*初恋*

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「長編」
目指せ!友達以上恋人未満

目指せ!友達以上恋人未満-2-

 
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目指せ!友達以上恋人未満-2-





 三日目のクラス毎のグループ行動で理美やじん子と楽しく回ったあたしは、宿泊先のホテルの玄関で入江くんと渡辺くんを見つけて声をかけた。

「いっりえく~ん!」
「……何だよ」
「あ、琴子ちゃん」

 にこやかな渡辺さんに対し、ま~……人間、ここまで不機嫌さが顔に出せるもんなのねって感じの入江くん。
 あたしはにっこりと渡辺さんに挨拶すると、くいくいっと入江くんの袖を引っ張った。

「明日の約束、覚えてる?」
「…忘れた」

 そんなっ。
 あたしのショックを受けた顔がおかしかったのか、入江くんが「ぶっ」と吹き出す。
 えぐえぐと泣きそうになっていると、渡辺さんが入江くんを窘めてくれた。

「入江、琴子ちゃんからかうなよ。大丈夫だよ、琴子ちゃん。明日は俺たちと回るんだろ?」
「わ、渡辺さんんん~~~~」

 ああ、なんて優しいの!
 あたしはぎろっと入江くんを睨む。
 けど、入江くんは意地悪く口元を緩めたまま、ふんっとあたしを見下ろしていた。
 見下ろしたいのはあたしの方なのに。
 よろしくねって言ってくれる渡辺さんに頷いていると、入江くんは腕を組んであたしを見ていた。

「寝坊すんなよ。家でも言ったけど、1秒でも遅れたら置いてくからな」
「わ、わかってるわよ」

 ほんと、イジワル。
 むうっと膨れたあたしの前を、入江くんが颯爽と通り過ぎていく。
 いいもん。何て言われたって、明日は入江くんと(渡辺さんもいるけど)京都の町を歩けるんだもん。
 早く明日にならないかな。







 翌日。
 妙に早く目の覚めたあたしは、おばさんが徹夜で考えてくれたコーディネートに従って服を着ると、これだけは器用にできる髪型を整えた。
 って言っても、ポニーテールなんだけど。
 一応修学旅行中ということで、おばさんのエロ可愛いというテーマは諦めてもらい、今流行りのプレッピーな感じに見せてくれる、シャツとカーディガンのレイヤード風ワンピースにペチコートキュロットを合わせた。
 うん、これなら丈が短くてもパンツ見えないし、場違いって入江くんに怒られることもないよね。
 ニーハイソックスを合わせて、服装オッケー!
 あたしは「1秒でも遅れた置いてかれる」という思いに急かされ、朝食を理美とじん子と食べるや否や、ロビーに飛び出した。
 ロビーにある大きな柱の前に陣取り、どの方角から入江くんが出てきてもわかるように目を光らせる。
 
 


 10分くらい待ったかな?
 エレベーターから入江くんと渡辺さんが下りてくる。
 ああ……制服姿も素敵だけど、私服姿もやっぱりカッコイイ!
 入江くんほどじゃないけど、渡辺さんも背があるから私服になるとまた違った感じに見えた。
 あ、そうか。よく両手に花って言うけど、今日はあたしがその立場なのよね。
 
「入江くん、渡辺さん!」

 ぶんぶん大きく手を振ると、入江くんがため息をついてこっちに来た。
 
「おはよう、入江くん。渡辺さんも」
「おはよう、琴子ちゃん」
「よく寝坊しなかったじゃん」

 そりゃ、入江くんとまわれるんだもん。寝坊なんて絶対しないよ。
 そう言うと、入江くんは呆れたような顔をして、渡辺さんが吹き出した。え?あたし何かおかしなこと言った?
 目尻に涙を浮かべるほど笑っている渡辺さんが、入江くんの肩をぽんと叩く。

「琴子ちゃんって、本当にお前のこと好きなんだな」
「……」

 そうよ、あたしは入江くんが大好き。
 今さらそれが、何か?…って、開き直るわけじゃないけど。
 よくわらかないまま、あたしは入江くんと渡辺さんの手を引っ張って歩き出した。

「ね、時間がもったいないよ。行こうよ!」

 折角早起きして、入江くんと歩けるんだもん。
 友達以上恋人未満になるには、いっくら時間があっても足りないくらいなんだから。
 ぐいぐい引っ張ると、入江くんが諦めたように数歩先を歩き出す。
 渡辺さんがあたしのフォローしてくれるかのように隣を歩いてくれて、あたし達の自由行動が始まった。




