*初恋*

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「バカップル」
バカップルの子供

バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-前-

 
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バカップルの子供、初めてのおつかいに行く-前-





「みーちゃん、本当に大丈夫?」
「うん!」

 小さなリュックサックを背負い、満面の笑顔で玄関に立つ琴美を前に、琴子は心配そうに顔を曇らせていた。
 先日テレビで放送していた「はじめてのおつかい」を観た琴美が、自分もできる、やりたい!と言い出したことによる、本日のこの騒ぎ。
 琴子は反対だったのだけれど、意外と直樹は賛成で、紀子も「あたしがビデオを撮りつつ追いかけるから大丈夫よ!」と言ってくれたので、最終的にやらせてみることにしたのだ。
 とはいえ、心配でないわけがない。
 
「いい?ドラッグストアに行って、裕樹お兄ちゃんの花粉症の薬を買ってきてね。それから八百屋さんで人参とお豆腐ね」
「うん。メモあるんでしょ?」
「リュックに入ってる。おつりをもらうの忘れないでね、知らない人についてっちゃ駄目よ?」
「わかってるよ!ママったら心配性ね!」
「あのね、琴美…」

 心配してこそ親である。が、そんなもの子知らずなのは有名なこと。
 琴美はあれこれ心配している琴子をよそに、さっさと玄関から出て行ってしまう。琴子は慌てて追いかけた。

「大蔵駅行きのバスよ!」
「わかんなかったら運転手さんに聞くから平気ー!」

 琴子よりよほどしっかりしているかもしれない。
 琴美はにこにこと笑ってそう答えると、元気よく「初めてのおつかい」に出かけて行った。
 そうして琴美が出かけて1分後、いつもの奇妙な変装ではなく、直樹プロデュースによる見事な変装でブロンド女性になった紀子がいそいそと出かける。

「お義母さん、よろしくお願いしますね」
「ええ、任せてちょうだい!」

 秋葉原で買ってきたという小型カメラを仕込んだハンドバッグを手に、紀子がすっ飛んで出て行った。
 琴子はドキドキしながら、どんどん小さくなる娘と義母が見えなくなるまで玄関先に立っていた。





                   ****************






「だぁ~れにもぉ~まけないぃ~~」

 少々調子はずれな歌を歌いながら、琴美が歩いていく。
 挨拶だけはしっかりね、と言われている琴美は、すれ違う人みんなに「こんにちは!」と言いながら歩いていた。
 その少し後ろを、紀子が歩いていく。
 賢い琴美は難なく最寄りのバス停に到着すると、すでに覚えていた「大蔵駅」と読めるバスに乗りこんだ。
 幼児の一人乗りは禁止されているが、琴美が乗り込んだ後紀子がさも、自分の連れであるかのように振る舞ったため、運転手から特に言われることなく済む。
 二人掛けの席の奥に詰めて座った琴美の、一つ後ろの席に紀子は座った。
 バスが走りだし、見慣れた景色が遠ざかっていく。それでも琴美は泣かなかった。
 余程今日のおつかいが楽しみらしい。
 いくつかの停留所が過ぎて、またどこかの停留所で停まって人が乗ってきた。人の良さそうなおばあさんが琴美の隣に座る。

「お嬢ちゃん、ひとり?」
「うん!あのね、はじめてのおつかいなの!」
「おやまぁ」

 にこにことした琴美は、元の造作も可愛らしい。おばあさんもあっという間に虜にされたようだ。

「お母さん心配してないの?」
「してたよ。でもね、みーちゃんがやりたいことだったし、パパもいいよって言ってくれたから」
「そうなの、良かったわね」
「ママはパパには勝てないの。だって、すぐにあーんあーんって泣かされちゃうもん」
「えっ…」

 おばあさんは心配になった。頭によぎるのは家庭内暴力の文字である。
 だが、琴美は笑顔だった。

「ママね、ベッドの上でいつもあーんって泣かされちゃってね、みーちゃんはそういう時はばぁばと寝てるから見たことないんだけど、放っておいていいんだって秋子先生が言うから気にしてないんだ」
「ああ…そういうこと」

 とんでもない濡れ衣を、顔も知らない目の前の女の子の父親に着せてしまうところだった。
 だが、どちらにしても赤面せずにはいられない。秋子先生とやらは幼稚園の先生だろうか。もしそうなら、幼稚園の先生にまでこの話は知れ渡っているということになる。
 そして、放っておいていいと言うほど聞かされたと思われ、おばあさんは誰に同情していいのかわからなくなってしまった。
 こうなると、おばあさんに言えることは一つしかない。

