*初恋*

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 バカップル、家族計画講座を任される!? あたしを北海道に連れてって!-2-
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「長編」
あたしを北海道に連れてって!

あたしを北海道に連れてって!-1-

 
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あたしを北海道に連れてって!-1-







「お願いします!神様俺様入江様!!」
「…お前も入江だろうが」

 リビングで寛ぐ直樹の足元で、琴子が平伏している。
 悪代官に何かを頼む平民のようだ。裕樹も本を読みながらそこにいるのだが、呆れたように琴子を見ていた。
 その視線に、義姉に対する尊敬の念はない。

「お前、プライドはないのかよ」

 そんな裕樹のツッコミにも負けず、琴子は直樹の足に縋り付く。
 直樹がぎょっとして足を見るが、スッポンのようにしがみ付いた琴子は離れなかった。

「お願いお願い!あたし、入江くんとどこか行きたいの!できれば泊まりで、二人っきりで!」
「無理」

 直樹の答えは簡潔だった。
 コンマ3秒で返ってくる。けれど、それでめげる琴子ではない。

「あのね、あたし3、4日なら夏休み取れそうなんだ。西垣先生に聞いたら、入江くんもそれくらいならって」
「そう上手くいくはずねーだろ」

 静かにコーヒーカップを傾け、直樹は冷静に答えを返した。
 かれこれ三十分はこんなことをしているが、直樹の答えは一向に変わらない。
 でも、琴子も引かなかった。元からしつこい方だが、今回はどうしても行きたいのか必死だ。
 というのも、二人きりで出かけたのが、新婚旅行のハワイと紀子の実家の九州旅行だけだと聞いた桔梗達に大笑いされたのだ。
 いつもの茶化しである。アンタ愛されてないわ~、とまで言われて、琴子は酷く憤慨していた。
 そうではなく、直樹は忙しいだけだと主張してみるも、誰も信じてくれない。
 確かに西垣などは忙しいと言いつつも出掛けているようだし、研修医ではなくなった直樹も、西垣ほどは出来なくても少しならまとまった休みを取れそうなものだ。
 えぐえぐと泣きながら訴える琴子に、キッチンから紀子が援護射撃に入る。

「お兄ちゃん!可愛い妻のお願いをどうしてそう無視するの!」
「……」

 じろ、と直樹が紀子を見る。我が息子ながら可愛くない視線だわと思いつつ、紀子は腰に手を当てて直樹を見た。

「いいじゃないの、可愛い妻をバカンスに連れて行くくらい。甲斐性のない!」
「俺も琴子も、ほいほい休みを取れる仕事じゃないんだよ」
「それにしたって、一週間海外に行きたいなんて言ってるんじゃないんだから、努力しようとしてみなさい!」

 可哀想な琴子ちゃん、と琴子を抱きしめる紀子を横目で見て、直樹はこれ見よがしなため息をついた。
 だが、直樹も仕事にプライドを持っている。
 術後の患者を抱える可能性が高い中、旅行なんて計画できるはずもない。
 それに、破るかもしれない約束で琴子に期待させて、後でがっかりした顔を見る方がずっと嫌だった。

「ともかく、無理なモンは無理。諦めろ」

 直樹はすげなく言い切ると、勉強するからと書斎に向かう。
 残された琴子の恨み声と、紀子の演技がかった同情の声を聞きながら―――。




 そんな琴子と紀子の執念が勝ったのだろうか。
 数日後、直樹は平松教授に北海道での学会に誘われていた。
 直樹がこの先目指している、小児外科の学会である。
 日程にも余裕があるそうで、その前後1日くらいなら滞在を伸ばすこともできそうだという。
 それを聞いた瞬間直樹の頭に浮かんだのは、お願いと訴える琴子の顔だった。
 旅行というのは、どうせ下らない理由から思いついたのだろうけれど、自分と二人きりで出かけたい、というのは常に彼女が言っていることである。
 直樹はそう思った瞬間、ぱぱっと北海道での行動を思い浮かべていた。
 平松教授は前泊するというが、それを当日の早朝の便で飛んで、その分を学会終了後の休みに回してもらえないだろうか。
 西垣の許可も必要になるだろうが、何とかならないこともない気がする。
 