               **************




 とりあえずあたし達が向かったのは、金閣寺。
 有名どころは押さえておかないと、レポートも書けないもんね。
 そう言うと、これだからF組はって入江くんに言われたけど、ふんだ、こういうところの方が本当に書きやすいんだから!
 バスを降りてしばらく歩くと、池の奥に浮かぶ金ぴかの建物が見えてきた。
 
「うわぁ~、本当に金ぴかだ!」

 すごいな、こんなの作っちゃうなんて。
 あたしが感動していると、入江くんが腕を組みながら呟く。

「悪趣味だよな」

 っもう、そりゃそうだけど。
 言いたいことはそれだけ?

「まあ、住みたいとは思わないな」

 渡辺さんまで……A組ってみんなこうなの?
 ううん、それともこの二人、やっぱり似た者同士なのかしら。ってことは、渡辺さんも優しそうに見えて実はドS?
 は!!
 あたしったら、自分の好きな人をついついドS呼ばわりしちゃったわ。いけない、いけない。
 あたしが一生懸命歴史が書かれた立札なんかをメモっていると、入江くんがパンフレットを一部もらってきた。

「これで十分だろ?」

 あ、そうか。それもそうね。

「入江くん、それ後で貸してね」
「高くてよければ」
「お金取るの!?」

 ど、ドSな上に守銭奴!?
 驚くあたしの横で、渡辺さんが我慢できないとばかりに吹き出した。

「琴子ちゃんと入江って、ホントいい夫婦だよな!」
「お前、メガネの度があってないんじゃないの」
「いやいや、ばっちりだよ。お前らのやり取り聞いてると、夫婦漫才みたいだ」

 くくっと笑って、渡辺さんが入江くんとあたしをからかう。
 えへ、えへへ。
 入江くんはきっと、嬉しくないんだよね。でもね、あたしは嬉しいや。
 だって好きな人とお似合いって言われてるんだもん。
 あたしがちらっと入江くんを見ると、入江くんは難しい顔をしてため息をついている。
 あー…やっぱ、その顔ですか。
 浮かれてた心がちょっとだけ萎みそうになって、あたしはそれを振り払うように入江くんを覗き込む。

「ね、あと写真だけ撮ったら次行こうよ!」
「ああ、なら俺が撮ってあげるよ。琴子ちゃん、カメラ貸して」

 渡辺さん、いい人!
 あたしの中の、今日の「ベスト・オブ・いい人」に認定してあげる!
 鞄の中から用意していたカメラを取り出すと、あたしは渡辺さんにお願いして入江くんの腕を引っ張った。
 なんか、今日は入江くんの手を引っ張ってばかりいるなぁ。本当は入江くんが「おいで、琴子」とか言ってリードしてくれるのが理想なんだけど……今は贅沢言ってられないわね。
 あたしと入江くんは、なんとも微妙な距離で並ぶと、金閣寺をバッグに写真に収まった。
 渡辺さんも入江くんと撮る?って聞いたけど、別にいいって言われちゃった。男の子って、こんなもんなのかしら。
 うーん。金ちゃん達なら、むしろこぞって写りたがりそうなもんだけど。
 ほら、よくテレビの生中継で、レポーターの後ろで馬鹿みたいにはしゃいでる人っているじゃない?あれみたいに。
 けど、確かにそんなことする入江くんと渡辺さんは想像できないから、この二人はこれでいいのかもしれない。
 
「琴子、置いてくぞ!」

 そんなことを考えて立ち止まったあたしを、入江くんが呼ぶ。
 実は、さっきから入江くんを見て「かっこいい」「素敵」って言ってる声が聞こえてて、気が気じゃなかったあたしはちょっとだけ優越感。
 あの素敵な人が、あたしの好きな人なんだよーって自慢したい気分。惜しむらくは、あたしのことを『を』好きな人じゃないところなんだけど。
 でもでも、いいの。
 なんだ彼女いるんだ、っていう声が聞こえてきたりして、あたしでも入江くんの彼女に見えてもらえるんだって思ったら嬉しいから。
 
「待って、入江くん!」

 小走りで追いついたあたしの頭を、入江くんがコツンと指の関節で叩く。
 ちょっと痛いけど、嬉しい。
 あたし重症?
 でも、入江くんがこんなことする女の子、あたしだけだよね。だから、ちょっと痛いのなんていいの。だって、もっとずっと嬉しいんだもん。
 さっきの女の子たちより誰より、あたし、入江くんの近くにいられてるかな?
 
