*初恋*

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 バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-前- バカップルの子供の買ってきたモノ
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「バカップル」
バカップルの子供

バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-後-

 
 バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-前- バカップルの子供の買ってきたモノ
バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-後-





 お次は八百屋である。
 琴美はふんふん♪と鼻歌を歌いながら歩いていたが、道端に咲いている花を見ようと身を屈めた時、財布を入れたポシェットから小さながま口財布を落としてしまった。
 チャリンチャリーン、と転がる小銭。
 琴美は慌てて拾いに動いたが、それを助けてくれたのは親切な金髪のおばさんだった。先ほど、ドラッグストアでもお世話になったおばさんである。
 琴美は父そっくりの記憶力でそれに気づき、琴子そっくりの可愛らしい笑顔を浮かべた。

「ありがとうございます!」
「イイエー、気ヲツケテネ☆」

 金髪のおばさんは、琴美の代わりに拾ったがま口財布を差し出した。
 心なしか財布が膨らんだ気がしなくもないが、琴美は気づかない。
 そして再び八百屋に向かって歩き出した。



 
 メモには「にんじん・おとうふ」と書いてあると記憶していた。だが、今度もやっぱり知らないものがある上に、なんだか品数が増えている。
 琴美は、今度もやっぱりお店の人に聞くことにした。

「おじさん、これ何て読むの?」
「おう、これは…納豆だな!」
「じゃあその、なっとうと、にんじんと、おとうふと、やまいもと、オクラとしょうがと、ニンニクください!」

 随分と精力のつきそうな食材ばかりである。
 買い物バッグに商品を入れてもらい、お金を渡す。おつりを返そうとして、おじさんはふっと買い物バッグの中を見た。
 目立つのは、妙に黒い箱に金文字の入ったものである。それと一緒に入る精力増強に効果の高い野菜たち。

「……」

 八百屋のおじさんは、見てはいけないものを見てしまった気分になった。
 これが脂ぎったオヤジの持ち物なら納得なのだが、あどけない幼女が持っているかと思うと心配になる。

「お嬢ちゃん、重そうだね。おつかいかい?」
「うん!一人でね、初めてのおつかいなの。ばぁばが考えてくれたものを買いに来たんだよ!」
「へえ…おばあちゃんがねぇ」

 自分が使うんだろうか。そう思った八百屋のおじさんだったが、そこで彼は琴美がよく来る客の孫だと気が付いた。
 そう、琴美は紀子ともよく買い物に来るのである。琴子が仕事をしているから当然と言えば当然なのだが。
 なので、八百屋のおじさんはすぐに自分の考え違いを理解した。
 これらを買い求めるのは確かに「ばぁば」なる奥様だろうが、必要とするのは違う人のはず。
 八百屋のおじさんの脳裏には、童顔の可愛らしい若奥さんと、男から見ても驚くほど端正な顔立ちの若旦那が浮かんでいた。

「じゃ、気を付けて帰りなね」

 電信柱の陰に潜む怪しい金髪女性を見つつ、八百屋のおじさんは琴美をそう言って送り出した。
 意気揚々と帰って行く琴美は、大任を果たしたことを誇らしく思っているだろう。
 重たい荷物も何のその、小さな背中は勇ましい。
 そして、その琴美の数メートル後ろをこそこそとつけて歩く金髪女性の正体に気付いた彼は、思わず苦笑してしまった。

(奥さんも大変だなぁ)

 何が、と言わないのは彼の良心だったかもしれない。



       

                 **************





「ただいまー!!」

 入江家に、小さな主婦の声が帰ってきた。
 紀子が変装してついて行ってくれていることはわかっているが、ずっと落ち着かずにただ帰りを待っていた琴子は、リビングからすっ飛んで出ていく。

「おかえりなさい!」

 玄関でニコニコしている琴美の後ろを、金髪のカツラを取った紀子がこそこそと裏口に回るために通り過ぎるのが見えた。
 琴子はちらっとそれを確認し、素知らぬふりをして玄関を閉める。
 ほどなくして、キッチンの方から物音がして、さっとエプロンをつけた紀子が出てきた。

