*初恋*

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 あたしを北海道に連れてって!-3- あたしを北海道に連れてって!-4.5-
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「長編」
あたしを北海道に連れてって!

あたしを北海道につれてって!-4-

 
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あたしを北海道につれてって!-4-







 カフェを出た琴子は、飛び出したはいいものの、軽く迷子になっていた。
 きょろきょろと辺りを見回し、来た道もわからなければ、直樹のいるであろう会場もわからなくなり、早くも半べそだ。
 
「いりえくん……いりえく~ん…うぇえ~…」

 子供顔負けに泣きながら、琴子は結局周囲をぐるりと回って、飛び出したはずのカフェの前に出てしまった。
 カフェの中では、店員にタオルを借りた深沢が憮然とした顔で身なりを整えている。
 まさか今から店内に戻る気などなく、琴子は人々の視線を浴びながら、親を探す子供のように辺りを見回す。
 行き交う人々は泣いている琴子に遠巻きに視線を向けるものの、誰も声をかけてこない。
 琴子は唇をきゅっと噛みしめて、直樹の姿を探した。
 会場まで帰れないのなら、ここで直樹を待つしかないと思ったのだ。
 この場所は伝えたのだから、直樹なら絶対に迎えに来てくれると信じていた。
 
「ひっく……ぇくん……」

 泣きじゃくりながら、琴子がふっと顔をあげた時だった。遠くに、頭一つ高い青年の姿を見つける。
 琴子は途端に顔を輝かせ、猛ダッシュをした。

「入江くんっ」
「琴子…!?」

 待っているだろうとは思っていたが、こんな風に弾丸のように飛び込んでくるとは思っていなかった直樹は、うぐっと呻きながら琴子を抱き留めた。
 琴子の頭が鳩尾にクリティカルヒットしたらしい。それでも顔色を変えないのはさすがと言うべきか。
 いや、そのことで文句を言うより先に、琴子が泣いていることに気づいてそれどころではなくなった、というのが正解だろう。
 
(あの野郎、俺の琴子に何を…!?)

 きつい目で琴子が走ってきた方を見れば、道路に面したガラスの向こうで、上半身をびっしょり濡らした深沢が不本意そうな顔をして直樹を睨んでいた。
 詳しいことはわからないが、水をかけたのは琴子で、そして深沢はそうされるようなことを言ったのだろうと推測される。

「琴子、どうした?大丈夫か?」
「い、いりえく…ふぇえ…っ」

 うわーん!と琴子が泣き出す。それをよしよしと宥めるように体を撫でてやりながら、直樹は深沢を睨んだ。
 その深沢も、カフェに居づらくなったのだろう。
 あんな風に女性に水をかけられて、堂々としていられる方が珍しいかもしれない。(それでも、身なりを整える程度に店内に残ったのは驚きだが。)
 深沢は琴子を抱きしめる直樹のところまで来ると、前髪についた水滴をピッと払い、直樹と対峙する。
 直樹はぎゅっと琴子の肩を抱き寄せ、深沢を見下ろした。
 背丈は直樹の方があるので、そうすると威圧感が半端ない。ぐっと怯みかけた深沢は、それでも負けじと睨み返していた。

「妻に何をしたんですか?」

 だが、この言葉には驚いた。

「つ、妻!?」

 素っ頓狂な声を上げて、直樹に抱きついている琴子を見る。
 童顔で、制服を着ていたら今でも高校生と言っても通用しそうな琴子が人妻……それは、深沢にとってかなりショックな事実だったらしい。
 ぱくぱくと口を開けては閉じ、琴子を指さしている。
 直樹はその姿を一瞥し、ことさら冷たい声で言い放った。

「ええ。琴子は俺の妻です。それで?琴子に何をしたんです?」

 直樹の言葉に、深沢は我に返った。このままでは一方的に悪人になってしまう。
 通行人の目も痛い。
 幼いあの日、琴子に罪をなすりつけて逃げたように、深沢は顔を引き攣らせた。

