*初恋*

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 バカップルの甘いおしおき お願いダーリン☆
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「バカップル」
バカップルの子供

バカップルの子供のおままごと

 
 バカップルの甘いおしおき お願いダーリン☆
バカップルの子供のおままごと





 先日のこっ恥ずかしい全国放送の騒ぎもひと段落した頃、琴美の通う幼稚園では第何次かのおままごとブームがやってきていた。
 幼稚園のお部屋の隅に置かれた「おままごと」の道具が入った箱の周囲には引っ切り無しに子供が集まり、あれこれアイテムを持ち出しては思い思いの役柄を演じている。
 それでも、人気なのはお母さんとお父さんの役。特にお母さん役に必須なエプロンは2枚しかなく、毎日女の子達の熾烈な争いの元になっている。
 琴美もずっと狙っていて、その日ようやくエプロンを勝ち得ることができたのだった。




 お天気がいいからと、琴美は外にビニールシートを敷いた。
 担任の秋子先生が運んでくれた子供用の小さなちゃぶ台も置き、その上におもちゃのお皿やお茶碗を並べて行く。
 お父さん役はよしや君だ。
 可愛い顔をしているが少々押しの弱い彼は、琴美の言われるがままにおままごとアイテムを運んでいた。

「よしや君、はい、コーヒー」
「ありがとう」

 そんなやりとりを交わす二人に、見守っていた先生が首を傾げた。

「みーちゃん、よしや君はお父さんなんでしょう?お名前で呼ぶの?」
「うん。だって、みーちゃんのパパのこと、ママはいりえくんって呼ぶもん」

 ああ…、と秋子先生は納得した。あの両親ならありえる、とすぐに納得できるのは、テレビ放送があったせいだ。
 あのイケメンの父と子供のような母の思いがけない私生活に、自分の幼稚園が出るからと放送を楽しみにしていた先生たちが大変驚かされたのは記憶に新しい。
 琴美はコーヒーを差し出すと、それからぴたーっとよしや君の腕に張り付いた。

「だーいすき!」
「ありがとう」

 にっこりと笑うよしや君に、琴美がぷーっと膨れる。
 
「違うでしょ!知ってるよ、か、耳タコって言うの!」
「耳タコって何?」
「ええっと、耳にたこが出来るほど同じ話を聞かされたってこと!」

 …つまり、そんな風にあの直樹が答えているのか、と思う先生達。
 よしや君は琴美に言われるがままに「耳タコ!」と答えた。すると、琴美がまた頬を膨らませた。

「ちっがーう!そう言いながらぎゅうってするの!」
「は、はいっ」

 慌ててぎゅ~っと琴美を抱きしめるよしや君に、ようやく琴美がOKを出す。
 琴美は嬉しそうによしや君の腕に寄り添い、にこにこしていた。
 
「ねえ、琴美ちゃん。琴美ちゃんちのパパとママは、いつもこうなの?」
「うん。あ…うそ、まちがえた」
「違うの?」

 よしや君は首を傾げた。なんだか変なやりとりだな、と幼心に思ったものだが、やはり琴美が間違えていたのだと思った。でも、ならどうすれば正解なのだろう?

「ちゅーが足りなかった!パパとママ、いつもちゅっちゅしてるのに、あたしったらすっかり忘れてたわ!」
「ちゅ、ちゅう!?」

 よしや君は男の子で。男の子よりも女の子の方がませるのが早いとはいえ、キスとなると男だって恥ずかしい。
 中にはそれくらいなんでもない子もいるだろうけれど、どちらかというと、よしや君は控え目な性格であった。
 一気に赤くなっておののく彼に、先生たちが同情の目を向ける。
 先生たちだって、彼の性格を把握しているのだから、琴美の言うことが叶えられることはないだろうと思っていた。
 琴美はニコニコ笑っている。

「そう、ちゅって。ママの口は甘いんだって、パパが言ってた」
「へえ~、いいなあ。僕のママの口は、この間おせんべいの匂いがしてたよ」
「パパにしかわかんないんだって。みーちゃんもね、この間ママとちゅーしたけど、羊羹の味しかわかんんかったもん」

 ぶふっ!と誰かが吹き出した。
 見れば、いつの間に来ていたのか園長も聞いていたらしく、そっぽを向いて笑っている。
 それぞれの家のおやつ事情が見えたせいもあるだろう。
 秋子先生はまた琴美たちに視線を戻した。
 琴美は、あぐらをかいたよしや君の足の間に腰を下ろそうとしていた。
 もはや聞く気にもなれないが、恐らく琴美の両親がそうしているのだろう。
 夫婦仲が良いことは悪いことではないけれど……秋子先生は思わず苦笑してしまった。