「転んでもおぶってなんてやらねーぞ」
「こ、転ばないよ」

 もう、せっかくの気分に水を差すなぁ、入江くんは。
 口を尖らせていると、あたしを挟んで左隣を歩いていた渡辺さんが笑っていた。

「琴子ちゃん、俺と手、繋いでこうか」
「え?」

 渡辺さんと?
 なんか、あたしすっごく子供に思われてる…?
 驚いていると、右隣の入江くんがあたしの手首をぐっと掴んだ。
 え?え?

「渡辺にお前のF組の馬鹿が移ったら困る」
「んまっ」

 手を繋いでくれて嬉しいのに、なんなのよ、その言い草ー!!ムード台無し!
 けど、渡辺さんは笑うばかりで、入江くんを窘めない。ぶっと吹き出すと、ついにお腹を抱えて笑い出した。
 いったい何なの?頭の良い人達の考えることは、凡人にはわからないわ。
 入江くんはあたしの手首を掴んだままで、よく考えてみたら、悪いことして連行されてる人みたい?
 出来れば、指と指を絡めるカップル繋ぎとかー…そっちがいいんだけどな。
 ま、言うだけ無駄よね。

「ほら、次はどこ行くんだ?」
「ええと、龍安寺」
「枯山水か。ま、無難だな」

 コンパスが違うっていうのに、入江くんったら全然考えてくれてない。
 あたしは引き摺られるように入江くんの後を歩く……っていうより小走りでついていって、その少し後ろを渡辺さんが歩いている。
 なんか、あたしの足だけ短いみたいな気がしてくるわね。
 バス乗り場に着くと、入江くんはぱっとあたしの手を離した。ちぇ、もうちょっと繋いで(握られて?)たかったのにな。
 残念だけど、仕方ない。
 バスはすぐに到着して、あたし達は次の目的地へと向かったのだった。







  
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~ Comment ~

NoTitle 

第2話upありがとうございます!
渡辺くん、入江の青さに笑いがこらえ切れず…って感じですね。
「渡辺にお前のF組の馬鹿が移ったら困る」…そういうあなたは移っていいんですかぁ?ほ~、そうですか…。
琴子のポニーテール姿、項が艶めかしそう。きっと、彼はチラ見してるものと思われます!他の男が見入ったりしようものなら、きっと不機嫌さ全開だろうね。
続き楽しみにしてます!

渡辺君、ナイスよ! 

日々の更新有難うございます。続きが読めてとても嬉しいです。
いやあ、渡辺君、良い仕事してくれますね~♪
入江君の青さ全開に大爆笑です!
え?まだこんなもんじゃないって?いやあ、有難うございます、期待が膨らみます(笑)
嫌がってる振りしながら、もしこれが琴子以外の女生徒の申し出なら即却下してたくせにね~(笑)結局一緒に居るのを由としているのは直樹なのにね。
ところで、この自由行動のルート&計画は誰が作ったのかな?まさか琴子?だったらひと悶着あるところに行きそうよね?益々続きが楽しみです。有難うございました。
(いま後ろで中学生の娘にナイスって死語だと言われ・・・ほんと?すいません)

NoTitle 

楽しいお話有難うございます。
渡辺くん いい人だね。入江くんをなにげにたきつけたりして。

珍道中? 楽しみです。

可愛いっ!! 

miyacoさん、こんにちはv-411
連日お話の更新、お疲れ様&ありがとうございますv-345
すっかりあっちのお話にハマってしまい、こちらのコメが疎かになってしまって、申し訳ありませんv-393
渡辺くんって、スーパーサブの名(!?)に相応しく、いつも何気に入江くんをフォローし、琴子を慰め癒す役割を果たしているのですよねっv-218
時には、入江くんの独占欲&嫉妬心を煽り、火をつけたりv-355
まぁ渡辺くんにとっては、飛ばっちりを受けたり、地雷を踏んだりと、命懸けでしょうが。。。v-399
琴子を邪険にしながらも、仲の良いイリコトいいですよね~v-238
ここでも入江くん、琴子と手を繋ごうとした渡辺くんにプチ嫉妬しましたね~v-398
ホント入江くんって素直じゃないんだから~v-356

