッドの上にうつ伏せで寝転がり、脚をパタパタさせて琴子は喜んでいる。
 直樹はその様子を、冷めた目で見ていた。
 インターホンも鳴らさなかったが、それでも動物的な本能で直樹の帰宅を察知し、パタパタと出てくるのが琴子なのだ。
 三日ぶりの再会ともなれば、今生の別れと思って別れた恋人と奇跡的な再会を果たしたかのような熱烈な歓迎を見せるだろうと踏んでいたのだが……現状は期待外れ、であった。(もっとも、彼は期待外れと思ったことなど認めないだろうけれど。)
 そして、琴子に日頃「もっと視野を広く持て」などと言っておきながら、その実、琴子の興味が自分以外に注がれるのを嫌うのが直樹なのである。

「おい、チビっ子」

 直樹が素っ気なく琴子を呼んだ。
 その瞬間、琴子が本をその場に投げるように置いて直樹に駆け寄る。
 気づいてもらえなかった不満が、琴子のその行動ですぅっと引いていくのがわかった。
 キャリーバッグを下ろすと、直樹は抱きついてきた琴子をそのまま抱え上げる。

「入江くん、おかえりなさい!」
「…ただいま」

 むぎゅう!と琴子が直樹の首に縋り付いた。
 この三日間離れていた琴子の匂いをようやく感じ取り、直樹はホッと息をつく。
 琴子がすりすりと直樹の肩に頬を擦りつけた。

「寂しかったよ~!入江く~ん!」
「どうだか。帰ってきたのにも気づかないほど夢中になってるみたいじゃん」

 ちらりとベッドに投げ出された本を見やり、直樹が意地悪く笑った。琴子が慌てたように首を横に振る。
 どうやら、お出迎えがなかったことは直樹の中で十分、不貞腐れる理由になっているようだ。
 琴子を抱き上げたままベッドに座ると、ん?と琴子を覗き込んだ。

「違うよ、入江くん以上に夢中になることないもん!」
「へぇ?俺の帰りにも気づかなかったのに?」
「そ、それはその…ちょっと面白かったから。でもあんな本より入江くんよ!」

 お願いだから、この言葉を信じて!
 そう言わんばかりの真っ直ぐな目で直樹を見つめ、琴子がぎゅっと直樹のシャツを掴む。
 必死に自分のご機嫌を取ろうとする琴子がおかしいやら可愛いやら、直樹はようやく体の力を抜いた。
 琴子を抱え直して、こつん、と額を合わせる。

「信じてもいいけど、言葉だけじゃな」
「へ?」

 直樹は目を閉じた。
 急に端正な顔が迫った気がして、琴子は息を呑む。そして、うっすらと頬を桃色に染めた。
 恥ずかしそうに目を伏せて、長い睫毛を揺らす。
 逡巡の後、琴子はそうっと顔を近づけた。

 ―――ちゅっ

 随分と可愛らしい音を立てて、琴子の唇が離れる。
 そこで終わりのはずだったのに、気付けば直樹の唇が追いかけて来ていて、琴子はあっという間に掴まってしまった。
 直樹の膝の上に抱えられたまま、ちゅ、ちゅ、と重ねるだけのキスを繰り返す。

「ん、もう……なに」
「いいだろ、たまには」

 キスの合間にそんな会話をする。たまに、と言うけれど、キスだけはちっとも「たまに」ではなかった。
 琴子は段々と深くなるキスに眩暈を覚えながらも、必死についていく。
 直樹は琴子の唇から離れたかと思うと、そのままするりと唇を滑らせて、首から鎖骨へと移った。
 三日間の別離の間に薄れた愛撫の痕が、再び色を蘇らせる。
 乱されたパジャマから覗く、白く柔らかそうな小さな谷間に顔を寄せ、直樹がふぅっと息をついた。
 食べてしまいたくなるほど柔らかそうなそこは、今日のように、琴子の顔をまとまった期間見れなかったり、疲れて帰ってきた日は特に愛しく感じる。
 直樹はくんっと鼻を動かし、琴子の匂いを感じるように目を閉じた。
 時々肌を舐めてみたり、甘噛みしたりもしみる。その度に白い肌は赤く染まり、かと思うと薄れて、直樹の前に滑らかなそれを差し出していた。
 直樹の無言の甘えを感じたのだろう。
 琴子がふふっと笑って、直樹の頭を抱え込む。
 ふにゅっと胸に押し付けられて、直樹は低く喉を鳴らした。

