*初恋*

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 アレの行方 一点集中ラブ-前-
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「二次創作」
短編

オトメ心

 
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オトメ心




 大学構内のテラスで待ち合わせをしていた直樹は、遠くから弾むような足取りで歩いてくる琴子に気づいて本を閉じた。
 長い栗色の髪をサラサラ揺らして、琴子は一直線に直樹の元へと向かってくる。
 やってきた琴子は息を切らして、それでもにっこりと笑って直樹を見た。

「座れば?」

 隣の椅子を勧めると、琴子は嬉しそうに座る。
 ガタガタと椅子を動かし、琴子は直樹の椅子と自分の椅子をぴったりとくっつけた。

「えへへ、仲良しの椅子完成!」
「……」

 こいつは本当に大学生だろうか――真剣にそんなことを疑ってしまう直樹は、呆れた顔で琴子を見ている。
 そして行儀悪くテーブルに肘をつき、琴子の額をピンッと弾いた。

「バーカ」
「もう、夢がないんだから」

 琴子はそう言って笑うと、ぴたっと直樹にくっついた。直樹も口では「鬱陶しい」と言うものの、振り払ったりはしない。

「あのね、今いいことあったのよ」
「なに?」
「けっこうカッコイイ人…って言っても入江くんほどじゃないんだけど、その人にね、可愛いって言われちゃったんだ~」
「……へぇ」

 ピシッ!!――その場の空気が固まる音がする。
 あまりに急激に変化したその場の雰囲気に驚き、直樹と琴子の周囲に座っていた人達がぎょっとして振り返った。
 だが、変なところで呑気な琴子は気がつかない。
 剣呑な表情の直樹にぴったりとくっつき、嬉しそうに話している。

「…お前、それ嬉しいの?」
「え?うん、そりゃあ。ぶさいくって言われるよりいいし」
「ふーん」
「入江くん?」

 ぱっと乱暴に振り払われて、琴子はきょとんと目を瞬かせた。
 どうしていきなり直樹が不機嫌になったのかわからないらしい。
 直樹は手早く荷物をまとめると、戸惑う琴子を残して席を立った。

「え?え?どうしたの?」

 琴子も慌てて後を追いかけてくる。
 けれど、いつもなら琴子に合わせて緩めてくれる歩調も、今日は一向に合わせてもらえなかった。
 コンパスの違いはどうしようもなく、琴子はパタパタと小走りでついていく。

「ねえ、待って。入江くん、どうしちゃったの?」
 
 何とか追いついた琴子が、直樹の袖を掴んだ。
 どうやら本気でわかっていないらしい琴子に、直樹はじろっと視線をくれる。

「別に」
「別にって態度じゃないじゃない。あたし何かした?」
「……何もしてない」
「じゃあ、なんで…」

 悲しげに眉を寄せ、琴子が直樹を見上げた。
 しばらくその目を見ていた直樹だが、ふいっと顔を背けると、また琴子の手を振り解いた。
 二度も振り払われた琴子は、その場から動けなかった。
 自分で考えろと言われているようで。
 茫然と直樹を見送ることしかできず、琴子はその場に立ち尽くす。
 直樹はやはり琴子を振り返ってはくれなかった。



              **********



 直樹から遅れること一時間。
 ようやく帰宅した琴子は、真っ直ぐに書斎にいる直樹のところへと向かった。
 一応ノックはしたものの、返事が返ってくる前にドアを開ける。
 きっと直樹は琴子だとわかっているのだろう。何も言わず、振り返りもせず、目の前のパソコンに向かって黙々と作業している。
 拒絶されている気がした。けれど、ここで引くことはできない。
 琴子はきゅっと唇を噛むと、勢いよくその背中に抱きついた。

「…なんだよ、危ないだろ」

 冷静な声に、琴子は抱きつく腕に力をこめる。背後から首を絞められた直樹は、仕方なく琴子を見た。
 直樹の肩口に顔を埋めた琴子は、半ベソをかいていた。
 随分前から泣いてきたのかもしれない。眼尻が赤く染まっている。
 お願い、振りほどかないで。そう言わんばかりに、琴子が腕に力を込めた。