          ***********




 その日のお帰りのこと。
 迎えに来た琴子は、担任の秋子先生に呼び止められていた。

「…ということがあったんです。その、仲がよろしいのは大変けっこうなんですけれど、琴美ちゃんが見るにはまだちょっと早いかと思いまして……」
「すすすす、すいませんっっ」

 琴子は謝った。ひたすら謝った。
 それしかやるべきことが思いつかなかったのである。
 ぺこぺこと頭を振りまくる琴子の横で、琴美がにたぁっと笑っていた。その笑顔は、どことなく紀子に似ている。
 顔立ちは琴子でも、筋肉の動きが入江家のそれなのだろうか。
 帰り道、琴美の手を引いて歩きながら琴子は恐る恐る聞いてみた。

「ねぇ、みーちゃん。前から聞こうと思ってたんだけど……ばぁばと何か企んでる…?」
「たくらむって何?」
「ああ、えっと……こうしよう、とか決めて何かしようって思ってる?」

 琴子の言葉の意味を自分なりに咀嚼しているのか、少しの沈黙の後、琴美は大きく頷いた。

「ママとパパのラブラブを邪魔する愚か者撲滅キャンペーンのこと?」
「は…?」

 自分の娘が言った言葉なのに、琴子は一瞬理解できなかった。
 ものすごく嫌な汗が背中を伝う。

「み、みーちゃん…今なんて?」
「ばぁばが考えたすぺしゃるな作戦だって。世の中には悪い人がいて、パパとママを喧嘩させようとする人がいっぱいいるから、二人がラブラブなの見せつけてやっつけちゃうの。みーちゃんは、それを広めるのがお仕事」
「……」
「みーちゃんとばぁばは、愛の戦士プリキュ○なの!」
「そう…」

 日曜朝にやっている女の子版正義モノのアニメの必殺ポーズを決め、琴美はにやっと笑った。
 直樹によく似ている。
 琴子は乾いた笑みを浮かべるしかなかった。
 きっと、紀子に大好きなアニメに絡めてその気にさせられているのだ。
 さらに聞けば、今日のおままごと遊びでラブラブっぷりを披露しておいたので、きっとお友達は親に話すし、先生たちも話題するからあっという間に広まって敵は消える、ということまで吹き込まれていたらしい。
 もちろん、そんなことを吹き込むのは作戦立案者である紀子である。
 
「みーちゃんとばぁばが守ってあげるから、パパとママはいつでもちゅーしてていいからね☆」

 妙に引きつったウィンク(もどき)をしてみせながら、琴美は嬉しそうに琴子と繋いだ手を振っている。
 琴子が琴美の口をふさごうとしても遅かった。

「あ、今日はパパとママがラブラブするから、みーちゃんばぁばと寝る日だ~!」

 買い物時の、人の多い時間帯の商店街のど真ん中でそんなことを叫ばれて。

「みみみ、みーちゃんっっ!!」

 琴子が慌てたところで、人々の失笑からは逃れられない運命なのだった……。




END



えろの次はピュアだよ!と思っていながら、これがピュア…?という気がしないでもない今日この頃です。
ちなみ、ここに出てくる秋子先生は秋子ちゃんだったりするかも?いえ、私の勝手な印象なんですが…あの子、ばりばりのキャリアウーマンになるイメージないなって。
保育園とか幼稚園で子供に囲まれて、勝手な妄想ですが啓太と結婚して、デキのいいのと悪いのと、2,3人の子供に囲まれて啓太と二人で家庭を切り盛りしてくような気がしてるんですよ。
妄想ってすごいですよねぇ……(^^;
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~ Comment ~

NoTitle 

miyacoさん、こんばんはv-290
今日もまた楽しいお話をありがとうございますv-346
訳も分からず入江くんに仕立てられ、琴美ちゃんに振り回されるよしや君、お気の毒様です。。。v-393
でもこの程度のバカっぷりで済んで良かった~v-356ホッv-398
琴美ちゃんがエプロンをゲットしたくだりを読んだ瞬間、まさかと思いながらも裸エプロンを妄想してしまった私。。。v-402
いくらmiyacoさんと言えども、幼稚園児にそんな事はさせませんよねっv-393v-356
勝手な妄想をしてしまい、申し訳ありません!!v-404
紀子ママ&琴美ちゃんの最強コンビ、次はどんな作戦を企てていることやら。。。
続きを楽しみにしていますv-411

 

すっごく笑えました
ミニ紀子最強です
琴子タジタジですね

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

いかんいかん 

琴子ちゃん。もぅ諦めなさい(笑)
このコンビには敵いませんψ(`∇´)ψ
旦那様の入江くんに言ったところでなぁ~んにもならなさそうやし、なんだったらもっとやれ(^-^)とでも言いそう(笑)

NoTitle 

miyacoさ~ん、どんだけ笑わせてくれるんですか~!
琴美&よしやのおままごとシーン、1行読んで大笑い、また1行読んで大笑いの連続でした!腹イテ~!
「ママとパパのラブラブを邪魔する愚か者撲滅キャンペーン」とはいえ、パとママの日常をよく観察してるよね~とホント感心!
とどめの「今日はパパとママがラブラブするから、みーちゃんばぁばと寝る日だ~!」と商店街でもキャンペーン活動してすね。あんたはエライ!