「僕は何もしてない!妻だっていうなら、ちゃんと管理しろよな!そんな女に用はないよ!」

 そう捨て台詞を吐き、深沢はダッと走って帰っていってしまった。
 直樹は姿が見えなくなるまで睨み付けていたものの、やがて、ぐすぐすと泣く琴子の肩を抱き、歩き出した。
 遠巻きにやりとりを見ていた人垣が、ささっと割れる。
 直樹は臆することなくそこを抜けて、宿泊先のホテルに戻ったのだった。





                   **************





 部屋に戻り、ベッドに琴子を座らせた直樹は、その前に膝をついて琴子を覗き込んでいた。

「おい、落ち着けよ」
「だ、ってぇ……ひ、酷いんだもんっ」

 うえぇ~ん、と泣きながら、琴子は深沢から聞いた話を話した。
 なるほど、確かに驚くような話ではある。だが、直樹は思ったよりショックを受けていないことに気付いていた。
 理由は簡単―――琴子が、自分の分まで悔しがってくれるからだ。
 もちろん自分だって悔しいと思うけれど、琴子が怒ってくれる姿を見ていると、次はこいつに笑顔を浮かべさせてみせるぞと思って力が湧いてくる。
 だから、悔しいけれどショックではない。
 これから先も、こういうことはあるだろう。今回は確かに残念な結果だったけれど、二度と最新技術が学べないわけではない。
 日本にいても、学ぶ機会があるかもしれない。
 そうでなくても、別のチャンスを狙えばいい。
 琴子がいるなら、何度でも挑戦できるだろう。
 直樹は心からそう思っていた。

「入江くんが一番だもん。誰が何を言ったって、あたしは入江くんが一番だって思うもん!ズルして取った一番なんて一番じゃないんだから!」
「…お前がそう思ってくれるなら、それで十分だよ」

 泣きじゃくる琴子を抱きしめ、ぽんぽんとその頭を撫でる。
 琴子はぎゅうっと直樹に抱きついた。
 そうしてお互いのぬくもりを感じあうように抱きしめあった後、琴子がぽつりと言った。

「ごめんね、入江くんと見たかったところ、深沢君と通っちゃったの……」
「別にいいよ。俺はまだ見てないし、違う奴と見れば感じ方も変わるだろ」
「ホントにそう思う?」
「思う」

 直樹がはっきり言い切ると、琴子はようやく笑みを浮かべた。
 直樹が愛してやまない、可愛らしい笑顔だ。
 その笑顔をようやく見られたことに安堵しつつ、直樹はがしっと琴子の腰を掴んだ。
 普段は鈍いくせに、動物的勘で二人の間に流れる空気が変わったことに気付いたのか、琴子が怪訝そうに直樹を見上げる。
 直樹はにっこりとほほ笑んだ。

「それはそれとして。あいつが言ってたことで1つだけ正解があるんだ」
「…?」
「奥さんの管理……お前が一から十まで従うような女じゃないのはわかってるけど、俺以外の男と出かけようとしたことだけは反省してもらわないとな?」
「え…」

 これは、まずい。100%…いや、120、200%くらいの自信でこの後のコトが予測できる!!
 琴子はさっと身を引こうとして、しっかり押さえられた腰にバランスを崩して後ろに倒れ込んだ。

「…バーカ」
「い、入江くん!今日はこの後平松教授達と食事に行ったりとか…」
「お前がいるってわかってるから、奥さん孝行してやれって平松教授が」

 こういう体勢でなければ嬉しいはずの気遣いなのに、押し倒されて服を奪われながらでは嬉しくない。

「教授もホント良い人だよなぁ。俺もあんまり奥さん孝行出来る方じゃないし?いい機会だから、ちゃんと奥さん孝行してやるよ」
「そ、そういうのって……してやるとかじゃなくって」
「じゃ、させていただきます」