「…随分大胆じゃん」
「え、ち、違うわよ!そんなんじゃないったら」

 そう言いつつも、琴子は直樹の頭を離さなかった。直樹の髪を優しく手で梳きながら、ただ、と呟く。

「嬉しいなぁって」
「俺とえっちなことできて?」
「違うったら。そうじゃなくて、入江くんが甘えてくれてるみたいで……なんかいいなって」

 その言葉に、直樹は僅かに眉を寄せた。
 自分としては琴子に甘えているつもりはなかったのだ。
 むしろこれから琴子を甘えさせて、とろとろとに溶かしてやろうとすら思っていたくらいで。
 なので、この琴子の発言は直樹の心に火をつけた。

「じゃあ、甘えてみようか?」
「へ?」
「俺が“甘え”たらどうなるか、お前に知っといてもらうのも悪くないよな」

 その時直樹の顔に浮かんだ笑みを、どう表現すればいいだろう。
 ニヤリ、というのが相応しいような、だがそれだけではなくとんでもない意味を孕んでいるのがありありとわかるような、そんな笑みだった。
 琴子の顔が引き攣る。
 
「いや……どうかな。あたしはやっぱり、入江くんに甘える方が好きかも…」
「遠慮するなんてお前らしくない」

 遠慮じゃないよ!という声は、当然の如く直樹に呑みこまれて―――。








 月が太陽にその存在を消される頃、琴子はもう二度と直樹に向かってあんなことは言わない、と誓うのだった。




 END





入江くん、甘えて……ますよね?
作中ではしょった部分は、きっとバンビ琴子が登場するに至る熱~い夜だったことと思われます(笑)。
夜の彼の甘えはすごいんだろうなぁ、なんて思ったり。





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>ちぃ様 

>ちぃ様

よかった!野獣も甘えられた(笑)!!
そうそう、プライドもあるから自分が甘えてるなんて絶対思わないんですよね。甘えてるくせに♪
ちぃ様と萌えポイントが一緒で嬉しいです~!私も同じところに萌えてますので(>▽<)

いいですね、大型犬とにゃんこ!厳めしい顔して澄ましてるドーベルマンな入江くんと、アメショの琴子ちゃん……ああっ、想像するだけで萌えます!ご飯三杯行けますっ♪
直樹「…背中に上るな」
琴子「にゃん?」
直樹「じゃれるなって言ってるだろ」
琴子「入江くんの背中広くて暖かいんだもん」
琴子にゃん可愛い…!
だ、誰か止めてください……(笑)。

>ら~ゆ様 

>ら~ゆ様

入江くんが甘えるなんて、レア中のレアですよね。本人はそのつもりないですし(笑)。
エロ専門と仰りつつ、こんなピュアなコメを寄せてくださるら~ゆ様が大好きです♪
ありがとうございました!

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長くなりそうなので分けます。 

こんにちは。

何度もこのお話を拝読してはニヤニヤしておりますv
甘えてくれるみたいで嬉しいという可愛らしい愛妻の言葉を、「あえて」自分の都合のいい方へあっさり脳内変換してニヤリという熱のこもった笑みを見せる所が黒く見えるのですよ~(笑)
そんな顔をさせてるのは琴子ちゃんの前でしかしないというのも萌え度が臨界点突破なんですけれど…本当に琴子ちゃんの傍にいる入江くんは人間らしい感情や表情を見せてくれるので大好きです。
そしてそれを無意識に引き出しちゃう琴子ちゃんは凄いと思いました。

