*初恋*

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 オトメ心 一点集中ラブ-後-
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「二次創作」
前後編

一点集中ラブ-前-

 
 オトメ心 一点集中ラブ-後-
いつくらいかな…大学の頃のどっか、という感じで。
すいません、あやふやで(^^;





 2月14日――日本全国、津々浦々の女子がこれでもかとお菓子会社に踊らされる一日である。
 もっとも踊らされるのは女子だけでなく、もらえる数にプライドをかける男子も大して変わらない。
 それは琴子も例外ではなく、1月も半ばを過ぎる頃になるとチョコレートの料理本を買ってきて、何やら熱心に読み耽っていた。
 そして、あれでもない、これでもないと悩んでいる。
 紀子がそんな琴子に手を差し伸べるのはいつものことで、失敗を見越して大量に用意された材料を前に妙な気合いを入れる琴子の横で、紀子もまた意気込んでいた。

「さあ琴子ちゃん!あのお兄ちゃんをメロメロにするスペシャルなチョコを作りましょうね!」
「はい!おばさん!!」

 これまた妙な意気投合を見せた紀子と琴子に、リビングで本を読んでいた裕樹が怪訝そうな目を向けている。
 どことなく心配そうなチビの頭を撫で、裕樹は何事もなく過ぎるようにと密かに祈っていた。



          **********




 直樹は大学でも人気のある男だ。
 高校時代の彼のクールぶりを知る者はもちろん、大学から斗南に入り、直樹の魅力にやられた女子も多い。
 彼女――中村浩美もその内の一人だった。
 高校の頃からテニスを始め、趣味としてはもちろん、選手としてもそれなりの実力を持つ彼女は、大学に多数あったテニスサークルを選ばず、須藤率いるテニス部に所属している。
 理由はもちろん、直樹の存在だった。
 彼の傍にいたくて、遊びではないテニス部に入ったのである。そうでなければ、適当にテニスで楽しめ、遊びも楽しめるテニスサークルを選んでいただろう。
 
「入江先輩!」
「…何?」

 コートの端で汗を拭く直樹に、浩美はいそいそと駆け寄った。
 直樹が来るのは不定期だけれど、最近はよく姿を見せる。おかげでバレンタイン前のアピールに十分な時間を割くことができた。
 直樹の目が彼女を捉え、細められる。彼女はドキッとして周囲を見たが、誰もいなかった。
 直樹が自分を見つめているのだと思うと、浩美の心臓は早鐘を打つ。

「いえ、その…フォームを見ていただきたくて」
「いいよ」

 二つ返事で了承してもらえ、浩美は弾む足取りで直樹の後を付いて行った。
 もう浩美の興奮は最高潮だ。
 琴子のように一方的に言い寄るような女は相応しくなくて、自分だったらいいのでは?と思う。

 別に、浩美が特別鈍いわけではないだろう。
 直樹が目を細めて見ていたのは、植え込みに入ってボール拾いをしていた琴子だったということなど、いつもの琴子への素っ気なさを見ていたら想像できないのも無理もない。
 だが、人の多いテニス部である。 
 そんな彼女の勘違いを見ていたのは、一人だけではなかった。松本裕子もその一人。

「…また被害者が一人」

 ぽつりと呟き、松本姉はぽーん、とテニスボールをガットの上で跳ねさせた。





 バレンタイン当日、彼女は琴子を見つけると得意な気分になった。
 これ以上琴子をのさばらせて、直樹と自分の仲を邪魔させることはない。釘を刺すなら早いうちがいいだろう。
 そう思って、彼女は琴子を呼びとめた。
 それまで特に話をしたことはなくても、部活の先輩、後輩という関係がある。
 顔も知らない間柄ではなく、琴子は不思議そうにしながらも話を聞くために足を止めた。

「もう入江先輩につきまとうの、やめてもらえませんか?」
「…え?」
「入江先輩、私のチョコを受け取ってくれる約束したんです。なのに相原先輩ったら、そんなことも知らないで入江先輩につきまとってくれちゃって。迷惑なんです」

 みるみる琴子の顔が強張るのが楽しい。彼女は大変気分がよかった。
 
「この間も、私のこと見つめてくれて……私と入江先輩、両想いなんだと思います。これから告白してお付き合い始めるんで、邪魔しないでくださいね!」

 チョコを受け取ることなんて、直樹は約束していなかった。
 けれど、あんな風に優しく見つめてくれたのだから、きっと受け取ってくれるに違いない。
 そんな自信があった。
 対して、琴子には彼女のような自信はない。
 今までだって同居の好で受け取ってくれたけれど、それ以上の理由で受け取ってもらえるなんて思っていなかった。
 ただ、チョコを見て、今も変わらず好きだとわかってもらえたらそれでいいと思っていたのだ。
 そんな二人の前を、これから自主練習に向かうらしい松本姉が通りかかり、声をかけてきた。

「あら、相原さん」
「ま、松本さん…」
「部活もないのに、まだ残っていたの?それとも補講でも?」
「う、ううん」

 あからさまに様子のおかしな琴子と、何故か鼻につく態度を見せる後輩を見比べ、松本姉は僅かに眉を顰めた。
 何があったのか見極めようと、松本姉はじっと二人を見ている。その視線にいたたまれなくなったのは、琴子だった。
 もう帰るから、と言って鞄を抱きしめ、松本姉の横をばたばたと走り抜けていく。
 それを黙って見送った松本姉は、気合ばっちりな格好で得意げにしている後輩を見た。
 自分の記憶違いでなければ、彼女は入部当初から直樹に張り付いていた後輩で、先日もフォームの指導をなんて言っていた子である。
 
「どうしたのかしら、あなた心当たりある?」

 素知らぬふりをして水を向けると、彼女はさらっとした顔で「さあ?」と答えた。
 それは何かありましたと言っているようなものだったけれど、松本姉に問いただすほどの確信があるわけでもなければ、そこで問いただす理由もなかった。
 簡単な会釈で立ち去る後輩の後ろ姿を見つめながら、唯一認めるライバルの心中を松本姉は密かに思いやったのだった。






バレンタインなのに甘くない…あれぇ?
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~ Comment ~

口八丁・・・ 

こんにちは
 勘違いチャン ♪見っけぇ~。 なんだかんだ言ったって琴子以外に眼中なんてあいませんよねぇ・・・。

 タカビーな態度、発言 何時まで そのままでおれりんでしょうかぁ・・・ワクワク・・・
 松本さん・・・この先もシカァトたぶんお見通しかなぁ・・・。 嘘はダメだって後輩さん・・・

>吉キチ様 

松本姉は琴子の気持ちも入江くんの思考回路もわかっているので、かなり頼もしい人ですよね♪
でも後輩を止めないという(笑)卑怯なやり方を嫌いそうなので、撃沈すればいいわとでも思ったのかどうか…。

表面上の素っ気なさで浮かれてると、痛い目見るのが入江くんなんですよね(^^;
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