「あたし、誰に言われても嬉しいわけじゃないんだよ」
「……」
「けっこうカッコいい人だったって言ったでしょう?」

 琴子はぽつぽつと話しだした。
 一緒にいた桔梗や智子、真里奈が「イケメン」と評したその男は、確かに琴子の目から見ても直樹ほどではないにせよ、見られる顔をしていた。
 そんな男が、可愛いと言ってくれた。
 嬉しかった――直樹の隣に立つことを認められたようで。だから、嬉しかったのだ。

「入江くんはかっこよくて、みんなが振り返っちゃうような人で……なのに奥さんがあたしで、なんで?って思われてるの、知ってるの」

 それは何度となく琴子の耳に入ってくる、すっかりお馴染みになってしまった疑問の声だった。
 悲しいことに慣れつつあるけれど、慣れたからって平気なわけではない。
 少しでも直樹に相応しくなりたいと思っているのに、そういう疑問を耳にする度に否定された気になってしまう。
 
「けど、他の人が認めるくらいカッコいい人が可愛いって言ってくれたなら、入江くんの奥さんでもおかしくないかなって。いいじゃないって、思ってくれる人が増えるんじゃないかなって…思ったの」
「…琴子」
「だけど……ごめんなさい、入江くんの気持ち考えてなかった」

 あれから琴子が一番に気づいたのがそれだった。
 もし逆の立場で、直樹が他の女に褒められたと浮かれていたら、琴子だって腹を立てただろう。
 鼻の下伸ばしちゃって!とつっけんどんな態度を取ったに違いない。
 それに気づけば、直樹が取った態度もすぐに理解できたのだった。
 直樹の胸の前でクロスする琴子の腕に手を重ねると、琴子がぐすっと鼻を啜る。

「お前は俺の奥さんだろ」
「…うん」
「もっと自信持てよ。俺が選んだんだぞ」

 こく、と琴子が頷くのを肩で感じる。浮かれた気持ちで喜んでいたわけではないのがわかった直樹は、ようやく椅子を回転させて琴子と向き合うと、琴子を膝の上に抱え上げた。
 涙に濡れた目に、そうっとキスを落とす。口の中に広がる涙の味をさらに求めるように、頬を伝う涙を唇で辿って行った。
 決して口には出さないけれど――自分以外の男に褒められて喜ぶなよ、という意味をこめて。

「入江くん、だいすき」
「……耳タコ」
「ん…」

 ぐすっと琴子が鼻を啜った。

「でもね、好きなの。大好き。ほんとは、入江くんに可愛いって言ってもらえたらそれが一番いいの…」

 直樹からすれば、そう思ったから結婚したのだし、そう思うから何度も求めるのだけれど。
 琴子がきちんと意識のある時に言ってやったことがないのだから、琴子がわからないのも無理ないかもしれない。
 直樹はもういいよ、と琴子に囁いた。
 コクンと琴子が小さく頷く。泣いたせいもあって赤くなった琴子の唇を、直樹はもう一度吸い上げた。
 ちゅ、と軽い音がする。
 うっとりと身を任せる琴子を抱き、直樹はおもむろに立ち上がった。

「入江くん?」
「俺に可愛いって言ってほしいんだろ?言える場所に移動するぞ」
「い、言える場所…?」
「正確には、言える状況になれる場所」
「…!!」

 意味を理解したのだろう。
 琴子が真っ赤になって俯く。それでも、直樹の腕から逃れようとはしなかった。
 直樹はそれに気を良くして、夫婦の寝室へと誘う。


 それから、直樹が本当に琴子のまともな意識があるうちに「可愛い」と言ってやったかは定かではないけれど。
 二人が部屋から出てきたのは、深夜も深夜、家人の寝静まる頃になってからなのだった。