「あらぁ、みーちゃん!おかえりなさい!」
「うん、ただいま!」

 靴を脱ぎ、琴美が「んっ」と得意そうに買い物バッグを差し出す。
 ありがとうと受け取った琴子は、自分が記憶していた買い物以外のものに気付いてぎょっとした。
 豆腐と人参を頼んだ記憶はあるが、納豆やニンニク、オクラ、山芋、生姜は記憶にない。
 それに何より。

『精力増強!馬之介』

 目を疑う、とはこのことだ。琴子は思わず買い物バッグを取り落しそうになり、慌てて腕に抱えた。
 そして、琴美の声を聞きつけて書斎から出てきた直樹を見る。犯人はまさか?と思ったのだ。
 …が、どうも濡れ衣だったらしい。

「なんだ、それ」
「…入江くんじゃないの?」
「俺なわけねーだろ!」

 言われてみれば、こんなもの使わなくたって十分なほど、直樹は元気いっぱいである(色んな意味で)。
 琴子は思わず、直樹の下腹部を見た。
 そして

(あ、あたしったら何て場所をっ)

 と慌てて目をそらすも、視線は籠の中に注がれており、直樹は誤魔化されなかった。
 何を考えたか後でじっくり聞かせてもらおうと思いつつ、直樹は琴美の頭を優しく撫でた。それから、自分たちを見ながらニマニマと笑っている紀子を一睨みする。
 昨日、琴子が紀子と考えていた買い物メモを直樹も見ていたので、琴美の買ってきたものが記憶と合わないのはすぐにわかったのだ。だが、琴美が勝手にこんなものを買ってくるはずがない。恐らく、途中で誰かが――早い話が紀子が――メモを差し替えたのだろう。
 大体、琴子が最初に持たせたお金でこれだけのものが買えるはずがないのだ。
 途中で紀子の魔の手が伸びたとしか思えなかった。

「偉かったな、琴美。重たかっただろう?」
「うん。でもね、みーちゃん強い子だから!これくらいへっちゃらよ!」

 ニコニコと嬉しそうに、誇らしそうに胸を張る琴美に、琴子も気を取り直して微笑む。
 籠に入っているものは少々…いや、かなり予想外ではあったが、琴美が頑張ったことは事実なのだ。手放しで褒めてあげたい。

「素敵だね、みーちゃん。さ、買ったもの冷蔵庫に入れに行こうか」

 琴子がそう誘うと、琴美は大きく頷いた。
 だが、それを直樹が遮る。

「いや、琴子は話があるから部屋に来いよ。お袋、琴美を見ててくれ」
「あらあら……ええ、いいわよ」

 何か察することでもあるのか、紀子がにんまりと笑って琴美を抱きあげた。
 え、と琴子が固まる目の前で、直樹は琴美の買って来てくれた荷物の中から『精力増強!馬之介』を抜き取る。
 黒いボトルに輝く金の文字が妙に眩しい。

「折角琴美が買って来てくれたんだから、一本もらうな?」
「うんっ」

 大好きな父親にそう言ってもらえて、役に立てたのだと琴美は満足そうだ。
 反対に、琴子の方はげんなりとした顔をしていた。

「…もう十分だと思うんだけど」

 ぽそっと呟いたが、もちろんそんなのは誰も聞いていない。いや、直樹は聞こえていたかもしれないが無視しているのだろう。
 直樹は琴子を米俵のように肩に担ぎ上げると、琴子の悲鳴と紀子&琴美の歓声も何のその、スタスタと部屋へと向かう。
 そして階段の途中で足を止めた直樹は、階下の紀子に向かっていつもと変わらぬ口調で言った。

「悪いけど俺たち大事な話があるから夕飯いらない。それと、朝も放っておいてくれ」
「ええ、ええ。わかってるわ、わかってますとも!」

 そりゃそうだろう。でなければ、メモを差し替えたりもしなければ、財布のお金を補充したりもしまい。
 ジタバタと暴れながらも抵抗を防がれ、これから恐らく…というより間違いなく『馬之助』使用の直樹に朝までコースとなった嫁を思い、紀子はルンルン気分で琴美を連れてリビングへと入ったのだった。
 



                   


「みーちゃん、またお使い行ってあげるね!」

 そう言って胸を張る琴美ではあったが、残念なことに、琴子が『二度とみーちゃんには頼まない』と思ったのは、翌日バスで出会った見知らぬおばあさんに「日本の少子化問題の解決のために頑張ってらっしゃるんでしょ」と応援された瞬間のことであったという―――。




