*初恋*

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「二次創作」
短編

受難-裕樹の場合-

 
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ちょっとアニキスネタ入ってます。
でも知らなくても大丈夫だと思うので…。







受難-裕樹の場合-




 お兄ちゃんは、すっごくすっごくわかりにくいけど、琴子のことが好きだ。
 僕はお兄ちゃんが大好きでずっと見てきたから、知ってるんだ。
 そう。
 こと、琴子に関しては融通も余裕もなんにもなくなることも……ね。




 その日、僕はリビングで本を読んでた。
 お兄ちゃんと琴子の結婚騒ぎも、新婚旅行が終わったことで一段落。ようやく訪れた日常生活だった。
 琴子は相変わらず間抜けで、ヘラヘラしながら学校から帰ってきた。
 部屋に荷物を置いてきた琴子は、ママが入れてくれたお茶を飲みに下りてきた。

「あ、裕樹くん。傷ってもういいの?」
「へ?」

 僕は一瞬何のことを言ってるかわかんなかった。
 琴子はどうも、僕が昔やった腸閉塞のことを言ってるらしい……いきなりな奴だな。
 まあ、こいつの頭の中なんて、わかりやすいようでわかりにくいからな。どうせ突拍子もなく思いついたんだろ。
 琴子は僕のお腹に手を伸ばし、傷の辺りをそうっと触れてきた。
 …くすぐったい。
 っていうか、こんなところお兄ちゃんに見られたら…!

「やめろよ!」
「えー、だって、思い出しちゃったんだもん。あの時入江くん、初めて優しくてぇ~~」

 うわ、また思い出し妄想だよ。
 いい加減慣れてきたつもりだけど…相変わらずのアホ面だな。
 大方、そのときあったことでも美化して思い出してるんだろうな。
 はん、と馬鹿にした僕は、ふいに背筋にぞくぞくっとしたものが走って凍りついた。
 この…この感じ。これは…。

「あ、お帰りなさい、入江くん!」

 やっぱりお兄ちゃんだぁあああ!!!!
 僕は冷や汗を書きながら、持っていた本を顔まで上げた。
 琴子が僕のお腹に触ってたところ、見てないよな!?
 ドキドキしながら、本と顔の僅かな隙間からお兄ちゃんを盗み見る。
 お兄ちゃんはいつも通りの顔で琴子の横に腰掛けて、コーヒーを入れようと立ち上がった琴子を見てた。
 ああ…良かった。見られてなかったんだ。
 そう安堵したのも束の間。

「何の話してたんだ?」

 そ、それを聞くのお兄ちゃん!!
 やっぱり見られてたのかな…。見られてたんだろうな、多分。

「ああ、裕樹くんが入院したときの話。大変だったよねって」

 って琴子、答えるな!!
 僕は嫌な予感がしてそう叫びそうになったけど、まさか叫ぶわけにもいかず、あぐあぐと空気を噛む。
 相変わらず空気を読まない(読めない?)琴子は、ニコニコしながらとんでもないことを言い出した。

「救急車に乗ってからも、裕樹くんはぐったりしてて。あたし思わず頭を抱きしめちゃったのよね。あの時は可愛かったなぁ」
「………へぇ?初耳だな」
「そうだっけ?入江くん来てくれるよって言ったら、ようやく安心してくれたみたいでね。あたしも心細かったから、裕樹くんと二人でぎゅうって」

 してない!僕は腕一つ動かしてないぞ!!

「ぼ、僕は何もしてないだろ!大体、お前に抱きしめられたって嬉しくもなんともないね!」
「まー、なんですって!?大人しく抱きしめられてたくせに~!」
「なっ…ンなわけないだろ!お前のぺったんこの胸なんて…」

 ―――はっ!!
 僕、もしかして今墓穴を…?
 途中まで言いかけた僕が恐る恐るお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃんはこれ以上ないくらい優しい顔で微笑んでた。
 良かった、怒ってないみたいだ。
 …って、そんなわけないよな。

「裕樹」
「な…何?」
「傷跡、見せてくれるか?今後の参考に」
「……!!!」
 
 傷を開く気だ…!!

 黒いよ、お兄ちゃん。醸し出してる空気が黒いよ!
 琴子、お前なんで笑ってられるんだよ!?全然仲良し兄弟のやりとりじゃないだろ、これ!?
 僕のお腹のピンチなんだぞ!?


 僕は慌てて立ち上がると、宿題があるからって言って部屋に駆け戻った。
 1分でも長くあそこにいて、琴子とあの話を続けたら絶対やばかった。
 なんで僕は、お兄ちゃんが笑ってるなんて思ったんだろう。
 確かに口は笑ってたけど、目はマジだったじゃないか!
 
「ぎ……ぎりぎり……セーフ…」

 ほおっと全身から力を抜き、僕はずるずると床に座り込んだ。
 琴子のやつ、自覚しろよな。お兄ちゃんは、弟の僕にだって平気でヤキモチ妬くんだぞ。そんなの、お前が相手のときだけなんだからな。
 何とか呼吸を整えて、本を棚にしまう。
 口実にしたけど、本当に宿題は出ているから片付けてしまおう。
 そう思って机に向かおうとすると、廊下から琴子の高めの声が聞こえてきた。


『ちょっ…入江くん、こんな時間から…』

 お兄ちゃんが何を言ってるかは聞き取れないけど、どうやら、琴子は寝室に引っ張ってこられたみたいだ。


 ふん、ザマーミロ!
 ようやく溜飲を下げて、僕は部屋のドアをきちんと閉めた。
 たとえ僕がいくらお兄ちゃんを尊敬してるとはいえ、夫婦の密事なんて知りたくもないからね!



 END

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>あやみくママ様 

>あやみくママ様

裕樹くん、可愛いですよね!憎まれ口叩いているかと思いきや、実はちゃんと琴子ちゃんのことを認めていて。
彼なりに色々頑張ってくれるというのに、兄にはライバル視され……好美ちゃんという彼女がいるって言うのに(笑)

入江くんは、中年になっても絶対イケメンですよね。上手く年を重ねていく気がします。
間違ってもメタボにはなりまい……でも、頭は怪しいですよね。重樹もですが、一色のおじいちゃんの頭もアレでしたし(笑)
「あたし、入江くんがハゲでも好きよ」と言う琴子ちゃんが浮かびます♪それでこそイリコトかなって。
……って、は!!これだと入江くんがハゲる前提……ご、ごめんなさい、入江くん!!
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