 言葉を変えればいい、というものではない。
 思いっきり足を開脚させられて、琴子はヤダヤダと足をばたつかせた。 
 それを難なく抑え込み、直樹は密かに息づく秘花にキスをする。ぴくんっと琴子の体が跳ねて、直樹の髪をくしゃっと握った。
 教え込まれた快感を思い出したのか、それともこの体勢だけで感じてしまうのか、琴子がとろりと蜜を溢れさせる。
 それに舌鼓を打ちながら、直樹は低く、楽しそうに囁いた。

「奥さん孝行とお仕置き兼ねて、お前が泣いて喜ぶまでさせてもらうよ」
「……!!」

 いやぁ~~!!という琴子の声にならない悲鳴は、直樹の口に吸いこまれて消えた。






えろ直前でぶった切り(笑)
しかーし!ここは表だしカッコイイ入江くんがコンセプトなので、ここは敢えて、えろを抜かしてみたいと思っています。え?そんなの望んでないって…?

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~ Comment ~

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おはようございます。 

こちらも更新有難うございます。
ざまあみろ、深沢~♪です(笑)
直樹もしっかり釘刺してくれるし、それに琴子が一途に直樹を信じて、自分の分まで怒ってくれる様子に、もう琴子が可愛くて堪らないでしょうねえ。
その後の良い雰囲気のお2人さん、これぞ新婚さん~♪なのに、え?ここでまさかのエロ抜き?miyaco様も読者様も欲求不満で爆発しませんか~♪要らぬ心配でしょうか~?(笑)
風光明媚な北海道をバックにしたイリコトの続きを楽しみにお待ちしております。

おはようございます 

ほんと 嫌な奴ですね^^
やっぱり 駆けつけてくれて よかったです
直樹にとって 琴子は 分身なんですよね
自分にできない感情表現を代わりに…
まだ 旅はこれから~~ラブラブですか??

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笑えたっ!! 

miyacoさん、こんにちは(*^^*)
あちら&こちらと、連日お話の更新ありがとうございますv-345

琴子ちゃん、高慢ちきな深沢に水を浴びせたところまではキマってたのに、迷子というオチがっ・・・(笑)
まぁ琴子らしいと言うか、修学旅行以来の迷子ですねっv-356
入江くんの屈辱を自分の事以上に怒り悔しがる琴子。
そんな琴子を愛おしく思い、琴子の常に変わらぬ自分への愛をエネルギーに変える入江くん。
互いの存在が相乗効果を生み、正に一心同体の2人ですねっv-345
そんな2人の姿に心が温かくなりました。
この後の2人の北海道珍道中を楽しみにしています!!

こんばんは! 

更新ありがとうございま~す!
琴子・・・迷子未遂・・・また大事件かぁ?と一瞬思いましたが、社会人ともなれば少しは成長したようですね(笑)
それにしても深沢のアホタレはホントに嫌なヤツですね。琴子が人妻と聞いて、どうだ参ったか!と、なんだか清々しい気持ちです。
え~?!ここで寸止めなんて~、そんな御殺生な~(笑) 「カッコイイ入江くん」がテーマですものね。ここはグッと我慢?!直樹のお仕置きは脳内で軽く妄想しときま~す(笑)

>吉キチ様 

場馴れしてるのか、それとも、水をかけられて濡れたまま外に出たら注目を浴びてしまう!と変なプライドでも働いたか?どちらにせよ、琴子ちゃんのお相手になれるような男ではありません~。

教授のまさかの援護射撃に、琴子ちゃんは大変なことになってしまいました。
エロセーブ、やっぱあかん…ですか(笑)私もね、ちょっと物足りないなぁとウズウズしてはいるんです。
レベル2~3くらいなら表でもいいかな、とか……すでにレベル5+αをアップしておいてなんですが(笑)
ケダモノでないはずなんです。でも、一度そうなってしまったら、吉キチ様もよくご存知の通りになるかと…!?