END



というわけで、後編でした♪
みーちゃん、重たかったのに頑張ったねぇ。偉いよ、うん!
そして広まる、入江家の若夫婦の仲良しっぷり。世田谷にはこの夫婦の間に入ろうと思うようなお馬鹿さんはもう住んでないと思います(笑)
後編の琴美爆弾、みなさまの期待に添えたでしょうか…!?添えてるといいなぁ、と願っております。


もっと早く、いつもの時間くらいに更新したかったのですが、緊急メンテナンスとやらで更新できませんでした。
その頃に遊びにきてくださったみなさま、ご迷惑をおかけいたしました。
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*Edit ▽CO[20]   

~ Comment ~

ママったら笑 

更新ありがとうございます!
ママったらやってくれますね!笑
ママ主導のお使いだから何か起こるとは思ったけど笑。
読みながら笑いが止まりませんでした。
琴子はお気の毒だけど、ママが居る限り、入江家に「少子化」って言葉は無さそうですね。笑

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黒い箱の正体は・・・(笑) 

miyacoさん、こんにちは(*^^*)
更新ありがとうございます~!!

謎の黒い箱の正体は・・・“馬之介” だったのねっ!!(笑)
ネーミングを見た瞬間、笑い転げてしまいましたっ。
miyacoさんの素晴らしい発想力&センスに脱帽です。
確かに男性のモノの大きさを “馬並みの・・・” って、例えて言いますもんねっ(笑)
でも “馬之介” を服用した入江君を想像すると、何とも恐ろしいっ!!
琴子ちゃんは無事だったのでしょうか!?(汗)
紀子ママは相変わらず確信犯ですね~
何も知らず、達成感でご機嫌な琴美ちゃん&甚大な被害を被る琴子が不憫だわ~(涙)
今回も楽しいお話をありがとうございました❤

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こんばんは 

後編upありがとうございます!
精力増強?これ以上凄くさせたらどうなっちゃうの~?!入江ママ、無謀です…。直樹、有り難くゴチになってますけど、分かってますかぁ~?あなたはそんなの無くても充分ですからぁ(笑)
みーちゃん的には大役を立派に果たして上機嫌ですよね。2Fでこれからお話合いをするパパとママの邪魔しない良い子ちゃんだわぁ。

>REE様 

>REE様

もちろん、みーちゃんの後ろにママありですので♪
口出ししてないならともかく、半分(というより、ほとんど?)プロデュースしてますもんね(笑)そりゃ何事もないわけがない!
入江家ってことは…そういえば、裕樹くんだったその素質があるんですよね(野獣素質)。好美ちゃんも大変だ…(^^;少子化対策、個人レベルでかなりの頑張りですよね(笑)

>しょこら様 

>しょこら様

さらっと、なんという希望をぶちこんでかれることか(笑)
あまりの見事さに、思わず書き上げてしまったじゃないですか!つまるところ、いつものアレです、えろ注意なやつですが。
よろしければまた見にいらしてくださいね♪

>ちぃ様 

>ちぃ様

みーちゃんはよくわかってません。重たい荷物を頑張って持って帰ってきたことで満足してますから♪
翌日にはパパから目いっぱい褒められて、みーちゃんはホクホクだと思います(^^)ママは……起きられないでしょうけれども(笑)

ママがバレるのは変装が下手なのもあると思いますが、何より挙動不審なあの動きですよね!あれがなくてはママじゃない!とすら思っているので、今回もみーちゃん以外の人は「ああ…」と思いながら見ていたと思われます♪
バカップルの子供、思わぬリク(?)をいただいたので、このお話はあと1話続きます。よろしければそちらもご覧くださいませ(^^)

>michi様 

>michi様

え、え、そうですか?えへへ…(照)って、馬之介ですか(笑)!!
そうなんですよ、馬並みって言いますよね。入江くんはそれに近いに違いない、と思っております♪馬之介、6本パックだったんですよねぇ。琴子ちゃん、どうするんでしょうね(^^;

この続きは次回アップいたします(もちろん、いつものえろ注意です・笑)甚大な被害の、もう1つの結末を見ていってくださいませ。できれば本日深夜にでも、と思っておりますので(^^)

>narack様 

>narack様

きゃ~、ありがとうございます!!!(>▽<)
こんなんでも、narack様の息抜きになれば嬉しいです♪

馬並みのライオンって、なんてスゴイ例えを持ってくるんですか(笑)ぴったりですよ、それもまた!!
さすがnarack様です!
そういえば、確かにこの件に関しては入江くんの味方、多いですよね。なんでだろー…琴子ちゃんガンバレ!も同じくらい多いのですが、入江くんだから仕方ないよね☆という感じかも(笑)
こちらこそ、ありがとうございました!