秋子ちゃん…私もあの啓太の彼女だぁと名前を見て妄想しました。さすがにもう啓太は琴子に未練なんてないでしょうけど、秋子ちゃんが家で「入江先生と琴子さんたらね・・・・・・・♡」みたいに話してたりして…。

>michi様 

あっはっは!さすがにそれはしないですよ~(笑)
ちょっとやらせてみた……げほごほっ!いや、さすがの入江くんもそれは琴美に見せてはいない…と思いたい!
いや、みーちゃんがやってるのが見たいと言うんじゃなくて、それをバラされて慌てふためく琴子ちゃんを見てみたい、というものなんですが♪

この最強コンビの次の手は、私にも読めません~。
何やらかしそうですかね。ママの暴走ネタが下りてくるのを、実は心待ちにしております(笑)

>sassy様 

よかった、笑っていただけて(^^)!
ミニ紀子ってぴったり~!おおっと思いました♪
小さくても、それじゃ琴子が勝てるはずがないですよねぇ(笑)

>吉キチ様 

さすが、良い勘をしていらっしゃる♪(笑)
やらかしました、ばっちりと。琴美は頭が良い子なので、ちょっとのアドバイスで100%の力を出せちゃうんですねぇ。もうこのキャンペーンは大成功だと思います。

トランシーバー…秋葉原まで買いに行ってそうだと思いました(笑)
話がイリコトじゃなくなっちゃいますが、そう、シャベルって場所によっては大きい方のことなんですよね。私の住むエリアだと、それは小さな方で、お庭でちょいちょいっと使える方なんですが、そのことを最近知りました。言葉って面白いですよね♪

紀子「みーちゃん、今日はこの公園にしましょっ」
琴美「ラジャー!」

そんな会話、私にも聞こえていました(笑)

>ぺぺ様 

わかっちゃいるけど諦めきれない…!というやつでしょうか(笑)
足掻く琴子ちゃんも可愛くて大好きです(入江くんみたいですが)。

確かに、入江くんに訴えても「好きにさせておけよ」とか「言うだけ無駄」とか言って放置してそう…。
そして、その結果邪魔が入らないのはラッキー、とか(^^;

>たーくんママ様 

そこまで笑っていただけるなんて嬉しいです!よかった~♪
少し前に公園行ったら子供らがままごと始めたんですよ。でもママ役は人気なのでみんながママになっちゃって、井戸端会議みたいな形のままごとになったんですが、あるママ役の子が「ちょっと聞いてよ、昨日うちの旦那刃向ってきてさぁ」と。それを聞いた他の子も「ああ、あるある」とか言っていて、おかしかったんですよね(笑)それを思い出しながら、あのおままごとシーンを書きました。
そんな会話が脳内を回っていても、イリコトならラブラブが書けるから不思議なものです(笑)さすがイリコト!
子供って、ほんとよく見てますよねぇ…みーちゃんは頭いいから、余計ですよね。
商店街の方々にも「入江さん家の若奥さん」で有名になってそうです(笑)

秋子ちゃんと啓太って、ほんとお似合いですよね♪夫婦とは!!とか言い出しそうな啓太にはぴったりな、大和撫子的なイメージがあります♪

>みえ様 

ばぁばの存在なくして、琴美ちゃんの活躍はありませんから(笑)
でも確かに、ばぁばのせいだけでもないんですよね。入江くんの無茶な夜のせいで…ってことも過去バラされてますから、半分くらいは入江くんのせいかも~(^^;

そういえば、どうしてそんなところに座ることになったんでしょうね。
言われるまで考えもしませんでした。ネタにメモりつつ、妄想してきます~♪ありがとうございます!

>紀子ママ様 

子供って面白いですよね!家庭丸わかりなおままごとは、親にとっては恐怖かと思われます(笑)
秋子ちゃんも、あのラブラブは進化するとバカップルになるのかぁ、と思ってるかもしれません。

ツン→ちょっとツン→デレ→ラブラブ→あいだすっ飛ばしてバカップル(現在)
              ↑
           秋子ちゃんが知ってたのはここ

自分もそうなりたいと思うのか、それとも、あれは恥ずかしすぎると思うのか!?
相手が啓太という時点で、後者になってしまいそうですが…(笑)
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