「平松教授、ちょっと相談があるのですが…」

 直樹は思い切って、平松教授に声をかけた。頭には、琴子の喜ぶ顔を浮かべて…。




 
                  ****************





「…というわけで、オマケでよければ連れてってやる」

 帰ってくるなり朗報を聞いた琴子は、飛び上がって喜んだ。
 っきゃ~!!!と歓声を上げて、直樹に飛びつく。琴子が急に飛び上がったものだから、リビングのソファーが音を立てて軋んだ。

「ほんと、ほんと!?入江くん、ほんとに連れてってくれるの!?」

 耳元で騒がれて、直樹は鬱陶しそうに琴子を振りほどこうとした。
 平松教授に聞いた時は間違いなく琴子の笑顔を浮かべていたのだから、素直に一緒に喜んでやればいいものを、相変わらず素直ではない男である。
 もっとも、そんな抵抗に負ける琴子ではなく、ぎゅうぎゅうと直樹に抱きついて喜んでいた。

「ありがとう入江くん!ありがとー!」
「…耳元で騒ぐな!」

 大きな目をキラキラさせている琴子を見て、直樹も思わずそれ以上文句も言えなくなる。
 予想通り…いや、それ以上の喜びを見せてくれる琴子が可愛くないはずがない。
 琴子の態度に絆された、という態度を見せつつも、直樹は何故か琴子を抱き上げた。

「その代り、ゆっくりはできないぞ。滞在も伸ばせて1日、2日だ」
「うん!それでいい!入江くんと二人でお出かけできるならいいの!」

 正確には二人きりではないのだが、琴子が気にしないなら直樹は気にしない。
 直樹はさらに琴子に釘を刺した。
 
「学会中は多分相手できないし、お前をホテルに留守番させることもあると思うけど?」
「うっ……そ、それは…いい子にしてます」
「あっそ」

 それに関してはあまり期待していない様子で、直樹は琴子を抱えたまま歩き出した。
 琴子がどこに行くのかと不思議そうに直樹を覗き込む。
 トントンと階段を上るに至って、ようやく寝室に向かっているらしいことがわかった。

「い、入江くん…?」
「俺さぁ、本当はその学会は前泊する予定だったんだよな」
「そうだったね、確か」

 それは琴子も覚えていた。
 学会の前日は琴子は休みを取って、羽田まで見送りに行こうと思っていたのだから間違いない。
 それが今、何の関係があるのか。
 部屋についてベッドに下ろされても、琴子はよくわからなかった。

「けど、それを学会の最後にずらして休みを一日確保することにしたから、当日は朝一で飛ばなきゃなんないんだ」
「そうなの?」
「そう。で、俺はその前日仕事……可哀想だと思わないか?」
「お、思うか思わないかで言われたら、思うけど…」

 あれ?と琴子はようやく自分の置かれた状況に気付いたらしい。
 直樹が服を脱ぎ捨ててようやくだから、琴子の鈍さは健在だ。もっとも、思った通りに事の運んだ直樹は満足そうに琴子を組み敷いていたが。

「じゃ、頑張る俺に奥さんから労いをもらってもいいよな?」
「え、それとこれとは……んぅ…」

 琴子の唇が優しく塞がれる。
 キスが徐々に深くなるにつれ、琴子は諦めたように直樹の背中に腕を回した。
 明日も仕事でしょ、とか。あたしだって明日は仕事なのに、とか。
 そんな無粋な言葉は全部忘れてしまうくらい愛されて、琴子は半ば気を失うように眠りに落ちる。

「…張り切って準備しすぎるなよ」

 笑いながらそう囁く直樹の声を聴きながら―――。






はい、というわけで!(どういうわけだ)
入江くんをカッコよく書こうと思い立ちまして……だってだって!当ブログの入江くん像ときたら!
ちょっと掻き出して(←エロ文の書きすぎ)書き出してみましょう。

1・天才(これはOK)
2・実は琴子にベタ惚れ(これもOK)
3・羞恥心があんまりない、を通り越してほとんどない(あれ?)
4・絶倫(おかしいぞ)
5・野獣(え!?)
6・鬼畜(あれれ!?)
7・ドS(ちょ、どうして!?)