>ひろりん様 

水ぶっかけられて赤っ恥で、ほんと、ザマーミロですよね!
琴子もやっと「妻宣言」してもらえて嬉しかったと思います♪なのに…まさかの教授アドバイスで、思いがけないエロ夜になりそうで(笑)
やっぱりここでぶった切るのは…お察しの通り、私もウズウズしております~。バレちゃってますね、完全に!
「風光明媚な北海道をバックにしたイリコトの続き」という一文なのに、何故か一瞬私の目は「風光明媚な北海道をバックにしたイリコトのエロの続き」と見えてしまい、明らかに禁断症状が出ているようdす(笑)旅行部分と含めて、書いちゃおうかな…。

>ひまわり様 

こんな嫌な奴と可愛い琴子ちゃんを一緒する時間が長いなんて、とんでもないですよね!
ほんと、入江くんが思ったより早く駆けつけてくれてよかったです♪

琴子が分身…確かに!その言葉がぴったりかもしれません。
ようやく学会が終わりますので、旅行はこれからになります。もちろんラブラブです!喧嘩なんてさせませんよ♪

>babaちゃま様 

そう、エロなしだと思ってたんですよ……思ってたんです、確かに!
でもこの、なんだか物足りない感。これはやはり、エロがないからではないかと思って…!?

入江くんも、感情表現豊かで優しい琴子が大好きなんですよね。私もジョセフ入江にはまりました!
そして、鼻が萌え要素として凶器になることも判明。恐るべし、ジョセフの鼻(笑)!!あと親指~!
琴子の顔を親指でなでなでしながら、鼻でつんつんして顔を近づけるシチュとかたまりません♪私は国内外限らずドラマって見ないのですが、たまにTVつけたらやってたので見るキスシーンとか、あのジョセフ入江とアリエル琴子のキスに比べたら子供だましだな、と思ってしまいました…。
入江くんも「あっち」の終わりを知りませんから、babaちゃま様のイタキス熱と一緒ですね♪

>michi様 

こちらこそ、ありがとうございます!もう全部にお礼です♪

かっこよく決めたかと思うと、詰めが甘くて抜けている。そこが可愛いところの1つだと思います♪
でも今度の迷子も、ちゃんと入江くんを見つけることができました!
愛のエネルギー……若干夜のアレコレに傾いていそうですが、確かにものすごいエネルギーになっていそうです(笑)
この語の二人の珍道中、今すっごい勢いで調べてます(笑)楽しんでいただけるといいな。

>たーくんママ様 

北海道で迷子になられた日には、描写しきれなくて私が倒れます(笑)
深沢はトコトン嫌な奴です。人妻と聞いてさすがに驚いたようですが、彼氏レベルだったら奪ってもOKって思ってるんですもん。敵です、敵。
ここはグッと我慢して…と思っていたのですが、我慢しきれませんでした(笑)
お仕置きというか奥さん孝行というかのエロは、書きあがり次第5話の前にアップしたいと思ってます。
結局エロからは逃げられない運命みたいです~。カッコよくても野獣は野獣ですもんね。野獣だって仕事しますしね(笑)

>先日は、の匿名様 

そのお気遣いに助けられました。ありがとうございます(^^)!
脳内でイリコトがあれこれしてくれる上に、こうして皆様とお話できるのが楽しくて続けていられるようなものです。これからもよろしくお願いいたしますね!

そしてそして…。
やはり、アレをお望みなのですね(笑)いえ、かく言う私もアレがないと落ち着かなくて、結局書いております。やっぱり人間、無理は禁物ですねぇ(笑)
5話の前にアップできるよう、ただ今絶賛エロ妄想中です♪

>祐樹'Sママ様 

>祐樹'Sママ様
「迷子の迷子の琴子ちゃん~、あなたの旦那はどこですか♪」という歌が聞こえてきそうです(笑)

妻宣言もして、琴子の可愛さを目にして。
そうなんですよ、もう押し倒すしかないんですよね。自重しようかと思ったのですが、その日のうちに無理だと判明したのでただ今そっちを書いてます(笑)
そして、これで学会が終わりますので、後は北海道旅行です♪せっかくタイトルに入れたので、もちろん北海道回ってもらう予定です(^^)と言っても、学会会場が札幌なので、1日2日で行けそうなところって限られてしまうんですけれども…。
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