END




ヤキモチ妬かされてザマーミロ♪

入江くんにザマーミロと言いたい企画第二段(勝手に進めてる)です(^m^)ンフッ

たまには琴子ちゃんにヤキモチ妬けばいいよ…って、啓太の時に妬いてるんですけどね。
その後も密かに、こうちまちまとヤキモチ妬いてたらいいなぁ、と。
世の中には自分の彼女が褒められて誇らしく思う人もいるんでしょうけど、入江くんは間違いなく、不機嫌になる方だと思うのですが…いかがでしょうか?
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~ Comment ~

 

うわ~。
ナイスヤキモチ‼(笑
入江くんが可愛いって言ってあげないからだょ~( ̄▽ ̄)女の子はそーゆーの大事なのょ!入江くん!…って…ついつい言いたくなっちゃいますねぇ~。琴子…ちょっとぐらいベッドで意地悪してやったらいいのにぃ(笑

入江くんったらもぉ 

こんばんは~

ホントに独占欲の固まりだなぁ!
自信満々入江くんには、不安満々琴子ちゃんの日頃の辛さは解んないょ! 琴子ちゃんだからこそ、明るく振る舞っているんだから(T_T)
普通の女子なら、とっくに根をあげて潰れてると思う(^_^;)

 

普段から愛情表現過多な琴子と普段は愛情表現皆無な入江くんじゃ、こんな小さなヤキモチでも琴子を泣かせる事態になってしまうんですね(^_^;)
入江くんザマーミロですが、いちいち琴子を悲しませるのはいけませんよ~!<(`^´)>

まぁ「仲良しの椅子完成!」なんて可愛い事言われた後の爆弾投下ですからね、上げて下げられちゃった入江くんの気持ちもわからないではない(笑)

>ぺぺ様 

ナイスヤキモチいただきました~(笑)!
ほんと、入江くんがもっと可愛いって言ってあげてたら…でも、そんなの素直に語ってる入江くんは、すでに入江くんじゃなくなってしまうのが難しいところですよねぇ。
琴子がベッドで意地悪って、それもなかなか難易度高そうですね(笑)
でも、私も見て見たいです…ぷぷぷっ。

>ナッキー様 

入江くんは琴子に関してのみ独占欲の塊っていうのが理想(?)なので、こんなの受け入れられるわけないよな~、と思いながら書いてみました♪
確かに琴子じゃない女の子じゃ、あまりの理想とのギャップに潰されてとっくに別れてますよね。
入江くんは琴子を大事にしなきゃ…ママが「お兄ちゃんには琴子ちゃん!」って直感したのは、ほんと正解だったと思います(^^)

>hitomi様 

あはは、確かに!天国から地獄くらいの落差ありそうですよね!
入江くんをそこまで振り回すなんて、さすがは琴子~♪

啓太との一件で素直になる…と言っても、あれですもんね(笑)
なんとなくですが、自分が以外が琴子を泣かせるのは許せないけど、自分のために琴子が泣くのはOKとか思ってそうな気がします…ドSすぎですかね(^^;?

拍手お返事 

>babaちゃま様

お~、愛されてますねぇ!うちは多分、NO興味ですね(笑)
二次だからこそ、バカップルだったりエロも大歓迎ですが…リアルでは同じく、亭主元気で留守が~です(^^
休みの日に転がってると腹立つったら!
邪魔だとは言わないですが、言わないだけで態度に出てると思います。何の自慢にもなりませんけどね…ふっ(遠い目)


>紀子ママ様

そうなんですよ、そんなの素直に言う入江くんは入江くんじゃなくなっちゃうんですよね!
琴子はいつだって一生懸命なので、彼が怒ってしまったら「どうして怒っちゃったんだろう」ってすごく考えたと思います。ああ…健気な子……。私なら、感じ悪いわねってさっさと帰っちゃうんですけどね(笑)

でも、琴子に関しては独占欲の強すぎる入江くんと、それを受け入れられる懐の深い琴子ちゃんが大好きなので、楽しんでいただけて良かったです♪


>naotti3様

おお、浮かびました!?そうです、あの目です~!
ハワイですら一気にツンドラに変えてしまうんじゃないの?というような、あの目…!
でも何故か琴子だけは気付かないという。まさにイリコトかと♪
こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございました!