「…パパとママは仲がいいのね」
「うん、みんなそう言う。みーちゃんもそう思う!」

 みんな知ってるんだ――狭いバスの車内で何気にやりとりと聞いていた人々は、揃ってそう思ったという…。



 
 さて。
 終点である大蔵駅前にバスが着き、琴美は琴子そっくりの跳ねるような動きでバスから降りた。
 まず目指すはドラッグストアである。
 バスロータリーの前にあるドラッグストアは、琴美も琴子とよく来る場所だ。
 迷うことなくそこを目指し、裕樹の花粉症の薬を探す。
 他にもメモには「ばんそうこう」と書かれており、琴美は念のためと、リュックサックからメモを取り出した。
 チャックを開けて、メモを掴んで……その時、ひらりとメモが琴美の手から滑り落ちる。

「あ!」

 琴美が慌てて拾おうとすると、見知らぬ金髪のおばさんが代わりに拾ってくれた。

「ドーゾ。コレ、オ嬢サンノネ?」
「ありがとう!」

 琴美はハキハキとお礼を言って、メモを受け取った。
 
「えっとぉ…裕樹お兄ちゃんの花粉症の薬と、ばんそうこうと……あれ?こんなのあったっけ?」

 メモには、琴美が知らないものも書かれていた。しかも漢字だらけで読めない。
 これは店員さんに聞かないと駄目だと思い、琴美は店内を探して店員を見つけるとメモを差し出した。

「あの、ここに書いてあるものください!」
「はいはい、何かしら?」

 年若い女性の店員さんが、可愛らしい買い物客に愛好を崩しながら応える。
 だが、その顔はすぐに真っ赤になり、まるでいけないものを見てしまったかのようにキョロキョロと周囲を見回した。
 が、メモを差し出したのが明らかに目の前の子どもだと確認が取れると、慌ててどこかへ飛んでいく。
 そして黒っぽい箱と一緒に他のものも掴んで来ると、他の客の目から隠れるように琴美を奥のレジへと案内してくれた。

「ちょ…ちょっと重いけど、頑張ってね」
「うん、ありがとう!」

 ちゃんとおつりとレシートを受け取って、琴美はドラッグストアを後にした。





そんなわけで、みーちゃんの「はじめてのおつかい」です。まさかこれで終わるはずがない!?(笑)
と言っても、後編に何かすごいことがあるわけでもないのですが。
単に長くなったので前後に分けただけですので、妙に長いなぁ…と思いながら見ていただくと丁度良いかもしれません(^^;

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~ Comment ~

何?漢字? 

楽しいお話ありがとうございます!
琴美は一体何を買ったの??漢字?店員さんが赤面?な、な何かとんでもないもの??気になりますぅ~笑。後編楽しみに待ってます!

こんにちは 

おっ!バカップルの子供…“爆弾娘”琴美の登場ですね(笑) 薬局での女店員とのやりとり…気になります。紀子がメモすり替えてる?そのブツは何?? 紀子はホントに策士だからっ!後編upが待ちきれな~い!!

もしや!? 

miyacoさん、こんにちは。
あちらとのダブル更新ありがとうございます~!!

琴美ちゃん、しっかりしてますね~
こういう所は、流石直樹と紀子ママの血をしっかり受け継いでいるな~と感心してしまいます。
前回の鈴木夫人の短冊に続き、今回はバスの乗客にイリコト夫妻の秘め事が知れ渡ってしまい・・・(汗)
既に入江家は大企業の社長宅というだけでなく、違う意味で世田谷界隈で知らない人はいない家になっていそうですねっ!!
バスの中の出来事はまだ軽いジャブ程度で、ドラッグストアでまたまたひと騒動ありそうですが・・・(笑)
うら若き女性店員が真っ赤になり、漢字で書かれた物って・・・もしや“避○具”or“妊娠検査薬”?
とは言え、まさか琴子がそんな物を琴美ちゃんに買わせる筈はなく・・・
もしや琴美ちゃんがメモを落とした際、紀子ママがすり替え手渡した!? 或いは行く前に書き足した!?
次回、どんな爆弾が飛び出すのか、楽しみだわんっ!!(笑)

>REE様 

>REE様

かわゆい琴美ちゃんは、一体何を買ったんでしょう?どうやら、ママである琴子は知らないもののようで…?
それは後半に明らかになりますが、そんな期待するほどのものではないかも(笑)
後編は明日の晩にアップしますね♪

>たーくんママ様 

>たーくんママ様

爆弾娘…ほんと、そんな感じです(笑)
さっそくバスの中で小さいの落としてくれてますし、この後はどこで何をするんでしょうね(^^;
ママの策士っぷりに皆様が気付いてくれて、実は密かに喜んでおります♪
後編は明日の夜にでも!ただいま微修正中です~(^^)