ね、ほら、おかしいでしょう!だから、真面目にカッコいい入江くんを書いてみようと思ったのです!…挫折する可能性大ですが(笑)

修学旅行のお話の後、結婚後の二人の旅行というお声をいただきまして、それに絡めてみました。
カッコいい入江くん(多分)と琴子ちゃんのプチ旅行、お楽しみくださいませ(^^)



 
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~ Comment ~

楽しみです~ 

琴子の希望が 叶って旅行できてよかったですね
でも 安心できないんですよね…
どんな 妨害が 起きるか ドキドキです
波乱万丈の予感が します^^
おてやわらかに お願いします

カッコいい入江君・・・?楽しみ♡ 

新作有難うございます♡この時期の北海道ってきっと素敵ですよね♪琴子ちゃんはもう夢見る少女の状態で大興奮じゃないでしょうか?

追記 

途中で送信しちゃったみたいですいません~((+_+))
えっと、続き・・・
入江君は嫌そうな態度取りながら実は内心は凄くこの旅行が嬉しかったりして。きっとそうですよね。いくら入江家が仲良しでも新婚さんなんだからたまには2人でゆっくりしたいでしょね。
それにしても、旅行のご褒美でオネダリしなきゃならないくらい、普段は琴子に御無体働いて敬遠されてるの?あ、すいません、コメもついついいつもの調子になってしまって・・・(笑)今回はカッコいい入江君、と呪文を唱えながらコメも気を付けないと♪続き楽しみにしてます~♡

>ひまわり様 

なんだかんだ言って、琴子の希望を叶えちゃうんですよね。入江くんは♪
今のところ全5話ですので、それほど波乱は起きないはずです(笑)折角の旅行がトラブル続きじゃ、琴子が可哀想ですもんね!

>ひろりん様 

よくあることですからお気になさらず♪
ちょっとしたドタバタの後はラブラブを入れたいと思います♪二人でラブラブ…どうなるかは見えてますが(笑)
ご無体を働いているせいでオネダリするしかなかったのか、それとも、それは単なる口実で常にガオッてるのかわかりませんが、どっちにせよ、琴子ちゃんはとこちゃんベルトが手放せないままかも!?(あれ、骨盤云々関係なく腰が楽でした…笑)
大したことは起きませんが、お楽しみいただけるといいな~。

>紀子ママ様 

野獣で羞恥心がゼロの入江くんでも大丈夫だなんて…なんと懐の深い(笑)!!
でも私も、黙ってたらモデル顔負けでツンツンなのに、実は内心(脳内)は琴子一色でデレな入江くんが好きなんですけれども♪
そんな彼を今回かっこよく見せようとするんだから、自分でもハードルあげたなぁとうい感じです(笑)

こんにちは! 

新作upですね。ありがとうございます!
かっこいい入江直樹ですかぁ~? それもアリで見たいですけど、あとがきの3~7の直樹も私的には全然アリで、むしろそういうの直樹の方が私にはごく日常だったりします…私、壊れてますかぁ~?(笑)
北海道プチ旅行、何も起こらないわけがないはず!楽しみにしてま~す!

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>たーくんママ様 

かっこいい入江直樹ですよ~!…挑戦ですので、どうなるかわかりませんけども(笑)
3~7の彼でアリとか、たーくんママ様も懐が深い!壊れてるというか、このブログに毒されてきてませんか?大丈夫でしょうか!?元からならいいんですが♪(いいのか)
北海道プチ旅行は、言葉足らずな入江くんとのプチすれ違いと、イチャラブの旅の予定です!

>吉キチ様 

そうなんですよ、内心一番喜んでるくせに~!ですよね。相変わらずツンデレです(笑)
二人きりで旅行ですよ。しかも、掃除洗濯気にしなくてよくて……シーツとか大変そうですよね。
「変えてくださーい」って電話するのかな。琴子はできませんから、入江くんが?まさかね…?なんて(笑)

珍夜に直樹7条(真面目な感じがありますが、内容はアレなんですよね・笑)は欠かせません。
何してもらおうかなー・・。

>祐樹'Sママ様 

>祐樹'Sママ様
疲れが抜けない時って、本当にどれだけ休んでもダメですよね。疲れてる時は、何も考えずに読めるお馬鹿話か、シリアス度のないお話がいいと思います♪これで楽しんでいただけたり、気分転換していただけると嬉しいです(^^)
本当は琴子を連れてくことが嬉しいくせに、素直じゃないですよね(笑)
楽しい北海道旅行の前に、美味しい前菜をいただく魔王様…恐ろしや。旅行先でだってするくせに~!
ちょっと予定が伸びて、全6~7話くらいになりそうです。ぜひお付き合いくださいませ!
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