 

やはりヤキモチ入江は見てて愉快!(啓太の時はちょっとヤバ過ぎて引くけど…)
だけど、琴子に当たり散らすからねぇ…もう少しゆったり構えられないのかしら?と入江に忠告してやりたいわぁ~。この夜はLOVE叩き込まれまくり~だったのでしょうね。

こんばんは! 

コメントしちゃいました!

入江君ざまーみろ~(^_^)v
でも本当に琴子に関することには細かい~!というか漫画でも琴子のことはよく見てますよね(笑)

一瞬で幸せモードからお怒りモードにスイッチがぱちっと切り替わっちゃいますから琴子ちゃんも大変!!よくがんばってますね~

とはいえ、毎日琴子に「可愛いよ」っていう入江君を想像するとそれはそれで怖いですが(笑)

物言わぬ全身心 

こんばんは
 直樹にギャフンのザマーミロ・・・胸元スッキリだったけど、琴子も悲しかったからなぁ~、 直樹だけのなら・・・もっと喜んでたかも・・・エヘヘ

 でも琴子は気づいてないんだけど・・・周りは気づいたハズだよねぇ・・・。空気も変わるほどの直樹の変化
 あの言葉で、空気が変化は惚れの おおヤキモチって周りも気づいたかなぁ・・・琴子の本心に気づき何時もの場所にイザナったけど、たぶんお口は判らないけど
物言わぬ全身で・・・その言葉の意味のオーラーが出まくってたと思うけどねぇ。 

>たーくんママ様 

このくらいなら愉快ですよね(笑)ほんと、啓太の時は琴子が可哀想で可哀想で…ううっ(涙)
あ、なんか入江くんにまたザマーミロって言いたいなぁ…。
こと琴子に関しては、ゆったりとかってどうなんでしょうね。表面上興味ないふりをしていても、あくまでそれは振りであって、実はすっごい気にしてそうな気もします(笑)うわ、こう書くとちっさいなぁ…(^^;
でも、琴子に関してだけだからと思うと、可愛く思えることもない…ような??
LOVE叩きこまれまくり…琴子、明日歩けるのでしょうか!?

>はる様 

コメントありがとうございます(^^)

そうなんですよ、漫画でもさりげなく(?)チラチラと、よく見てるんですよねぇ(笑)
幸せモードの時はきっと、琴子にしか見せない優しい顔を見せてくれているんだと思いますが、お怒りモードになると、誰もが凍えるツンドラ男……琴子でないと、相手しきれないですよね(^^;
ほんと、大事にしてあげないと…入江くん!

私も、西垣先生みたいな入江くんは想像できません(笑)頭でも打ったかと思っちゃうかも~ぷぷっ。

>吉キチ様 

直樹にのみギャフンかぁ……それ、やってみたいですねぇ!!
んっふっふ……ママ並みの企み顔になっちゃいそうです♪

言葉では愛してるとか言わなくても、体で伝えるって、入江くんっぽいですね。うんうん(^^)
だから琴子にはわかりにくくて、周囲の方がよくわかっちゃうんだろうなと思います。あんなに愛されてるのにどうして不安なのかしら?とか。
って、啓太も最初はそれに気づいてなかったからあんな面倒なことになってしまったんでしょうけども。

でもまあ、恐らく吉キチさんの予測通り、言葉で一度くらい可愛いと言った後は、体で(笑)伝えていたと思います♪

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>りあ様 

こんにちは(^^)
周囲はカチンコチンに瞬間冷凍されたのに、隣にいる琴子が保温状態なんですもんね。どうして!?ってくらい鈍いですよね(笑)そんな琴子が大好きなのですが♪
あの二人って、喧嘩してたとえ入江くんが悪くても、琴子から謝って入江くんが「こいつには敵わないな」と思うイメージがあるんです。言わないけど琴子ラブな入江くん……まさにツンレデの鏡(笑)元祖ツンデレ(勝手にそう思ってる)

さて、今回は覚えてるかどうか……入江くんのみぞ知るって感じですね(笑)
琴子もあんな場面で言わなければ熟睡できたかもしれないのに…。
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