*初恋*

スポンサー広告

スポンサーサイト

 
 だから君を可愛がる -後- 花冠の姫君 -後-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ   3kaku_s_L.png   スポンサー広告
*Edit   

「二次創作」
前後編

花冠の姫君 -前-

 
 だから君を可愛がる -後- 花冠の姫君 -後-
幼少時妄想です(^^)

花冠の姫君 -前-



 
「今日はなぁ、お父さんの大親友のとこに遊びに行くんだぞ~」

 父重雄の言葉に、後部座席の琴子ははしゃいだ声を上げた。
 忙しい父が、珍しく休日に連れ出してくれたのだ。それだけでも嬉しいのに、今日の行き先には同じくらいの年のお友達もいるという。
 人懐っこく、同世代と遊ぶのが大好きな琴子が喜ばないはずがない。

「いい子にできるかしら」

 母悦子の声に、琴子は大きく頷いた。

「できるよ!琴子いい子だもん!」

 きゃっきゃっとはしゃいだ声の響く車は、一路軽井沢へと向かった。

     
         ************


 重雄の親友重樹の別荘は、軽井沢にあった。夏の東京は蒸し暑くて息苦しいくらいだけれど、同じ日本でも、軽井沢の暑さは少し優しい気がする。
 琴子はきょろきょろと別荘を見回した。ここには同い年の子供がいると聞いていたのに、挨拶の時になっても顔が見えなかったからだ。
 最初の方こそ、約束通り大人しくしていた琴子だったけれど、大人の話が盛り上がる頃にはすっかり飽きてしまっていた。

「ねえ、お庭を見てきてもいい?」

 琴子の質問に、紀子が目を細める。

「ああ、本当にうらやましいわ。こんなにこんっなに可愛い娘さんがいらっしゃるなんて……」
「あの…?」
「あ、お庭だったわね。どうぞどうぞ、見ていらっしゃい。一人で門から出なければどこを探検してもいいわよ」

 目をハートにしてるんじゃないか、というような紀子に許可をもらい、琴子は庭に飛び出した。




 庭は、子供の目にはどこまでも広く続く世界のようだった。
 薔薇の世界。
 おそらくは紀子の趣味だろう。庭は薔薇庭園で、幼心にも見事だとわかる。まるで物語の世界のようだった。
 薔薇のアーチをくぐり、薔薇に囲まれた小路を歩くと、その先には小さな池が造られていた。
 池の周囲はやはり薔薇に囲まれていて、池の中央を目指して地面が続いている。作られた中州には白い木製のブランコが置かれていた。
 本当に絵本の中みたいだ、と琴子が目を輝かせた時、背後でガサッと音がした。
 小鹿でも出てきたら完璧だ、と思いながら振り返ると、そこには見知らぬ男の子が立っていた。
 白いポロシャツに、紺のショートパンツ。シンプルな格好なのに、綺麗な顔立ちのせいか幼いながらにキリリと凛々しく見えた。

(動物じゃなくて王子様だ!)

 琴子はぽっと顔を赤く染めた。幼稚園でかっこいいと思う子もいるけれど、目の前の子には敵わない。
 こんな素敵な子がいるんだ、と琴子は嬉しくなった。
 琴子はにこっと笑う。

「ね、一緒にあそぼ?あたし、相原琴子っていうの!あなたの名前は?」
「……」

 男の子は答えない。ただ、じっと琴子を見つめている。
 かっこいいけど、なんだか変な子だなぁ。そう思いながら、琴子は手を差し出した。
 けれど。

「…変な顔」
「なっ」
「お前にはこっちがお似合いだよ!」

 べし!!
 何かが琴子に投げつけられる。一瞬それが何だかわからなかった琴子も、お気に入りのワンピースに張り付いたそれを見て、大きな悲鳴を上げた。

「きゃあああ!!」

 ヒキガエルだったのだ。
 お気に入りのワンピースに、気持ちの悪いヒキガエル。琴子の目には一瞬で涙が溢れる。

「やだやだ!取って取って!!」
「あははは!!」

 半狂乱になる琴子を、男の子は笑って見ているだけだった。
 本当に怖いのに酷い!――そう思っても、もう怖くて声も出せない。
 ヒキガエルが少しでも動くと、琴子は息が止まりそうなほど怖かった。
 そのうち声も出なくなり、琴子は青ざめて小さく震え始めた。ガクガクと膝が震えて、きゅうっと小さな体をちぢ込ませる。
 男の子は、ようやく琴子が笑える状況にないとわかったのだろう。
 先ほどまでの嘲笑を収め、無言でヒキガエルを剥がす。そして遠くに投げ捨てた。
 何かしらの文句を言われるだろうと思ったようだが、琴子は涙に濡れた目で男の子を見つめるだけだった。

 どうしてこんなことしたの?どうして助けてくれたの?いじわるしたのはあなたでしょ?

 そう言いたげな瞳だったけれど、言葉にしては何一つ語られなかった。
 それが、ものすごく居心地が悪かったのだろう。
 男の子はぱっと身を翻すと、薔薇の小道を走ってどこかへ行ってしまった。
 残された琴子は茫然としたまま、男の子の消えた方を目で追いかける。
 男の子は足が速いのか、すぐに見えなくなってしまった。
 もう戻ってこないことがわかると、琴子はしょんぼりと肩を落とした。

「……怒られちゃうかな…」

 薄汚れた裾を隠すように握りしめ、琴子はぽつりと呟く。
 男の子に意地悪されたことも悲しかったけれど、お気に入りのワンピースを汚してしまったことで悦子が悲しむかもしれないことも悲しかった。
 そしてぐすっと鼻をすすると、とぼとぼと歩きだしたのだった。




エロを書くとピュアが書きたくなる不思議。
サイクル的にはエロ→ピュア→エロ→ピュア(エンドレス)みたいな……なんでしょうね?