>たーくんママ様 

彼は一番に、直樹の本心に気付いていたと思うんですよね(笑)だからもう、内心は大爆笑だと思います。
そう、入江くんはF組の馬鹿がうつってもいいんですって!というより、琴子のやらかす「馬鹿」ならってところでしょうけど(^m^)ププッ
生足に項。チラリズム(?)効果ばっちりですよね!青くなれ~、という声がどこかから聞こえてきそうです(笑)

>hiromin様 

看護科時代はモトちゃん、高校時代なら渡辺くんが欠かせませんよね♪
入江くんの青さをおちょくるのが、彼はとっても上手そうです(笑)。入江くんの青さはこの後も「えええ~!?」という感じで披露されるはずですので(まだ夜もありますしね!)お待ちくださいませ(^m^)

ホント、琴子以外の女子が一緒にと言っても断るくせに素直じゃないですよね。
そうそう、このルートは琴子が練ってます。ので、当然入江くんが行きたがりそうもない場所にも引っ張り出されることでしょう(笑)
ところで。ナイスって死語なんですか?え、え……じゃあ、ゲットはどうなんでしょう?今時の事情がわかりません~(汗)

>せでこじ様 

渡辺くんの、この絶妙な入江くんおちょくり具合と人の良さが、高校時代の魅力の1つだと思います♪
いいですよね、彼(^^)

珍道中はもう少し続きます~。

>michi様 

あはは、あっちですね(笑)いえいえ、お気になさらず~♪
スーパーサブ……なんてぴったりなんでしょう(笑)モトちゃんと同じくらい、良いポジションですよね!
なのに、michi様のおっしゃる命がけな姿を想像して、笑ってしまいました。見てる方はいいけれど、やってる本人は確かに必死かもしれないですね(^m^)ウププッ

琴子に関することは、なんだかんだ言って譲らない入江くんだといいなぁ、なんて思います。
言葉足らずなだけで、実は優しい人ですしね…入江くん♪

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>吉キチ様 

早起きですよ~。きっと目覚ましをすごく早くにセットして、同室の子に「琴子、うるさいよ!」とか言われてそう…とか思ってます(笑)
どうせ言ってはもらえないとわかっていても、可愛いと思ってほしくて身だしなみにも時間がかかるでしょうし。
 
渡辺くんはとっても良いポジションにいるので、絶対気づいてますよね!そして、気付いてて入江くんをおちょくる、という。ほんと、誰か入江くんに教えてくれないかな。琴子は可愛いからモテますよーって!

お久しぶりです! 

なんて素敵なお話♪
高校時代の青い入江君のお話を読むとニヤニヤが止まりません(え?気持ち悪いって?すみませんいつものことです・・・)

渡辺君、なんていい仕事っぷりなんでしょう~!
彼ほど入江君をうまい具合に操る人はいませんよね!
入江君も琴子が絡むとすごく単純だし、そこが青い入江君のいいところ♪
ホント、もっと青くなれ~~~って念じてます(笑)!

さてさてこれからどうなっていくのか・・・楽しみです~♪

>はる様 

青さ全開ですよね~♪
ニヤニヤと、プププッていう笑いが止まらない感じがあるかと思います(笑)気持ち悪くなんてないです!

渡辺くんはこの後もナイスアシストがありますので、ぜひ褒めてやってくださいね!
琴子が絡むと入江くんは単純、というのにすごい納得して、笑っちゃいました(^^)もっと青く…なります!
だって、修学旅行と言えば…後は、あの時間がありますよね♪

>祐樹'Sママ様 

渡辺くんも、泣いて喜ぶと思います(笑)なんせ、命がけでけしかけてくれてますから!
琴子ちゃんの可愛さを出せたようで、よかったです♪可愛いですよね、琴子。
こんなこと言われる入江くんは、本当に幸せ者!
彼が不機嫌なのは、実は琴子が人目を惹くから…とかだったら、これまた青さに笑ってしまいそうですが、琴子は喜びそうですよね。
琴子がモテるお話が好きなので、自分の作品なのにそこからまた妄想してしまいました。ネタ、ありがとうございます!
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