>たーくんママ様 

>たーくんママ様

これ以上すごくさせると、時間が問題じゃなくなるっぽいですよ(笑)それは今日の夜にでも…♪
確かに、そんなもの使わなくても色んな意味で立派なのに…ですよね。琴子ちゃんは、さぞかし逃げ出したかったことと思われます(^^;
みーちゃんは、まだまだ琴美爆弾としての余力を残しています。まだまだやりますよ、みーちゃんは♪

>ひまわり様 

>ひまわり様

寝静まった頃っていいですよね(笑)私もこういうネタを書くときは深夜が筆が進む、と思っております。
って、この二人にそれぞれレポートですか!?ご、後日談でよければ書きあげてあるんですが…それで楽しんでいただけるでしょうか。あ、でもひまわり様の形式も捨てがたいので、どこかでお見せできるようにしてみますね♪

こうしてリクをいただけるとき、本当に恵まれてるなぁと思います。ありがとうございました(^^)

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

1パック6本です(笑)年長さんのみーちゃんには、かなり重いですよね(^^;
でも大好きな家族が喜んでくれるなら、と頑張る健気で純粋なみーちゃん!
それを出汁に琴子に襲い掛かる入江くん(笑)

強烈な印象を残すと、お店の人もけっこう覚えてたりするもんですよね。なので、八百屋だけでなく、ドラッグストアのお姉ちゃんも覚えてる可能性が高いです。
琴子ちゃんにユン○ル、いただきました♪使わせてくださいませ!
バカップルシリーズでは、何故か琴子ちゃんが一番まともな思考回路を持つのが特徴かもしれませんね(笑)

>むさぴょん様 

>むさぴょん様

むふふ…みーちゃんが本当に字が読めないとお思いでしょうか?むふっ、むふふふ(怪しい、というより変)!
可愛い可愛い琴子ちゃんは、お馬さんな入江くんに攫われてしまいました。
どんな様子で朝登場するか、ぜひ想像してみてくださいませ。可哀想だけど、ちょっと笑ってしまえるような形になっているといいな、と思っています(^^)。

>みえ様 

>みえ様

家電とかって、壊れる時は連鎖して壊れてくんですよね。とりあえずはお風呂で、大家さんもちだから良かったと思うべきなのか…でも、せっかくの結婚記念日なのにって思うと、本当に災難ですよね(><)お疲れ様でした…!そして、おめでとうございます♪
------------------------------
みーちゃんは無邪気に可愛く、入江ママは企みいっぱいで(笑)
今日やってましたね、本家本元!可愛いなぁと思いながら、これがみーちゃんで…テレビ放送でないだけよかったんだろうな、なんて思っていました。
朝の姿、きっとみえ様の想像が正しいですよ(笑)!なんせ約半日コースですから~♪いつものように日付が変わる頃、この続きのえろをアップできたらと思っておりますので、そこで確かめていただければと思います(^^)よろしかったら、ぜひ!お待ちしております♪

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>吉キチ様 

>吉キチ様

な、直…あはははは……ごふっ!!(笑いすぎて吐血)
確かに竹の如く真っ直ぐと、固く…いえ、失礼いたしました(笑)
馬之介使用→竹なら、入江くんも実験台になっても本望ですよね、きっと♪

>吉キチ様 

>吉キチ様

1本につき朝までだとして…きっと数えちゃいけないんです、うん(笑)
って、1本で2、3日もつんですか!?すごいパワーというか効能じゃないですか…!琴子ちゃん、ゆ、ユンケ○増やさないと!!(あれも1日に飲んでいい量が決まってるんでしたっけ?)

入江くんはもしかしたら「何かあるかもな」くらいは思ってたかもしれませんね。
琴子ちゃんは無垢なので、何も疑わずに送り出したと思いますが(笑)ママといい直樹といい、恐ろしい親子かも…(^^;
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