>michi様 

>michi様

あっちとこっちと、ダブルで更新です♪

そう、ただの爆弾娘ではないのです。だって、入江くんの娘でもあるんですから!やっぱり一般的にイメージされる幼児(作中では5~6歳の年長児をイメージしてます)よりも大人びてる気がして。
世田谷界隈では、入江家は有名でしょうね(笑)そりゃもー間違いなく!タクシーで「入江さん家」と言えば迷わず連れていってもらえそうです。

まさかの紀子ママも、みーちゃんにそんなものは買わせないと思いたいのですが、どうかな?ここはやはり、ママが暗躍してそうですよねぇ。
次回の爆弾は小型かもしれませんが、琴子ちゃんには効果大なはず(笑)
楽しんでいただけるよう、ただいま微修正中です♪アップは明日の夜…かな?

>とくめいきぼう。様 

>とくめいきぼう。様

黒っぽい箱…そして恥ずかしがる店員。一体なんでしょうね(笑)しかも重たいそうですよ…ふふふ…。

さて、ご質問の件ですが(別に隠してるわけじゃないのでお返事をば)
いわゆる別館ですが、出来ればこの夏に…と思っていました。ところが、私は計画停電の対象地域に住んでまして、この先どうなるかわからないのかな?と思うと、踏み切れずにいます。大事なアドレスを一時でもお預かりする以上、お返事に時間がかかるようなことはしたくないのです。
でも、ご希望が多いのなら…?とも思ったり。
今、自分でもどのくらいの需要があるのか全く読めず、それも足踏みの理由の1つでもあります。
そんな感じで、全くの未定であるのが別館募集で……ごめんなさい、はっきりとお答えできなくて。
もし募集するとしても、またも短期間のご案内になると思いますが、その際はお見逃しなきようお願いいたします(^^)とくめいきぼう。様から1件のご希望が入ったので、少し前向きに検討してみますね。

>ひまわり様 

>ひまわり様

夫婦の密事と喧嘩…どっちでしょう。その内容にもよる気がしますが、確かにドキドキしちゃいますよね(笑)。ああ、この人……なんて目で見てしまいそう!
秋子先生(早い話が秋子ちゃん♪)は、イリコトを知ってるので「ああ、またか」くらいにしか思ってないかもですが、他の父兄はいけない想像(この言い方気に入っちゃいました♪)にドッキドキかも、ですよね。ぷぷぷっ!
ひまわり様のコメントを読んでいたら、ちょっと秋子先生目線を妄想したくなってしまいました。第三者目線が好きなもので…もし形になったら、それはひまわり様のお蔭です(^^)

>紀子ママ様 

>紀子ママ様

え、私のせいですか(笑)!?みーちゃんの爆弾娘気質(?)のせいでしょう~♪

そうなんですよね、このシリーズに関しては、同情すべきは唯一まともな琴子ちゃんですよね(^m^)ププッ
一体、みーちゃんは何を買って帰ったのでしょう…そして、それはどういう結果をもたらすのか!?(と毎度の如く盛り上げますが、きっと大したことにはなりません・笑)
ただ今絶賛修正中ですので、しばしお待ちくださいませ♪

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>narack様 

>narack様

いやいや、お忙しい中ありがとうございます!

みーちゃんは歩く琴美爆弾ですから、容赦ありません。琴子ちゃん、恥ずかしいんだろうなぁ…って、だからと言ってみーちゃん爆弾が終わるはずもないのですが(笑)
あのママが企むことですから、とんでもないことであるのは間違いありません♪これ以上の絶倫なのか、それとも質の向上なのか!?後編をさきほどアップしましたので、ぜひお楽しみくださいませ(^^)

って、ご期待に添えているといいのですが…(汗)

>とくめい様 

>とくめい様

な、なんと、とくめい様もですか!
そうか……そうなんですね。今のうちなら計画停電もないのかな、一般家庭は…??
やるなら本年は夏休みがラストチャンスになりそうですので、前向きに検討させていただきますね。
背中を押して下さり、ありがとうございました(^^)

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>吉キチ様 

>吉キチ様

無邪気なみーちゃんだけに、隠そうなんて思ってませんから♪バスのおばあちゃんも、ドラッグストアのお姉ちゃんも八百屋のおっちゃんも、みんな忘れられないと思います。完全インプットです(笑)
もし琴子とお買いものしてたら…あわわ、考えただけで琴子ちゃんが不憫かも~!?もう真っ赤になっちゃって、涙目なんでしょうね…あれ、その琴子ちゃんはもしかしなくても、入江くん好みの可愛いさかも?
入江くんがいたら、速攻でお持ち帰りしそうな顔が浮かんでしまいました…(笑)
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