miyaco 様 いつもドキドキさせて下さるお話をありがとうございます。

ツイッター診断 

前回お知らせしたものがちょっとダブりましたが、それとは別に見つけて私が萌えまくったものをご報告します。 
直樹→(相原・入江)琴子  (相原・入江)琴子→直樹で

①I love you.訳したー 診断

I love you.を入江直樹風に訳すと『おまえを二度と離さないと誓う』です。

I love you.を相原琴子風に訳すと『あなたを思うと苦しい』です。

I love you.を入江琴子風に訳すと『おまえ(この場合はあなた)がいない生活なんてありえない』です。


②愛を育んでいったー 診断

入江直樹が相原琴子を愛するということは、昔日を忘れないということ。気付いていなかっただけで、あの頃の二人にもたしかに愛は存在していたのです。

入江直樹が入江琴子を愛するということは、有りったけのありがとうを伝えるということ。いずれ幕が下りる時には手を繋ぎながら共に眠りにつくことでしょう。

相原琴子が入江直樹を愛するということは、片翼を失くす痛みを知るということ。気付いていなかっただけで、あの頃の二人にもたしかに愛は存在していたのです。

入江琴子が入江直樹を愛するということは、いつか見た夢の続きを語るということ。二人の愛はちぐはぐで噛み合うことはないけれど、お互いを想う気持ちだけは真実なのです。

長くなってしまい申し訳ありません。何となく皆様にも報告したくなってしまって…。
失礼します。

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>あやみくママ様 

>あやみくママ様

きゃああ、なんですかそのイヤン萌え台詞は!!(笑)
入江くんでなければ許されない、逆に言うと入江くんならば許されてしまうその変態台詞っ。
「疲れたからマッサージ」があっち方向に変化していくっていう甘えは考えたことありますが(あるんかい)その新パターンは鼻血モノです♪
彼が子犬ってのは無理ですよね(^^;まだ小学生裕樹くんならば……ああ、でも彼は生意気な小型犬って方がイメージでしょうか。琴子ちゃんは、子犬でも子猫でも子ウサギでも浮かびますよね(^^)
甘えるドSは、きっと甘え方にもS気が潜んでいると思われます。ぷぷっ。
でももれなくエロ方面に舵を切っちゃうんですよねぇ(笑)。

>杜乃様 

>杜乃様

琴子ちゃんからすれば、すごく珍しい入江くんの姿ですから、本当に嬉しかったんだと思います。
いつもは自分が甘えることが多そうだし。ところがどっこい、黒入江にはそうは聞こえない(笑)。さすが黒入江、ですよね!

私も琴子ちゃんが入江くんにとって特別で、琴子ちゃんだけが~というのは萌えです!!
だからこそ、入江くんは琴子ちゃんを選んだんですもの~♪琴子だけが俺を人間にしてくれるって最高じゃない!なんて思います♪
こちらこそ、暖かいお言葉ありがとうございました(^^)

>杜乃様 

>杜乃様

I love youを訳した時に「相原琴子」だと「あなたを想うと苦しい」っていうのはまさに!!で驚きました。そえが「入江琴子」になるとまたぴったりで……すごいなぁ、その診断。作った人はイリコトスキーか!?とすら思ってしまいました(笑)。

それに、愛を育んでいったーの方も、こんなにうまくハマる診断結果になるんですね♪
もしや、イリコトは理想のツンデレの代名詞!?(←私的にはそれくらいの存在ですが・笑)

面白い診断結果、ありがとうございました!

>あやみくママ様 

>あやみくママ様

え、え!?何もないですよ!?
強いて言えば春休みに入って自由時間がなくなってしまって、思うように更新できないくらいで(汗)。
あのお話、読めないですか!?
もしお時間がありましたら、その後読めているか教えてくださいませ~(><)!

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>あやみくママ様 

>あやみくママ様

いえいえ、お忙しい中さっそくご連絡くださり、ありがとうございます!
昨日…は特に何も作業しておらず、FC2からも何もなく……な、何なんでしょう、その現象。なんだか嫌ですね(汗)。
無料レンタルの身ですので贅沢は言えませんが、ううう、なんだかスッキリしないような!?

でも、今は読めるとのことで安心いたしました。
ブログの閲覧から私の体調等までお気遣いいただき、本当にありがとうございます!
本日は深夜頃、また諸々の作業(笑)いたしますのでよろしくお願いいたします(^^)!
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