関連記事

総もくじ 3kaku_s_L.png 【二次創作】
もくじ   3kaku_s_L.png   前後編
*Edit ▽CO[7]
Tag List  [ * ]    

~ Comment ~

純粋 

本当に心 洗われる琴子の子供時代
毎日汚れた大人の世界に生きる私にも 一服の清涼剤のように心に響きました。 コメントも爽やかにしてみました。
続き 楽しみです(^_^)

 

     こんにちは
 キャワイイ琴子ですねぇ・・・自分の気持ちよりママの気持ち考えて・・・純粋ですねぇ・・・

それにしても、コイジワルなボッチヤァンですねぇ・・・。
一言でも文句言われた方が・・・気分はスッキリだったと思うけどなぁ・・・ 

NoTitle 

新しいお話のupありがとうございます!
昨夜はサッカーのアジア杯にのめり込んで睡眠不足なのですが、劇的勝利で疲れもなんのその、爽快な気分でいるところ、今回のピュアなお話でさらに邪悪な私の心が浄化されようとしております!
琴子って、ホント幼いころから純真無垢・・・そのまま大人になったんだね。登場した意地悪坊やは直樹でしょうか? 既に男に戻った?後の捻くれ直樹ですね。
後編も楽しみにしてま~す!

>さくら様 

子供のころの琴子を想像するのは楽しかったです(^^)100%可愛かったであろうことがわかってるというか(笑)
さくらさんのコメントも爽やかにしてしまうパワーがありますよね(^m^)
続き、今ぽちぽち書いているのですが、さっくりあと1話で終わらせるか、それとももう1つくらいエピ挟むかで迷ってます(^^;
チビなイリコトが楽しくて…♪

>吉キチ様 

琴子なら、自分のことより他の人のこと考えていそうかなあ、と♪
すでに性格のねじ曲がった感がぷんぷんのおぼっちゃまですよね(笑)
後ろからドツキたくなります。
このくらいの男の子の頭の中ってけっこう単純な気がするのですが、このお坊ちゃんに限っては
逆にえらい複雑そうです~(^^;

>たーくんママ様 

うちの旦那も見てました~!私は力尽きて途中で寝ちゃったんだけど、ぷつっと意識が途切れる寸前まで、奴が騒いでいた記憶があります(--;よっしゃあ!とか、おおお!とか。
邪悪な心、浄化されました(笑)?書いてる私は微妙なところです~。
早くも捻くれたこの坊や……青い入江の元でございますww後編、今もう少し長くするかさっくり終わらせるかで迷っているのですが、今日の夜か明日にはアップできるようにしますね!

拍手お返事 

>紀子ママ様

琴子の幼少時を妄想するのがすごく楽しくて!まだお母さんも健在で、両親に愛されている女の子って感じでイメージしています。絶対可愛かったですよね♪
それに比べてあの捻くれ坊や…すでに青い入江の片鱗がちらちらり(笑)続きでもっと顕著ですので、ぜひ見て行ってくださいね!
今日か明日にはアップできると思いますので。コメントありがとうございました♪


>TOM様

おっかえり~!
裏がオープンしたら…エロ→ピュア→エロIFとかになってくるんだと思うwww今書いてるIFとか…酷ごにょごにょ。
そうそう、同じところにツッコミしてた!!
あのママの性格からして、それぞれの子供を引き合わせて楽しむことをしてないわけがない、とか。
その頃から「琴子ちゃんはうちのナオちゃんのお嫁さんにぴったりだわ!」とか思ってそうじゃない?
メールありがと~!最初「んん?誰だ?」と思ったけど、すぐにTOMちゃんってわかって、その情熱の長さに吹いたけど(笑)www
すんごい楽しく読ませてもらったよ~!
この週末出かけちゃって多分メール書く時間とれなくて、来週末になっちゃうかもしれないんだけど、絶対返事書くから待っててね!!



>みえ様

こんにちは~(^^)前のも見ていてくださったんですね!ありがとうございます♪
今日はコメント残してやるか~って時にお声を聞かせていただければって感じなので、嬉しいです(^^)
西垣vs入江…もう西垣先生の体、ズタボロになってそうですよね(笑)
少なくとも脛とか痣でいっぱいになってそう!普段そんな妄想ばっかりしてるくせに書いてなくて…またそういう楽しいのも(西垣的には楽しくないでしょうけども・笑)書いていきますね♪
コメントありがとうございました!



>babaちゃま様

可愛い女の子っていいですよね♪私もエロ好きですが(笑)こうおいう琴子の描写を書くのも楽しかったです!
babaちゃま様にも楽しんでいただけたようで、本当によかった!
後編もまた楽しんでいってくださいませ♪コメントありがとうございました!



>naotti3様

ああ…それは、私も書きながら思いました…(笑)
こんなだったら、どんなに穏やかに日々を過ごせるんだろうって。白い物から汚すような感じですんで。
白いワンピースなんて着た日には、きっと私が発狂しています(^^;
後編は近くアップしますので、ぜひ見てやってくださいませ♪
コメントありがとうございました!
管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
  • 【だから君を可愛がる -後-】へ
  • 【花冠の姫君 -後-】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。